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銘言アンソロジー ⑤ 「けてるい」

けてるい

 ジャイアン

これを見ても何のことか分からない人がほとんどだろう。ドラえもん15巻「人生やりなおし機」の一コマである。

この道具で4歳に戻ったのび太は、いつもの空き地へ。お馴染みのメンバーと学校ごっこをするのだが、先生役を自分の名前が書けるかで決めることになる。

そのときジャイアンこと剛田武が書いたのが以下である。

これには驚いた。

どこをどう間違えたらこうなるのかさっぱり分からない。そもそも「たけし」と書いたのかも疑わしいが、とにかく「けてるい」なのである。

間違えるにもほどがあるだろう。
節度を持ってもらいたいものだ。

ただ、見ようによってはリアリティあふれる表現とも取れる。

藤子不二雄が考えたのか、幼な子に書かせて写したのか定かではないが、説得力が違う。

高度成長の砂塵まみれる空き地に見事な筆致で残された「けてるい」。

けだし銘言である。

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