見出し画像

<ラグビー>2024年シーズン(2月第一週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
 
 NHKの朝のニュースで「筋肉体操」をやっているが、その中でスポーツ選手は便秘する人がいないということを言っていた。つまり、排便作業には身体の筋肉を使用しているので、筋肉が十分についている人は排便しやすいというのだ。たしかに、老人・女性などの筋肉が少ないあるいは衰えた人たちは、よく便秘で苦しんでいるということを聞く。また、一般的に太った人は、筋肉量が少なく、また便秘症の傾向が強いように思う。
 
 そういうわけで、私は血行障害があるものの、100m走れといわれれば走れる筋力はある。逆に100m速歩をすると血行不良が出てしまうが、筋肉量が足りない症状ではないと思う(ただし、加齢により筋肉は減少している。実際、昔着ていたポロシャツの肩幅が、今は少し大きく感じている。ワイシャツの首回りも緩くなった)。
 
 私は、子供時代から便秘を経験したことはなかったが、ナッツ類やライ麦パンなどの穀類を大量に摂取すると、便秘気味になる。初めて便秘とはこういうものかと実感したのだが、一方、子供時代から下痢はいつもしていた。その後胃カメラでピロリ菌のあることが判明し、抗生物質を服用してから改善した。それでも漢方では「虚症」という体質らしく、身体に異物が入るとすぐに反応して、体外に排出するそうだ。つまり「ミルク飲み人形」なのだが、そのおかげか、糖尿・痛風・高コレステロール・肝機能などのいわゆる成人病になっていない。
 
 というわけで、便秘解消には薬等ではなく、運動で筋肉を付けましょうという話でした。 


1.シックスネーションズ第一週結果

フランス17-38アイルランド(前半 10-17)

 アイルランドのSOは、ジョナサン・セクストンの引退に伴いジャック・クラウリーがプレーし、4番LOには22歳のジョー・マッカーシーが先発する。フランスは、セヴンズに参加するSHアントワーヌ・デュポンに代わり、マキシム・リュクがプレーする。そして、U20大会で驚異的な存在だった150kgのサモア人LOポソロ・ツイランギが、19番のリザーブに入った。

 アイルランドが敵地で見事な勝利を奪い取った。フランスは、南アフリカ生まれの5番LOポール・ウィルムゼが、30分にハイタックルによる二枚目のシンビンを得てレッドカードになったのが影響した。また活躍が期待されていたツイランギは、52分に交代出場したが特筆するようなプレーはなかった。一方のアイルランドは、4番LOマッカーシーが、これからアイルランドFWを支えていくことになる素晴らしい活躍を見せた。また、SOクラウリーがキッキングゲームを上手くリードし、新チームの勝利に貢献した。

イタリア24-27イングランド(HT17-14)

 イングランドはSOオウウェン・ファレルの代表辞退及びマーカス・スミスの怪我で、初キャップとなるフィン・スミスが先発SOになると予想されていたが、結果的にベテランのジョージ・フォードが先発した。また、6番FLイーサン・ルーツ(オークランド生まれのNZ人)と12番CTBフレイザー・ディングウォールに加え、リザーブから、20番LOで20歳のチャンドラー・カニングハムサウス、22番SOフィン・スミス、23番BKインマヌエル・フェイワボソの計5人が初キャップとなった。対するイタリアは、ゴンサロ・ケサダ監督の初陣となり、RWCからあまり変わらない一方、SHアレサンドロ・ガルビシ、SOパオロ・ガルビシの兄弟HBとなっている。

 良いランニングゲームを仕掛けるイタリアがいきなり10-0とリードした後、前半を17-14で終えて、イングランドに勝利する絶好のチャンスとなっていた。しかし、その後イングランドSOフォードのキッキングゲームでゲームを支配され、PKの多さから17-27と逆転されてしまう。それでも最後の84分にトライを挙げて、24-27と3点差の惜敗となったのは、イタリアにとっては満足できる結果だった。なお、イングランドのNZ人FLルーツが、デビュー戦にも関わらずアタックとラインアウトで大活躍したのが、特筆される。

