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多拠点生活に憧れる

私は気に入ったテレビ番組は何度も見るタイプで、これもその一つ。NHKディレクターが実際に多拠点生活をして番組を制作したもの。

多拠点生活の仕組み

番組で利用されていたのは『ADDress』
全国210か所から選んで住める。空き家をリノベーションした所が多い。
月額4.4万円で、ここに電気代、ガス代、水道代、ネット回線料金などが含まれている。
家の中はネット完備なのでテレワークにも使いやすい。
家守(やもり)という役割の人が、物件の管理や暮らしのお世話をしてくれる。
机など生活に必要な備品は揃っているが、食事を作るなどの身の回りのことは全て自分で行う。
どのような同居者が来るかは当日にならないと分からない。

どういう人が利用しているのか?

ディレクター 髙田さん

週の半分が自宅でリモートワークという状況。
家は通勤のしやすさで選んだ1LDK。壁が近くて圧迫感があった。

教育機関職員 松下さん

  • 一人暮らしでリモートワーク。他人と喋ることが無くなってしまう。

  • 人を呼べないので、部屋に物を置いていてもその空間は自分しか楽しめない。勿体ない。持たなくてもいいと思った。横浜の自宅は引き払った。

  • 転職を機に仕事はオンラインに。通勤がなくなったことで生活を見直した。

  • 自分がときめくものがあればいい。「僕はコーヒーとテニスラケットと、プロテインがあれば幸せなんです。」

地元のスポーツクラブ勤務の男性

「別に働く場所を限るほどの権利はなくない?会社に。」

父、母、娘(0歳)の家族

  • 多拠点生活を始めた理由。母が子どもと一対一で過ごさないといけないことからストレスが溜まっていて、毎日喧嘩していた。夫婦仲が悪かった。その状況を変えるため、父母の育休期間を利用して環境を変えた。2か月間の予定。

  • 育児のテレワーク

  • 子どもが座る用のハイチェアが無いのは不便。一人が抱えておかないといけない。親がゆっくり食事できない。

  • デメリットもあるが、多拠点生活に満足している。

  • 母は育休中に人と話せないことが嫌だった

  • 父は今まで子どもを可愛いと思えなかったのが、思えるようになったのが良かった

  • 暮らし方を変えて家族との向き合い方が変わった。

フリーランスのWebデザイナー 竹山さん

  • 彼氏と物理的な距離を置きたかった。一緒に住み、仕事もしているので距離が近すぎた。

  • 多拠点生活は5か月目

  • 家に籠って仕事だけして時間が過ぎるのは勿体ないと思った

  • 「別に成長もしていないし、面白いこともしないし。」

  • 人目を気にして動いてしまうのが嫌だった。しかし、多拠点生活では誰も自分のことを知らないから何でもできる。

  • 今までは勝手に固定観念で自分を縛っていた。

東京の大手文具メーカーで働く会社員

  • 神奈川、千葉、新潟で多拠点生活

  • 2か月目

  • 普段は自然豊かな新潟県でリモートワーク、出勤するときは神奈川や千葉の家を利用する

東京の大学に通う大学院生

  • ゼミがオンラインになったことがきっかけ

  • 複数の町で暮らしている

  • 暮らしの中でまちづくりを学びたい

多拠点生活の良さ

同居者とキャリアについての会話が自然と生まれる。みんな働き方や生き方を見つめ直している。
多様な価値観を持つ人たちに出会えて、自分の考え方やものの見方が広がる。

多様性がイノベーションを生む
同じ集団の人たちが集まると平均点は高くなるが、80点や100点を超えるものが出ない。

昔は、仕事の中に成長や生きがいが詰まっていた。
現代は、やりたい仕事も暮らしたい生き方もどちらも諦めずに選択できる。
多拠点生活は生き方を解放する。

地域での偶然の出会いが発生する

行政が多拠点生活を応援

熊本県多良木町
人口9200人
高齢化率40%

町役場の職員兼家守の栃原さん
ウェブライター、動画クリエイターなど、複数の顔を持つ関さんのスキルを町に還元してもらうためにプロジェクトを立ち上げた。
動画制作・配信。最新の機材を駆使した撮影と編集の技を共有。

刺激と刺激でイノベーションを起こす

移住でも観光でもない『関係人口』
かつて多良木町では、移住や企業誘致に力を入れてきた。しかし、いきなり移住を決めるのは難しい。多拠点生活の仕組みでお試しで住んでもらう。

地域に関わるのは何か大きなことをしなければいけないと思っていたが、自分の持っているスキル(動画制作のコツ)をシェアすることで地域貢献できたのが新たな発見だった

多拠点生活=場所にとらわれない生き方
今までは、暮らしている地域の中に教育、仕事、医療などがパッケージされた社会だった。一人一人の多様な生き方というのが先にあって、その上で社会をどう作っていくのかという考えに変化。

『最大多数の最大幸福』
(the greatest happiness of the greatest numbers)
一人ひとりが幸福になれば、社会全体も幸福になる
…という意味かな?調べたけど難しくて分からない。

私の感想

webデザイナーの竹山さんが言っていた、多拠点生活では人目を気にせず動けるという話にすごく共感した。私も人目を気にしてしまうタイプだ。例えば、カラオケも一人だと伸び伸び歌えるが、人が居ると声が出づらくなってしまう。服を買いに行くときも、誰かと一緒だと服が買えない。気を遣いすぎているつもりも遠慮しているつもりも無いが、どうしても、自分の服選びより相手が退屈していないかなどの方が気になってしまう。人のことを考えられるのは自分の良い点だと思うが、なんとなく、さらけ出すことができていない気がする。だから、私も知り合いが居ない場所というのは、緊張はするが気は遣わずに済むときもある。(緊張するし気を遣うときもある)

また、パソコンがあれば仕事ができるという状況に憧れる。今している仕事はテレワークにするのが難しい。副業でやりたいと思っているが、まだそこまで辿り着いていない。パソコン上で稼げるようになりたい。

自宅を手放していろいろな場所で住む人も居て、カッコいいな、私もそうしたいなと思っていたが、自分の性格上無理そうだと思った。
物の所有欲は少ない方だと思っていたが、ずっと同じものを使いたいという気持ちがあるので手放せない物が多い。
ファッションセンスが無いのが悩みではあるが、服は少なくはない。(多いかどうかは分からない)スティーブ・ジョブズみたいに同じ服を着れば効率的だとは思うが、いろいろな服を着たいと思うのでそうは出来ない。ミニマリストはカッコいいと思うが、そこまではしなくて良いと思ってしまう。

同居者と自然に会話が生まれるのはすごく良いなと思う。シェアハウスに住むことを考えたことがあるが、キッチンの共用などの生活の共有が嫌で今はしたいと思っていない。そのような点は、多拠点生活もシェアハウスに似ている。番組では生活面はピックアップされなかったが、私の場合、そこがクリアできないかもしれない。。

生活面でネックなのは、共用部分があることの他には食事だ。髙田ディレクターは、地域の人からもらった野菜で食事を作っていたが、それは私には難しい。料理が苦手なのでスーパーのお惣菜や冷凍食品などによく頼るが、住む場所が一定でないと、そういうものの調達に苦労すると思う。
朝ごはんは必ずこれを食べる、というように一種類に決められたらいいが…いろいろなものを食べたい。

これらのことを考えると、多拠点生活は面白そうだしやってみたいと思うが、やりたくない理由もあるので、今は『憧れる』だけだ。将来どうなるかは分からない。