『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』【基礎教養部】

本書を手に取った経緯

まず、HSPなるものを知ったきっかけについて。

ぶっちゃけると、いま現在好きで好きでたまらない女の子がHSPを自称していたため、興味を持った次第である。
(その子はずっと「High Sense Person」と言っていたが、正確には「Highly Sensitive Person」らしい。そういうミスをしてくる所も好きである。)

その後、他にも数名知り合いにHSPがいることを知り、一冊くらい読んどこうと思って手に取ったのが、たまたまKindle Unlimitedでダウンロード可能だった『鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』(イルセ・サン)である。

読んだ感想

「こういう生きづらさを持ってる人ってホンマにおるんやな」と感じたのが感想である。

たぶん僕は人一倍鈍感で、表面的なことしか気にならないし、無責任で、自分に甘いタイプなので、今まで世間と自分の差の擦り合わせに苦労したことはない。そういうわけで、内容に共感できることは殆どなかった。

本書に書いてある全てがHSP全員に当てはまる訳ではないそうだが、どれか一つでも当てはまるだけで、相当生きづらさを感じてきているんだろうなと想像できる(くらい本書は内容が細かい)。

特に「自分自身に高度な要求をしてしまう」という性質には大いに苦しめられていると思う。いわゆる完璧主義というやつなのだろうか。

周りのHSPの人は、他人に評価されること(宿題とかテストとか)に対して、過剰なほど準備をしている(そして結構良い点数をとっている)。

HSPは「自尊心が低いからこそ『優秀』でいようとする」らしい。謙虚になりすぎである。

当てはめてみた

本書の内容(特に第1章、第2章)が、例の好きで好きでたまらない女の子に当てはまるのかどうか、確かめてみた。

彼女がHSPであると思い込みたいわけでもなく、かといって「ぜんぜん当てはまらんからHSPちゃうやん」って否定したいわけでもなく、ただ彼女の性質(だと思うこと)を言葉にして脳に刻み込んで、彼女について考えるための材料にしたい、という目的だ。

と言っても彼女と知り合って8ヶ月弱なので、全てを知り尽くしているわけではないことを、自戒の念として込めておく。

また、筆者も述べているが、HSPだからと言って、本書の内容が全て当てはまるわけではない。

HSPの能力① 一度に多くの情報を吸収できる

HSPは高い空想力、想像力を持つため、得られた情報を元に様々な思考を広げるらしい。それによってキャパオーバーになって、不快になったり休息が必要になるそうだ。

当てはまっているのか分からないが、彼女は結構体力が少ない気がする。身体的なものではなく、精神的な体力である。

慣れない環境下にあったり、未知の状況と遭遇すると、すぐに疲れた様子を見せたり、場合によっては泣きだすこともあった。

とか言ってみたけど、なんか違う気がする。本書では「HSPはパーティーに長時間居られない」という例を挙げていたが、彼女とパーティーなんかしたことないし、やっぱわかんね。

もしかしたら、能力③と関連しているかも。

HSPの能力② 音やにおいなどの微細な違いも察知できる

これは思い当たる節がある。彼女は環境音で気が散ることが多く、タバコの臭いが嫌いらしい。更に温度変化にも敏感である。

集中したい時はノイズキャンセリング機能がついているイヤホンを装着しているし、嘘かホントか、タバコを吸っている人を判別できるらしい。

僕はタバコを吸ってないですよ!

HSPの能力③ ゆっくり、深く多角的に考えられる

「ゆっくり」というのが重要で、HSPは過度な刺激を受け続けると、衝動的な行動に出てしまうこともありらしい。

普段彼女と会話する時は、殆ど一方的に彼女の話を聞いていることが多い。なので、ゆっくり深く多角的に考えたであろう話をあまり聞いたことがない。

しかし過度な刺激を受けて不機嫌になったり泣きだすといったことがままある。側から見れば自制が効かない未成熟な女の子なんだろうな、と思う時がある。

ちなみに泣き顔は可愛かった。

HSPの能力④ とても慎重で、危機管理能力が高い

HSPは慎重で、行動する前にじっくりと物事を見定めるらしい。足を踏み入れる前に、あらゆる状況を綿密に考える。逆に常に不安を抱えがち、ということらしい。

これはあまり彼女には当てはまらない気がする。何も考えずに突っ込んで、後悔する(そして他人に八つ当たりする)タイプだ。一応不安は覚えるが、それは足を踏み入れた後のことだ。