 かろうじて勝ったイングランドは、エディー・ジョーンズ監督時代後期に停滞した状態から、RWCで一時的に持ち直したものの再び低下しているため、今年のシックスネーションズではかなり苦戦しそうだ。

ウェールズ26-27スコットランド(前半0-20)

 スコットランドは、FBブレアー・キングホーンが怪我で欠場する。キャプテンは今や世界トップのフレアーあるSOフィン・ラッセルが担う。ウェールズは、FBキャメロン・ウィンネットと20番FLアレックス・マンが初キャップとなる。

 スコットランドがSOフィン・ラッセルのスーパープレー連発で、一時は0-27までリードした。しかし、その後は多くのPKやシンビンによりウェールズから猛烈な追い上げを受け、とうとう26-27まで迫られるが、最後は相手陣ゴールに攻め込むなどチーム全員が良く奮闘し、カーディフでの22年ぶりとなる歴史的な勝利を挙げた。惜敗したウェールズは、NO.8アーロン・ウェインライトがMOMの活躍を見せており、これからウェールズを引っ張る人材であることをアピールした。

2.南北クラブチャンピオンによるフレンドリーマッチ

マンスター21-19クルセイダーズ(HT14-7)


 スーパーラグビー優勝のクルセイダーズとユナイテッドラグビーチャンピオンシップ優勝のマンスターとによるフレンドリーマッチが、2月4日にアイルランドのコーク(会場は、ペルク・ウイ・シャムー)で開催された。リザーブを10人入れるゲームとなり、クルセイダーズはSOタハ・ケマラなど若手を起用しているが、FBには元ウェールズ代表リー・ハープペニーの大ベテランを入れている。一方マンスターは、12番CTBにスーパーラグビーでプレーしていたアレックス・ナンキヴェルが入っている他、SOのアイルランド代表ジョエイ・カーベリーが注目される。

 マンスターが相手のシンビンを利して14-0とリードするが、クルセイダーズも反撃して、前半を14-7で終える。後半に入り、クルセイダーズが先にトライを挙げて14-14の同点とするが、その後マンスターに21-14と再びリードされた。しかし、83分に執念のトライを挙げ、若きSOリヴェズ・ライハナが同点となるコンバージョンを狙ったが、観客の大ブーイングに影響されて外してしまい、2点差でマンスターが勝利した。アイルランドは、日本同様にゴールキックの際は静かになることで知られていたが、今はそうした風景も無くなってしまったようだ。

 元ウェールズ代表リー・ハーフペニーが、クルセイダーズのメンバーとしてハカをやっているのが話題になっている。かつてオールブラックスと対戦した時は見る側だったのが、今や演じる側になっているのは、ラグビーの世界もクロスボーダーになったことを象徴している。

3.リーグワンクロスボーダーマッチ(第一週)結果

 特別ルールとして、リザーブは13人まで可能となっているため、前後半でほぼ全員交代させることもあり得る。また、日本代表入りのカテゴリー分けは適用されないため、純粋にチームトップの15人をプレーさせることもできる。

東京サンゴリアス7-43オークランドブルーズ(HT7-19)

 サンゴリアスのSOにようやくアルゼンチン代表ニコラス・サンチェスが登場した。また、オールブラックスFLサム・ケーン、スプリングボクスWTBチェスリン・コルベがともに欠場するため、メンバー的には飛車角落ちとなった。一方ブルーズは、SOに次期オールブラックスの先発SO候補スティーヴン・ペロフェタが入り、サンゴリアスとの新旧SO対決となるのが面白そうだ。また、ブルーズ7番FLアントン・セグナーは、ドイツからNZに留学してきた異色のラグビー選手であり、ドイツに帰れば即代表入りだが、NZに残ってオールブラックス入りを狙っている。

 秩父宮のスタンドには、多くのNZ人関係者が来ており、ブレイブルーパス監督トッド・ブラカッダー、ヴェルブリッツSHアーロン・スミスとSOボーデン・バレット、さらにサンゴリアスのサム・ケーンの姿がTVに映されていた。このような国際的な試合を日本で開催できることは、日本ラグビーの進化にとって非常に良いことだと思う。

