見出し画像

読書のコツ/直観讀みブックマーカー

私は大学生時代まで、読書本は漫画のみ。

新聞も小説も一切読まない。

授業で課題図書を出さなきゃいけないときも、読まなければならないのでがんばって読む。自分から読もうとしたことはない。最初から最後まで読むのが難しかったり、途中で飽きてしまったり。

漫画はジョジョの奇妙な冒険、シュート、コブラなどいろんなジャンルを読んできた(今も読む)。

なんとか本を読まずに逃げながら(?)生きてきたけど、そうはいかなくなったのが大学卒業してすぐの大学院時代。流石に本や論文を読まないといけないが、どうしても読めない。

これはまずい、なんとかしなければ。。と色々調べていると、そもそも本の読み方の本があることを知る。

藁をも掴む思いで買って(ブックオフで100円で買ったが)読んだ本がこちら。

こちらの本を読んで、あ、読み方にもコツがあるんだ。。全部読む必要もないんだということに気づけた。

あの時の僕には目から鱗ボロボロおちていた。

また、読み方だけでなく、本との関わり方も変わった。『レバレッジ・リーディング』の中に

”本を読むことはその人の人生を1500円ぐらいで買えることだ”

って書いてあったのは、確かにそうだよなーと納得し、読むことにとても価値を感じたのを覚えている。

これがきっかけで就活をするときも、図書館に行ったり、本を買ったりしながら、いろんな角度で本を読み、自分の中でいろいろ繋がり、そのおかげで第1希望のところに受かった。

本を読むきっかけを作ってくれた、この本のおかげだったなと思う。

本題

そんな私も月日が流れ、まさかの大学で教えている。大学ではゼミを担当しており、卒論指導もしている。

本を読む機会も多くなるが、本を読むのが苦手な子も多い。(活字離れなんて言われてるけど、それって僕が大学生だった10年近く前も同じこと言われてなかったっけ?と思いつつ)

そうだよなー、正直、大学時代ほとんど本を読んでなかった僕だからこそ、本を読むのって大変だよなって思いながらも、本を読んだおかげで今があるのは間違いない。

You are what you read

なんて言葉もあるので、少しでも本を読むためのきっかけが作れたらなと思い、色々工夫をしてみた。

今回のnoteは何をやってみたのかや、学生の様子をざっくりまとめてみたので、関心ある方はご覧いただければ幸いです。

そもそもなぜ本が読めないのか???

これは私の経験則でもあるが、

そもそも読書の仕方を知らない
読書をして対話することの面白さを知らない

後、「なぜ読書でなければいけないのか?」ということに腹落ちがしているかどうかも大事なところだと思う。別にググればいいと思ってたら読むことはない。

読書の価値って???

そこで、ゼミ生に、ネットで調べることではなく、読書だからこそ得られること、本でなければ得られないことって何かをまずは考えてもらった。

以下が学生から出てきた考え

・付箋などを使って思ったことなどを書いたりカスタマイズ?できる
・語彙力、言葉の引き出しが増える。
・語彙力や言葉を知ることができる。読み終わったときの達成感
・気になったところにすぐ戻れる
・想像(創造)する力
・ネットだと調べてパッと見て終わり、本だとあの本の真ん中のページあたりに書いてあったな~ってなる
・想像力、要約する力
・速読や文章を書く力
・言葉遣いや語彙力、教養
・必要な知識だけじゃなくてそれに付随したものも知れる
・想像力
・正確な情報
その人の生き方とか考え方を知ることができる
自分自身が考えるきっかけをつくれる
読んだ内容を要約して自分の知識の中に取り込める力
著者の考えなどを取り入れることによって自分の考えが確立できる
創造力がつく
レポートなどの文章を書く力が身につく
筆者の感情、価値観が得られる。
論理的、説得力のある文章が書けるようになる
本だと付箋をつけたり線を引いたりと、自分なりにカスタマイズ出来る。
自分の考えや感情を持つから内容を覚えておきやすい
本を触っている感じ、その時どのくらい集中しているのかが分かる。内容がスラスラと頭に入ってくるときは調子がいいなどの自身の集中力と体調を見直せる
色んな考えに触れることができる
要約力
文字だけなので、想像力がつく
言葉や文章の理解
漢字に触れることができる
すぐに戻れる、読み応え、言葉
結果だけでなく過程まで読み込める
本棚に読んだ本がたまっていくため読んだという満足感
読解力や語彙力、想像力
語彙力や知識がネットよりも深く知れる
想像力がつく
言葉に深く触れられる

『Learn better』でも出てくるが、まずはどんな価値があるかを学生に考えてもらい、自分と読書のつながりを考えてもらう。



⑴Life with Reading 読書の秘訣カードを使って、本を「味わうコツ」を知る


そして読書のコツを理解する上で、こちらのカードを使ってみた。

『Life with Reading - 読書の秘訣』は、これまでの読書推進とは異なる新しい方法で読書支援をするためのツールです。それは、読書のコツや楽しみ方を「言語化」することで、読書について考えたり、コミュニケーションを図ったり、実践したりすることを支援するというアプローチです。本カードセットに収録されている27の言葉を使うと、自分なりに読書について考えたり、他の人と経験を語り合ったりすることが可能になり、読書に関する新しい手がかりが得られます。

Life with Reading - 読書の秘訣カード(創造的読書のパターン・ランゲージ)より抜粋 (URL: https://reading.sfc.keio.ac.jp/about.html)

