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ノーコン

コントロールが難しいもの。
ボールを投げる。絵の具で色をつくる。塩コショウ少々。柔軟剤の詰め替え。ビールの栓抜き。深い時間のおやつ。楽しい飲み会のお酒。ボードでリフトから降りる。眠気。

小さい頃は泣き虫で、ちょっと思い通りにいかないことがあると、すぐに泣いた。口答えする、怒るっていう手段を持たなかった。「泣くな!」と言われれば、「だって勝手に涙が出てくるんだもん」って言い訳しては泣いていた。

それから、大きくなって、気づいたら泣くことがなくなっていた。泣くなんて恥ずかしいことだ、と。しかし、それは知らず識らず感情を解放することを忘れさせていたようだ。

社会人になって1年が経ったころのこと、日記にちょっとした愚痴を書いた。書いてみたらそれだけじゃ収まらなくなって、布団のなかで思っていることを全部口にしてみた。そしたら、とめどなく涙があふれてくる。全然寝付けない。正味2時間くらい止まらなかったと思う。そこで、はたと気づいた。ああ、全然捌け口がなかったんだな、と。今度からは家くらい思ったこと全て口にしよう。泣きたい時は泣こう。我慢する必要はない。

だけど、会社ではそうもいかない。別に泣いてはいけないという契約はないけれど、涙を見せたら、しかもそれが女であると余計、「泣けばどうにかなると思ってるんでしょ」と思われかねない。全くそんなこと思っていないのに。むしろできてないくせに更に涙までこぼしてごめんなさい、って申し訳ない気持ちでしかないのに。しかし、私の思いとは裏腹に、涙はいうことを聞いてくれない。溜め込むことはできるくせに、一度プツンと糸が切れると、自らの意志で止めることはできない。正に「だって勝手に涙が出てくるんだもん」状態だ。必死に花粉症のふりをして、トイレに行きたくなったふりをするしか逃げ場はない。この間もちょっとした尻拭いをしていたら、上司が心配して声をかけてくれた。状況を説明しているうちに、なんだかとっても辛いように思えて涙がこぼれそうになった。なんとか未遂で済んだ。しんどいときに優しい言葉をかけられると、涙がこぼれてしまうのはどうしてなのだろう。全然コントロール効かない。

泣きそうな時に受け止めてくれる、ベイマックス入りの防音個室が会社にあればいいのにな、って思った今週でした。


#毎日更新 #毎日note #泣くこと #ベイマックス

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