 試合は、最初の入りからブルーズが縦横無尽に攻め込み、見事なオフロードパスの連発で3連続トライを挙げる。サンゴリアスもどうにか1トライを挙げて、7-19で前半を終えたが、後半にサンゴリアスがどこまで盛り返せるかが焦点となった。しかし、後半もブルーズが連続トライを挙げて、7-29までリードを拡げる。サンゴリアスも、SHを流大に代えてから、アタックのスピードとリズムが改善されて良いゲインを繰り返したが、最後はハンドリングエラーの自滅で終わってしまった。一方、13番CTBコリー・エヴァンズを筆頭に若手BKが躍動するブルーズは、さらに2トライを重ねて、83分にシンビンになったものの、試合は一方的な圧勝となった。

 ブルーズは、選手個々のスキルの違い(ミスをしない)とアタック時のサポートの良さが目立ったが、特にSOペロフェタの自ら仕掛けた後のオフロードパス(ただし、ゴールキックは不調だった)と、7番FLセグナーの攻守における仕事量の多さ、さらにキックパスまで見せるスキルの高さが目立っていた。注目されたサンゴリアスSOサンチェスは、得意のアタックでチャンスをたびたび作ったが、他のメンバーとのコンビネーションが悪く機能しなかったが、ディフェンスではいくつかの見せ場があった。こうしたサンチェスのチームへ献身する姿勢は、他の選手の良い手本になるだろう。

 なお、ブルーズLOパトリック・ツイプロツは、この試合で顎を負傷し、復帰までに10週間かかる見通しとなった。そのため、ブルーズとしてはスーパーラグビー開幕に向けて、いきないキャプテンを失う事態になってしまった。

埼玉ワイルドナイツ38-14ワイカトチーフス(HT14-0)

 両チームの7番FLはいずれもボシアー(登録名はボーシェー)で、ワイルドナイツのラクランが兄、チーフスのケイラムが弟。またチーフスSOは、元オールブラックスのジョシュ・イオアネが先発する。一方、チーフスのオールブラックスのスコッド入り確実なHOサミソニ・タウケイアホ、LOツポウ・ヴァアイ、FLルーク・ジェイコブソン、SOダミアン・マッケンジー、CTBアントン・リエナートブラウンらは、来週のスピアーズ戦で数分間だけプレーさせる予定となっている。

 サンゴリアスに比べて、ワイルドナイツには日本・南アフリカ・オーストラリアの各国代表が揃い、しかもラクラン・ボシアーはほぼオールブラックスの選手だったので、スーパーラグビーレベルでも良い選手が揃っている。さらに監督が世界的な名将(エディー・ジョーンズより優れていると思う)ロビー・ディーンズだから、強くないはずはない。そして、普段通りの実力を発揮して、スーパーラグビーの昨シーズンの準優勝チーム相手に完勝してみせた。ワイルドナイツは、リーグワンのチームで唯一スーパーラグビーにそのまま加入して、上位に入れるチームではないか。

 ゲームは、チーフスが単調なアタックを繰り返す中、ワイルドナイツが反則することなく止めていく。そしてターンオーバーした瞬間の切り返しが素早く、また選手全員の意識の切り替え(ジョーンズ日本代表監督がいうところのまさに超速ラグビー)で、アタックチャンスを生かして2トライを先行する。さらに、TMOなどでノートライになってしまったものが2つあったので、もしもミスがなければ4トライを取っていた計算になる。

 後半に入ってもワイルドナイツの攻勢は続くが、51分にミスからアンストラクチャーの展開となり、そこをチーフスが上手くつけ込んでトライを返された。しかし、その後もワイルドナイツは、前半よりさらにアタックを機能させてトライを重ね、メンバー落ちした78分にチーフスに2トライ目をあっさりと取られたものの、80分にはインターセプトからトライを挙げるなど、最後までゲームを支配していた王者の試合ぶりだった。

