aikoのライブに行った話

初めてaikoのライブに行った。

ボクとaikoの出会いなんて、誰も興味がないと思うけど、そもそもこれを読んでいるのは現時点ではボクだけだから、記憶を振り返りながら余韻に浸ろうと思う。

中学生くらいの頃、小さくて可愛いお姉さんが夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろしていた。めちゃくちゃ可愛いかった。背が高くて綺麗なお姉さんが好きだと思っていたボクの価値観が揺らいだ瞬間だ。以降、ボクが好きになった女性はお淑やかな方もいれば、派手な方もいる。でも、好きになることと、一緒にいて落ち着けることは全く別物であることを後で知ることになるのだけど、その話はまた別の機会にしたい。

大阪城ホールに入場したのは開演30分前。通路には、「席に置いてあるリストバンドは終演後回収します」と書かれた紙がたくさん貼られていた。バンプは持ち帰りOKだったから、aikoはどうしてくれないんだろうと思って座席に向かうと、ボクの座席にリストバンドがなかった。隣の席にもなかった。前を見渡すと、みんな背もたれの上にビニールテープでリストバンドが貼り付けられている。後ろの人に、「落ちてなかったですか?」と尋ねると、「この列、来た時からありませんでしたよ」と教えてくれた。事情を察した隣の人が、「たぶん、昨日来た人が持って帰っちゃったんだと思います。ボクは昨日も来たんですけど、回収時にチェックはなかったから。業者の納品が遅れちゃったみたいです。」と経緯を詳しく教えてくれた。ボク一人だったら、スタッフに伝えに行くところだったけど、話をして共にリストバンドなしでライブを楽しめる同士が見つかり、しかもaikoのライブ34回目というベテランさんだったから、懐の大きさを見習おうと思い、手首が寂しい状態で開演を迎えた。

ステージに登場したaiko。ふわふわのドレスを纏った姿がめちゃくちゃ可愛かった。モニターに大きく映し出された笑顔を見るたび、ボクのハートに矢がグサッと突き刺さる。恥ずかしくて目を逸らしそうになるけど、目を逸らしたら気付かれそうだから画面が切り替わるまでずっと見つめていた。もうずっとaiko可愛いしか考えられなかった。それくらい可愛かった。あんまり言い過ぎると、妻に怒られるからこの辺でやめとくけど、それくらいあれだった。

アリーナを真っ二つに分けるように、スタンド後方まで伸びる花道。中央には円形のステージがあった。どこの席でもaikoを間近で見られるように配慮されたステージは、aikoのファンへの気持ちの表れだと思う。ファンの人の声にも可能な限り答えていたし、花道で寝転がり見えてはいけないものが見えそうになっても、「減るもんじゃないし笑」と会場の声を一蹴。この言葉に一体何人の男子が雄叫びを上げただろうか。ボクのギアもトップに入り、夢中で手を叩き、飛び跳ねて、MCで笑い、ストリングスの音色に浸り、aikoの声、動きに集中していたらあっという間に本編最後の紹介があった。早すぎる。でも、めちゃくちゃ濃い時間だった。

アンコールの数曲が終わった頃に、aikoから再度リストバンドの話があった。そのタイミングで、隣のベテランさんが「リストバンドがない!!」と叫んだ。aikoが「ない!?!?」と聞き返してくれた。同じ列のリストバンド無い戦隊の5人が高らかに両手を挙げた。少しすると、近くの席で余っていたリストバンドをたくさんの人が持ってきてくれた。ボクたちは最後の最後で光の演出に携わることができた。もちろん終演後には回収ボックスに入れた。昨日の回収率は97%だったらしい。本来は、持ち帰れるはずだったけど、海外の業者の配達が遅れて使い回すことになった。昨日、今日のライブに参加した人に渡してあげたいというaikoの気持ちが、実現することは多分無いのだろうけど、今日のライブのことはずっと忘れられないくらい記憶に残るライブになった。アンコールのアカペラ演奏やり直したり、終電のためやむ無く途中退席する人に向けた即席の歌を歌ったり、髪がくるくるになったエピソードを話しながらち○毛みたいやったと言ったり。最後のMCで「特別なことは言えないけど」というニュアンスの言葉を聞きながら、「こんなにおもしろいライブは初めてやったし、また絶対来たいからしんどいことあっても今日のことを思い出して明日を乗り越えます!」と思った。

aikoめっちゃ可愛かった。

写真や旅のことだけじゃなく、今ボクが気になっていることをnoteに書いています!読んでいただきありがとうございます!