妄想話「偏狭な愛国心」(別プライベートブログより転載)

※もしもゆがんだ愛国心が暴走し、自国の文化しか認めなくなったらというフィクション話です。

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これは、とあるパラレルワールドの日本。かつてDSカバールが支配し、善良な日本人はさんざんひどい目にあわされてきた。しかし、ホワイトハットらの力添えもあってDSは消え今までの真実も明かされた。様々な要因で人口は減り、残った日本人は国を建て直すと祖国で奮闘する。

…しかし、愛国者たちは外国人にさんざん虐げられたことから日本に日本人以外はいらないと、日本を愛する外国人まで強制的に追い出した。国際結婚していた日本在住の日本人は、男女とも強制離婚させられたり国外追放されたりした。特に中国・韓国人および彼らと親しい人は日本への入国を永久に禁止すると宣言。そして、外国のものすべて追放した。洋服、食文化、外国語に黒髪黒目以外のキャラも。
・食事は和食のみ。食器は箸とれんげ、お椀に茶碗など。飲み物は日本茶などが主。おやつはせんべい、ようかんなど和菓子のみ。
・衣服は和服のみ。履物は下駄や草履などで靴はNG。下着はふんどしor腰巻、さらし。
・名前も日本風のものだけ。外国人ぽい名前の人は追放or改名。(ケント、ナオミ、エリカなど)
・髪は黒髪のみ。そうでない人は強制的に黒に染める。

そう、愛国心が暴走して自国のもの以外認めないという偏狭な価値観に陥ってしまった。世界の諸国は地球が一つになりほかの星とも交流していくと前向きであったが、日本は鎖国し日本だけでやっていくと宣言。日本人も、この考えに賛同できない人は他国や他惑星へ移住した。

女の子:「はあーあ、ファッション…いや衣服の雑誌は似たような着物ばかりで面白くないな。確かに、和服は体型を選ばないのはいいけどスカートとか履きたい人もいるでしょうに。」
男の子:「まったくだね。僕だって、先天性の茶髪なのに黒髪でないといけないと無理やり染めさせられているし。」
女の子:「まあひどい。體は大丈夫かしら。」
男の子:「一応、安全な染料だから大丈夫だけど…。言葉狩りもあれだよな。トイレって言っただけで外国かぶれとか変なこと言う大人もいるし。」
女の子:「それもおかしな話よね。他の国は国際交流盛んで別のところのいいところを受け入れているみたいだけど…。日本の人は、自分たちが世界一素晴らしくほかの国は日本に劣ると傲慢なところがあるな。」
男の子:「わかる。破壊目的の外国人に虐げられていたのは同情するけど、外国のものすべて排除するのはやり過ぎだ。」
女の子:「私、ある程度したらこんなところ出るわ。偏狭で時代遅れで排他的なところなんていられない。」
男の子:「僕も。」

諸外国や宇宙種族は開国の説得を続けたが、多くの住人は耳を貸さず偏狭な愛国心を振りかざし他惑星の文化も拒絶した。偏狭さに耐えられなくなった人たちはやがて誰もいなくなり、日本至上主義の人だけが残る。説得は無駄と判断した他国・他惑星の人たちは日本に見向きもしなくなった。
ある時、日本列島は浄化のため水没するということが判明した。他国・他惑星の人達は日本に住む人を助けようと声をかける。が、彼らは日本列島と運命を共にすると頑として聞かなかった。結局、数か月後に日本に住む人は日本列島と運命を共にし、誰もいなくなった。アトランティス水没のように…。

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自分で書いておきながら、正直恐ろしい世界観と思えました。

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