 ワイルドナイツでは、MOMになったFLラクラン・ボシアーの他、SH小山大輝、FL福井翔太、CTBディラン・ライリーらが活躍し、世界トップレベルの選手であることを見せてくれた。またこの試合は、スーパーラグビーに相応しい、内容が濃く、ミスが少ない面白いラグビーを展開していたことを、高く評価したい。この試合をスタンドで観たお客さんは、皆満足したのではないか。リーグワンでも、こういう試合を毎回見てみたいものだ。

 最後に、来週のスピアーズとイーグルスの両チームには、サンゴリアスの結果から勝利が期待できない一方、昨シーズンの結果から今回のクロスボーダーマッチに出場していないが、もしブレイブルーパスがプレーすれば、ワイルドナイツに負けない良いゲームができたと思うので、とても残念だと思っている。昨シーズンの結果を重視するのは致し方ないが、今後は上位4チーム参加という枠をもっと広げるか、あるいは現在進行形のシーズンから好調なチームを入れるなどを考慮したら、さらに面白くなると思う。

4.その他のニュースなど

(1)エディー・ジョーンズは、ワラビーズのプレヤーに牛追い棒を使用した

 前オーストラリア・ワラビーズ監督のエディー・ジョーンズは、WTBのスリアシ・プニヴァルに対して、「速く走れないなら、これを使ってやる」と言って、牛を追う時に使う棒でプレヤーを刺激していた模様が、RWCのドキュメンタリーの番組宣伝で公表されている。なお、このドキュメンタリー全編は、2月下旬に公開される予定となっているが、ジョーンズがいかにしてワラビーズを崩壊させたかが、この番組で詳細に検証されることになるだろう。

(2)オールブラックスの2024年シーズンのテストマッチ予定決まる

 今年も、「これがラグビー!」というべき多くの楽しい試合を見せてもらえそうだ。オールブラックスの2024年のテストマッチ予定が以下のとおり決まった。

 アメリカでの2031年RWC開催を盛り上げるため、サンディエゴでのフィジー戦が予定されており、両チームともイングランドや南アフリカのプレーとは異なる、ボールが激しくかつ広く動くラグビーを見せてくれるので、絶好のショウピース(見本市)になるだろう。

 また、8月のアウェイで戦う対南アフリカ・スプリングボクスとの連戦が山場となる。ここでRWC決勝のリベンジを果たして、真の世界王者がどこかを証明したい。さらに、ジョー・シュミットによる劇的な強化が期待される、オーストラリアとのホーム&アウェイのゲームも楽しみだ。また、秋のイングランド、アイルランド、フランスとの3連戦も面白そうだ。なお、日にちはいずれもNZ時間で、また対戦相手の次に試合が行われる都市名を記載した。

 7月 6日 対イングランド ダニーデン
 7月13日 対イングランド オークランド
 7月20日 対フィジー サンディエゴ
 8月10日 対アルゼンチン ウェリントン
 8月17日 対アルゼンチン オークランド
 8月31日 対南アフリカ ヨハネスブルグ
 9月 7日 対南アフリカ ケープタウン
 9月21日 対オーストラリア シドニー
 9月28日 対オーストラリア ウェリントン
10月26日 対日本 横浜
11月 2日 対イングランド ロンドン
11月 9日 対アイルランド 未定
11月16日 対フランス 未定
11月23日 対イタリア 未定

(3)シックスネーションズ側が、南アフリカに加入要請を決定との報道

 シックスネーションズの運営団体が、南アフリカに対してシックスネーションズ入りを要請することを決定したとの報道が流れた。一方南アフリカ側は、現在のザラグビーチャンピオンシップから離脱する意向はないと、これを否定している。

 南アフリカは、既にスーパーラグビーから離脱し、ヨーロッパのユナイテッドラグビーチャンピオンシップに参加しており、多くの選手はこうした動きを歓迎している一方、ザラグビーチャンピオンシップで、オールブラックス・ワラビーズ・アルゼンチンという強豪と毎年対戦する価値を高く評価していることもあり、今後の成り行きが注目される。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?