悪口ではなくて、そういうところも好きだ、ということである。

HSPの能力⑤ 共感力が高く、気配り上手

HSPは感情移入することができるため、相手の気持ちを察知して、気を配ることができるらしい。

うーん、もし彼女が気配り上手なら、僕はこんなに振り回されることはないと思うけど。まあでも好きです。

HSPの能力⑥ 誠実で、責任感がある

責任感があるなら、彼女はあれほど他責思考にはなってないだろう。これは当てはまらなさそう。

ただ、僕の軽はずみな発言でたまに傷つくようなので、猛省しなければならない。

HSPの能力⑦ 想像力が豊かで。内的生活が充実している

アーティストにはHSPの人が多い、と著者は述べているが。1人でも退屈せずに、自身の豊かな想像力で自由を満喫できるらしい。

例の彼女は音楽好きで、自身も作詞をしたりするらしい。何かしら表現したい(けどうまく表現できない)ことが、彼女にはある気がする。

以前彼女にSaucy Dogの恋愛ソングいっぱい教えてもらったんですよ。可愛くないですか??

HSPが抱えやすい心の問題① 自分自身に高度な要求をしてしまう

HSPは、自分自身に高い基準を設けて、それをクリアするためのルールに縛られている(自分で自分を縛りつけている)ことがあるそうだ。これは、自尊心が低いからこそ優秀で居ようとする、ということらしい。

実際に優秀になれるかは置いといて、HSPの知り合い(彼女を含めて2人しかいないけど)は全員、学校の定期試験に対して準備を怠らない。いや怠らないというか、強迫されたかのように、必死に取り組んでいたらしい。

以前聞いた話だが、彼女は寝る前に、今日できなかったことが頭の中でグルグルして、後悔に苛まれて寝られないことがあるらしい。

完璧主義とは少し違うかもしれないが、無意識のうちに何かに強迫されて、優秀であろうとするのはかなり辛そうだなと思う。

HSPが抱えやすい心の問題② 罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう

HSPは、本来自分の力が及ばない出来事に対しても、それが誰かにとって悪となるなら、自分の所為であると感じてしまうらしい。

本書に載っていた例として、「母親の誕生日に雨が降ったのは自分の所為だ、と感じる」ことが挙げられている。

そんなわけないやろと僕は思うのだが、HSPはそういう性質を持っているらしい。

実際に責任を感じてしまっているかは他人の僕には分からないが、もしそうなら、何か彼女の肩を軽くしてあげる方法はないかと考えなければ。自己満足でも良いじゃない。

HSPが抱えやすい心の問題③ 恐怖を感じ、憂鬱になりやすい

HSPはその豊かな想像力のおかげであらゆる可能性を想定できるが、それは同時に「最悪の可能性」をも強く意識してしまうことになる。

それ故、安全策を取れるという意味では安心だが、不安を覚えやすくなるという弊害もある。

想像力が働いた結果かどうかは分からない(HSPでない人にも想像できる可能性の場合もある)が、彼女も不安を覚えやすい性質であると思う。

「もしこうなったらどうしよう」と感じて、それを他人の責任にしようとするところは頂けないが(それでも好き)、まあ不安なんだろうと思うところはある。

HSPが抱えやすい心の問題④ 怒りをうまく放出できない

HSPはその繊細さ故に、怒りという感情に精神のバランスを乱されやすい。自身の怒りだけでなく、それによって傷ついた相手の感情も察知して、また自分も傷つく。

そのことを知っているHSPは、うまく怒りを表現できないそうだ。何がきっかけで、相手や自分を傷つけることになるかわからないからである。

これはHSPが思慮深いが故であることであり、例の彼女もその思慮深さによる行動が散見される。

例えば、機嫌を悪くすると、そのことを言いたいのに言えず無言になってしまったり、直接ではなく、他人を経由して文句を言ってきたり、とかをする。

そんな不器用さも好きだが、これは非常に生きづらそうな性質だなと想像する。思慮が浅い僕が言えたことではないかも。

以上が、第1章、第2章である。

結論

最近かなり冷たくされてるし嫌われたかもしれないが、好きな人のことを頭の中で延々と考えるのは楽しい。

純粋な想いはストーカーである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?