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【1話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)

「やっと1話が始まったね 梨紗ちゃん」
「そうね やっとよ」
「何話まであるんだろうね」
「知らないわよ 想い出した分よ」
「じゃあ沢山あるね」
「そうね唯 沢山あるわね」

そろそろ始めたいと思うのですが、よろしいでしょうか。

「あっナレーターさん ごめんなさい よろしくお願いします」
「唯はまだ居たいんだけど」
「だめよ 戻るわよ 話が進まなくなるわよ」
「分ったよ梨紗ちゃん」
「ほら唯 サッサとしなさいよ」

東雲家と小鳥遊家

東雲家と小鳥遊家は、いつの頃からかは分りませんが、隣同士で家族ぐるみのお付き合いが代々続いてます。代々続いているのはそれだけではありません。両家とも女系家族、婿養子で家系を存続、子供は女児で一人っ子、その子供は同年同月に産まれているのです。ですから子供同士は産まれながらの幼馴染みで仲が良く、両家の強い協力体制が代々受け継がれてきたのです。何とも不思議なことです。

子育て等も両家が協力して行ってきました。同年同月に産まれていることもあり、互いの子供は我が子同然として育てられ、子供にとってはママは二人、といった強い気持ちが当然の如くあるのです。産んで育ててくれたママと、産んでないが育ててくれたママ、がいるということです。また、その子供同士はママ同士の母乳を飲んで育っているのです。子供同然と言っても血の繋がりはありませんが、その子供が美味しそうに自分の母乳を飲んでくれることが、一層の母性と可愛さを与えてくれます。

互いのママにとっては互いの子供は、産んだか産まなかったかの違いでしかありません。普通はそれが重大な違いなのですが、二人のママにとっては、大した違いではないのです。勿論、子供は実の親と暮らしています。また実の子には親としての責任がある、などということは当然承知した上でのことです。

さて、唯ちゃんと梨紗ちゃんのママも例外なく、仲の良い幼馴染みです。
唯ちゃんの実のママは「東雲 唯未(しののめ ゆみ)」梨紗ちゃんの実のママは「小鳥遊 梨乃(たかなし りの)」です。同年同月に産まれ互いの家族に我が子我が孫同然に育てられてきました。

そして、唯未さんと梨乃さんは婿養子を迎え、時機に子供を授かります。

その子供が、唯ちゃんと梨紗ちゃんです。

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#ショートショート #東雲 #しののめ #小鳥遊 #たかなし


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