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猫の食事 試行錯誤 去勢・避妊手術〜1歳まで

キノタルコの食事事情、去勢・避妊手術後〜現在までの記録です。

はじめに

2019年2月と3月に、キノ(オス・当時5ヵ月)、タルコ(メス・当時5ヵ月)、それぞれの去勢・避妊手術が終わりました。その直後から、現在1歳のふたりが食べているフードに落ち着くまで、かなり試行錯誤しました。その主な原因は、タルコの食欲増進です。

いきなり結論

いきなり結論ですが、現在ふたりが食べている「ロイヤルカナンのVets Plan ニュータードケア」(去勢後〜7歳頃まで用)です。

結論に至るまで—術後の食欲増進—

前回書いたとおり、キノもタルコもロニー(RONNIE)というキャットフードが大好きでした。飼い主としても、グレインフリーで合成保存料を使っていないロニーのコンセプトが気に入っていて、去勢・避妊手術が済み次第、ワイルドレシピのキトン用から徐々にロニーに切り替えていきました。しかし避妊後のタルコの食欲増進が思ったよりも激しく、グレインフリーのフードだけでは、まったく腹持ちがしないようでした。なぜグレインフリーのフードでは腹持ちがしないかというと、100gあたりのカロリーが高いので、与える重量が少なくなるからです。ましてや好きな味となると、ガツガツ食べてしまい、満腹感を得る前になくなってしまうのです。

女性なら分かりやすいと思いますが、ホルモンのサイクルによって、食欲が増す時期と減る時期があります。去勢や避妊をして本来のホルモンバランスが崩れると、食欲が増す原因となるホルモンがいつまでも出ているような状態になるのでしょうか。個体差もあると思いますが、タルコは日がな一日、「お腹が空いた」と鳴いていました。

グレインフリーであろうとなかろうと、適正カロリーは変わらないはずなので、時間が経てば満腹になるのだと思います。猫に「10分待ってみたら満腹になるよ」と言って、「分かった! がまんしてみる!」と理解してくれれば話は簡単なのですが、そうはいきません。あるいは、ご飯をあげたら出勤するなりして私がいなくなれば諦めるのでしょうが、私は在宅仕事であり、仕事部屋イコール猫の部屋なので、猫にしてみれば催促し放題。私自身も鉄の意志を持っていないので、一日中、傍らで催促されると、精神的にも物理的にも無視するのがかなり困難でした。催促されるままに与えていたら、どんどん太ってしまう…。とりあえず、エリザベスカラーがはずれて抜糸が済むまでは、術後の体力回復期と考えて好きなだけ食べさせてあげることにして、その後のことは、主治医に相談することにしました。

結論に至るまで—主治医からのアドバイス—

キノタルコの主治医は内科専門で、手術は別の病院で行ないました。術後2週間、抜糸が済んだところで診察をかねて主治医のところに連れて行き、フードについての相談もしました。(ちなみにキノは術後も食欲が増えなかったので、キノの時は特にフードの相談はしていませんでした。)

先生からのアドバイスは「手術後は去勢・避妊用に栄養バランスが整えられたフードにしたほうがいい」ということでした。去勢・避妊猫用のフードは、食欲増進をふまえて食物繊維などでかさ増ししてあるため腹持ちがよく、結果的に満腹感を与えながら摂取カロリーを抑えることができ、肥満を防止できるというのが一番の理由です。

その受診時に、先生からいただいたサンプルが、ロイヤルカナンのVets Plan ニュータードケアでした。ロイヤルカナンは言わずと知れた老舗のペットフード・メーカーで安心ですし、ペットフードを買いに行っていたお店の方からも勧められたことがありました。ただ、にわか知識で「グレインフリー」「添加物フリー」が一番だと思っていた私は、穀物が入っていて添加物も使われているロイヤルカナンの製品には手をつけていませんでした。しかしサンプルを与えてみると、キノもタルコも食いつきがいいし、グレインフリーのフードよりも満足感があるようで、催促も減りました。これは先入観を一度取り払って、切り替えを考えようかと思い始めました。

先代のジギは穀類の割合が多めのドライフード+ウェットフードで20歳まで病気知らずでした。なので穀類が入っていること自体がそんなに悪いことだとは思っていません。ただし長く食べ続けるフードの添加物についてはやはり気になってしまうので、もう一度、食品添加物の基準値や、その考え方について調べみて、「絶対安全だし何の心配もないじゃないか!」とは言えないまでも、「真っ向から否定すべきものでもないわね…」と思うくらいになりました。

というわけで、成長期+避妊後で食欲マックスな今の時期、グレインフリー・添加物フリーのフードにこだわることにより、猫は適正量で満足できない、飼い主は猫の催促を制することができないで肥満のリスクが上がるより、肥満のリスクや避妊後の病気のリスクを考慮して開発されたフードを与えるほうが、猫のためにも、飼い主のためにもよい、という結論に至りました。

とは言え、タルコは実はこれでも満足がいかないので、今はウェットフードも一緒に与えています。黒缶という商品の「水煮」のパウチで、添加物も少ない総合栄養食です。水分を多く含んでいるので、これを与えることで満足感がさらに増し、適正摂取カロリー内で収まるようになりました。

主治医がいることの大切さ

去勢・避妊済み猫用フードは、通常「成猫用」です。「去勢・避妊した<子猫用>フード」はありません。私は、キノタルコの手術後、成長期の子猫に必要な栄養が入った子猫用のフードと、去勢・避妊をした後の健康リスクをふまえバランスが整えられているフードと、どちらを与えたらいいのかわからず、とても困りました。家猫の場合は発情前に去勢・避妊手術をするように推奨されています。しかし発情前となると1歳未満です。「その後はカロリーを抑えましょう」と言われると、子猫の健やかな成長はどうなるのかしら? と心配になります。そして獣医師によっても見解が違うので、術後のフード選びはネットなどを参考に決めるのではなく、その猫ちゃんひとりひとりの性格や体型・体重などをよく知ってくださっている主治医と相談のうえ決めるのが一番だと実感しました。

余談—去勢・避妊済み「子猫」の摂取カロリーについて—

摂取カロリーについても、主治医に相談するのが一番だと思います。私の場合、手術してから主治医に診ていただくまでの2週間、獣医師広報版というサイトの、猫のカロリー自動計算サービスを利用してフードの量を決めていました。基礎消費カロリーも考慮して算出してくれるので、大変便利なのですが、去勢・避妊後は、やはり成猫が基準になっているので、主治医によれば、そこで算出されたカロリーは、1歳未満の子猫のエネルギー量としては少なすぎるそうです。また、同じ月齢でも、大きめの子もいれば小さめの子もいます。主治医でしたらその子ひとりひとりの体格を見て「1歳になるまでにこれくらいの体重になるだろう」と想定し、適正カロリーを考えて下さいます。たとえばタルコの場合は、受診時は3キロ未満でしたが、最終的に4キロくらいになるだろうから、それを最大値と考えて、「今は体重1キロあたり〇〇キロカロリーくらい与えて」というふうに教えて頂き、とても参考になりましたし、そこまでカロリーを抑える必要もないのだということが分かり、安心しました。

長くなりましたが、最後まで読んで下さってありがとうございました。

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