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JICA海外協力隊 コミュニティ開発とは?〜活動内容と面接対策〜

私はJICA海外協力隊 2023年度2次隊 コミュニティ開発隊員として2年間セネガルの農村部で活動する。

具体的には、セネガルの農村部の女性たちの収入向上支援を行う予定だ。

協力隊に応募したのは社会人3年目。私は新卒からずっと法人向けの営業部門で働いていた。
社会人としてはまだまだ未熟者だが、お客さんの課題をヒアリングし、それを解決するソリューションを提案する力、セミナーの企画・運営、商品プロモーションの経験を活かして、途上国の人々のために何か役に立てることがあるのではないかと思い「コミュニティ開発」という職種を選んだ。

JICA海外協力隊「コミュニティ開発」隊員とは?

コミュニティ開発は、地域住民が望む生活改善や収入向上、地域活性化への寄与を目的としています。フィールドワークや住民参加型のワークショップを企画・運営し、地域や住民の状況、ニーズ、課題を把握することが出発点となります。住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動します。
活動分野は、農業普及、保健医療、水・衛生、地場産業振興、村落開発事業など、地域の開発課題に合わせて多岐にわたっています。

JICA海外協力隊 公式HPより


JICA海外協力隊に応募するにあたり、自分が希望する”要請”を三つまで申請することができる。
要請を選ぶ基準は職種、地域、使用言語など、人によってさまざまだ。専門の資格が必要となるものもある。

ちなみに私の要請内容を簡単にまとめるとこんな感じ。

要請概要

  • 国名:セネガル

  • 職種:コミュニティ開発

  • 年齢制限:20〜45歳のみ

  • 区分:新規(※前任者がいないということ)

  • 派遣期間:2年

  • 任地:ルーガ州リンゲール県リンゲール市(首都から車で約4,5時間)

  • 配属機関について
    配属先は女性グループにかかる活動支援を通じ、地域活性化を目的とする行政機関である。女性の地位向上や権利保障、生活改善にかかるプロジェクトの実施・運営を行っている。主には、女性グループの収入創出活動(食品加工や農業、養鶏など)の支援を行っており、国際・国内NGO等の支援団体と女性グループ間の調整をして、女性グループに資金・技術支援の機会を提供している。

  • 要請理由・背景
    リンゲール県の主要産業は農業、畜産である。降雨量が少ないため、住民の食生活は穀物が中心であり、幹線道路から離れた村では住民の栄養不良の問題が存在する。
    県内には約750の女性グループがあり、食品加工や養鶏、農業の収入創出活動を通じた栄養対策の活動に取り組んでいる。隊員は配属先の職員と一緒に、市内・村落部の女性グループの活動活性化のための支援を行う。商品開発や販路開拓等を支援するなど、女性グループの運営上の課題を抽出し、運営改善の助言をすることも求められている。

  • 配属先の同僚
    配属長(40代女性)、職員1名(20代女性)

  • 活動使用言語
    フランス語

  • 生活使用言語
    ウォロフ語(現地語学訓練期間に語学研修を行う)

  • 気候
    ステップ気候、気温は15~45℃位

  • 電気・水道・通信環境
    停電、断水が頻発する。インターネット、電話は可

応募資格条件

  • 選考指定言語
    フランス語レベルD、または英語レベルD(※詳しくは語学力目安表を参照)

  • 性別
    女性(※女性グループを対象としているため)

  • 汎用経験
    地域開発や地域活性化の知識や経験、営業や販促、商品開発の経験、
    食生活改善や栄養に関する知識や経験、フィールドワーク経験があると良い。

※実際に要請概要が記載されている要望調査票を見てみたいという方はこちらからどうぞ!


協力隊の審査には、まず一次審査と呼ばれる書類審査があり、それに合格すると二次審査すなわち面接が待ち受けている。

面接の際にはもちろん志望動機を聞かれる。私は①途上国の人々に雇用を生み出す、収入向上を支援する ②女性の支援 の2軸で要請を選んでいたので、その意思がしっかりと伝わるように心掛けた。(逆に言えば地域はアフリカでもアジアでもどこでも構わない、言語はなんでも良い、と思っていた。)

ちなみに世界の貧困問題に関心を持ったきっかけについては下記のブログに記載しているので、もし良ければ読んでいただけると嬉しい。


ジェンダー問題に関心をもったのは、新宿ミロードで見かけた”世界国際女性デー”のPOPUPがきっかけ。

冨永愛さんの活動をはじめとし、いろいろと調べてみると世界にはただ女性に生まれたという理由で辛い境遇に遭っている人々が多くいるということを知った。もし協力隊として活動することができるなら、同じ女性として何か力になれる活動がしたいと思い、前述の要請を希望したのである。

面接では「協力隊の活動を通して女性たちが仕事にやりがいを持ち、経済的な豊かさかつ女性の社会進出を促す仕組みを構築したい。また将来的には自分自身が女性社会起業家として活躍することで、一人でも多く女性たちに希望を与え、世界中の女性たちの社会的地位向上に貢献したい。」といった想いを面接官に伝えた。

(書類や面接ではたいそうなことを文章にしているけれど、ただ誰もが好きな人と一緒に暮らせたり、結婚できる世の中になったらいいな、それを少しでもいいから後押しできたらいいな、と思っている。)


さて、もしこれからJICA海外協力隊に応募しようと思っている、または面接を控えているという方がいるならば、協力隊員に求められていることを理解した上で、自分の軸をちゃんと持っておくことをオススメしたい。

協力隊に応募する理由、想いなんて溢れるほど話せるのであるが、面接は人物面接・技術面接それぞれ15分ほどという限られた時間の中で行われるため(※2022年度時点)要点をまとめて上手く自分をアピールするというのがとても難しいのだ。

私は、面接のプロフェッショナルである友人A君に全面的に協力してもらい、下記画像のように自分の軸を整理した。

これが正解かどうかわからないが、JICAのミッション、ビジョン、アクションに対して、自分も同じ方向を向いているということ、そして自分の中で何のために協力隊の活動を必要としているのか、そして帰国後はどのように日本および途上国のために貢献しようと考えているのか、を自分の中で納得感を持って整理すると良い。

これはそのまま面接で話すものではなくて、面接官から質問を受けた時に一旦自分の軸に戻って考えを整理するためのものである。そうすることで、きちんと自分の想いを伝えることができるはずだ。


最後に、協力隊に選ばれるにあたって特に重要なことは「現地の人々と同じ目線に立って信頼関係を築くことができるか」なのではないかなと個人的に思う。

協力隊の活動は先進国から途上国への一方的な”援助”ではない。現地の人々の話に耳を傾け、また日本とは異なる考え方や異文化について学び、自分が2年間の任期を終えた後も人々の生活が良くなるような仕組みを一緒に作り上げ行く”協力“が求められているはずである。

これから念願のJICA海外協力隊としての活動が始まる。

1年前に応募した時の気持ちを忘れずに、楽しく充実した2年間を過ごしていきたいと思う。

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