これは、まさに学生たちが読書支援を互いにできるのものだと感じた。

ちなみに、こちらのカードはパターンランゲージという方法で作られている。

『Life with Reading - 読書の秘訣』は、「パターン・ランゲージ」という方法論にもとづいてつくられています。パターン・ランゲージは、実践のコツ・経験則を言語化することで、個々人が考えを深めたり、他の人とコミュニケーションを図り、気づきを得たりすることを目的につくられます。個々のパターン(『Life with Reading - 読書の秘訣』でいう各カード)には、どのような「状況」のときに、どういう「問題」が生じやすく、それはどうすると「解決」できるのか、という経験則がまとめられ、その秘訣を表す「名前」がつけられています。この考え方・方法論にもとづき、『Life with Reading - 読書の秘訣』は、読書のパターン・ランゲージとしてつくられています。

Life with Reading - 読書の秘訣カード(創造的読書のパターン・ランゲージ)より抜粋 (URL: https://reading.sfc.keio.ac.jp/about.html)


当日やったこと

①カードは全部机の上に表にして並べてみる。

②自分がこれから取り入れてみたいコツを2つ選び、なぜそれを選んだか、どうやって取り入れていくかを語る(各グループ5、6人)。

③取り入れたいコツを写真に撮ってもらい、slackにアップ

スクリーンショット 2021-06-03 午後7.33.01

スクリーンショット 2021-06-03 午後7.32.47

こんな感じで選んだものをアップしてもらう。1つ1つに僕がラフだけどコメントをしていく

こんな感じ。

ちなみにカードの色も3種類あり、これはカテゴリーで分かれている

第一の「読書のコツ」カテゴリーには、読書がよりよく実践できるコツを表す言葉が紹介されています。第二の「読書の楽しみ方」カテゴリーには、生活のなかで読書をより楽しむための方法を示す言葉が紹介されています。第三の「創造的読書」カテゴリーには、これからの時代における読書のあり方として、「創造的読書」(クリエイティブ・リーディング)の方法がまとめられています。

Life with Reading - 読書の秘訣カード(創造的読書のパターン・ランゲージ)より抜粋 (URL: https://reading.sfc.keio.ac.jp/about.html)

②直感読みブックマーカーを使って、本を「試食」してみる


次に、本を「試食」してみる。もちろん本当に食うわけでなく、試しに本を味わってみる。

学生たちも、いろんな本に出会ってもらいながら、全部読まなくてもいいので、何か触れる機会を増やしてもらえたらと思う。楽しみながら。

そのためにこちらを使ってみた

やり方は

①いろんな本を集めて持ってくる(本は沢山あればあるほどいい)
※何人でも参加おk。多い場合は4、5人のグループに

②本に教えてほしい「問い」「テーマ」を決めて、ブックマーカー(白紙の 方)の右側に問いやテーマを書く「Q:結婚とは?」「Q:人生とは?」「Q:●●について教えて欲しい」など。自由に。

③直観で、その「問い、テーマの答えが載ってそうだな?」という本を選らぶ。直感。

④選んだ本を頭上に掲げて「問い、テーマに対する答えを教えて下さい!」と真剣にお祈りしながら「直観讀み」。※「直観讀 み」とは陸奥賢(直観讀みブックマーカー創始者)の造語で、「直 観(=偶然に身を任せて)で文章を選ぶ」という行為。目をつむったまま、「答え」が載ってそうだと思う本のページを 開いて、目を瞑ったまま、人差し指で本のページのどこか(文章) を指差す。選ばれた文章をブックマーカーに書く。

⑤全員がブックマーカーを作ったら、それぞれ見せながら対話。ここで意味のわからない文章に出くわしすことも多々ある。そのときは「この言葉は こういうことではないか?」と深掘りしたり、推測したりする。
というのが流れ。

これは、私が社会人3年目の時に、立川で出会った人たちとエクセルシオールで何回かやってみたが、新たな本との出会いにもなったので結構好きだった。

学生たちも、「なんだこれは。。」よくわからない言葉に出会ったり、「答えそのものじゃん」みたいなものに出会ったり。


■直観讀みブックマーカーの特徴
①カオスモス(意味不明なもの)との出逢い
「直観讀みブックマーカー」では判り易い模範解答はなかなか出ません。思いがけない、わけのわからないカオスモスな答え(文章)ばかりが出てきます。いろいろと混乱しますが、しかし、そのカオスモスを、どう読み解くか?深読みしたり、裏読みしたり、斜め読みしたりして、思考の幅を拡大させます。

②読んだことがない本、興味がない本でも出来る
読んだことがない本、興味がない本でも、とにかく手にして直観讀みブックマーカーを作ることができます。直観讀みしても「やっぱり興味ない。面白いない」ということも勿論ありますが、時には「意外と面白いな。読んでみてもいいかも」と思わされる瞬間が起こったりします。「本の試食」ができます。

むつさとしのブログより抜粋( http://mutsu-satoshi.com/2014/03/30/「直観讀みブックマーカー」について/)

いろんな本と出会うきっかけだけでなく、思考の幅を楽しみながら深めるキッカケになればいいなと


終わった後

その日の夜、こんなLINEがゼミ生から来た。

スクリーンショット 2021-06-01 午後10.59.06

今まで全く本を読むことがなかったといっていたゼミ生からである。自分なりの好きな場所を見つけて読むことをやってみたいと。

読書をするきっかけになれば幸いだ。

よければTwitterもフォローお願いします! https://mobile.twitter.com/tetu0722 頂いた「サポート」は本に充てさせていただき、学びはnoteに還元したいです。よろしくお願いします!