瀬戸勇次郎

視覚障害者柔道をしています。 日記のようなメモのような、思ったこと、考えたこと、スポー…

瀬戸勇次郎

視覚障害者柔道をしています。 日記のようなメモのような、思ったこと、考えたこと、スポーツのこと、ロービジョンのこと、趣味のことetc.を書き殴り。文量多くてごめんなさい。 Tw:@Yujiro_Seto Ig:@yjiro_st

最近の記事

IBSA柔道グランプリ・ハイデルベルク

2月13日から20日でグランプリ・ハイデルベルクに出場するためドイツへ行ってきました。今回はその遠征と、17日に行われた試合の振り返りです。 今回の結果はJ2,73kg級で優勝。昨年12月のグランプリ・東京に続く2大会連続の勝利でランキングを大きく押し上げることに成功しました。 また今回は自分自身の中では大きく失敗した大会となりましたが、それを補って余りある度重なる幸運に救われました。 しかしいつでも運が助けてくれるとは限りません。良かった点、そうでなかった点を明確に整理

    • 2024年!

      あけましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします! 年が明けてもうだいぶ経ちますが、昨年の振り返りと2024年の抱負を記しておこうと思います。 2023年に出場した大会を振り返ってみると 3月 グランプリ・アレクサンドリア 3位 4月 アジア選手権・アスタナ 2位 5月 全日本視覚障害者柔道大会 優勝 8月 ワールドゲームズ・バーミンガム 初戦敗退 10月 アジアパラゲームズ 3位 12月 グランプリ・東京 優勝 と、結構ハードな一年でした。 そして

      • IBSA柔道グランプリ東京

        12月4日、東京体育館で行われたIBSA柔道グランプリ東京に出場しました。今回はその振り返りです。 J2,73kg級に出場し、優勝! 1年半ぶりのグランプリ優勝です。しかも今回はパリに向けてランキングを争う上位層のほとんどが参加した大会での勝利。8月の世界選手権一回戦負けから立ち直れていなかった私にとって、非常に大きな自信となる結果でした。 また、最近、身を削って取り組んでいるフィジカル強化が成果につながっていると実感できたことや、得意技である背負投がこれ以上ないくらいに存

        • 欠けた視野を自覚した話

          先日、久々に視野検査を受けました。非常に疲れたのは言うまでもありませんが、この日、23年生きてきて初めて、自分の視野の欠けている部分を自覚しました。 私の視野は中心やや右に欠けている部分があります。それほど大きな欠損ではなく生活にそれほど支障はありませんが、無視はできないサイズのようです。 ただ、これまで生きてきた中で、その部分の視野が欠けていることを自覚できたことは1度もありませんし、それを知ったのさえ数年前のことです。 そもそも視野検査というのは目線を正面に向けて視点

        IBSA柔道グランプリ・ハイデルベルク

          杭州2022アジアパラ競技大会

          10月23日から25日にかけて行われた杭州2022アジアパラ競技大会柔道競技。24日に行われたJ2クラス73kg級に出場し、3位でした。 今回はその振り返りです。 今回の大会はアジアパラ競技大会ということで、アジア版パラリンピックです。パリ予選としての位置付けは大陸大会なので、グランプリや先日の世界選手権に比べてポイント自体は小さいものの、大会としての格式は高く、選手村が用意されたり、他競技と合わせて各国で代表選手団が組織されたりなど、パラリンピックと同じ形式で行われます。

          杭州2022アジアパラ競技大会

          IBSAワールドゲームズ・バーミンガム2023

          8月20日から27日でIBSAワールドゲームズに参加するためイギリスに遠征に行ってきました。 今回はその振り返り・試合編です。 今回の大会、IBSAワールドゲームズは4年に一度開催される視覚障害者スポーツの総合競技大会で、IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟)が主催する最大の大会でもあります。 実施競技はパラリンピック競技である柔道、ゴールボール、サッカーに加えて、パワーリフティング、ボウリング、チェス、ショーダウン、テニス、アーチェリー、クリケットなどが行われています。

          IBSAワールドゲームズ・バーミンガム2023

          第16回全国視覚障害者学生柔道大会

          7月29日、講道館にて第16回全国視覚障害者学生柔道大会が開催されました。 この大会は全国の視覚障害のある学生を対象とする柔道大会で年に一度開催されています。 学生と聞くと一般的な中学生〜大学生を想像しますが、参加資格は「盲学校(特別支援学校)中学部・高等部在籍者または、中学校・高等学校または大学・視覚障害者関係施設等に在籍する学生・生徒で、視覚障害のある者」となっており、盲学校の専攻科に所属する学生も参加可能で、過去には30代、40代の選手も出場していました。 また私のよ

          第16回全国視覚障害者学生柔道大会

          第38回全日本視覚障害者柔道大会

          またしても更新が大変遅くなってしまいましたが、5月21日に行われた全日本視覚障害者柔道大会の振り返りです。 今年の全日本は国際大会等の日程により例年の秋に代わって5月の開催となりました。前回が昨年の9月だったので、かなり短い間隔での開催です。そして、まだ来年のことはわかりませんが、おそらく、パリ前最後の全日本となったのではないでしょうか。 つまり、現在代表として国際大会に派遣されていない選手にとってはパリ出場のためには今大会で好成績を残し代表入りすることが必須条件と言えます

          第38回全日本視覚障害者柔道大会

          IBSA柔道アジア選手権・アスタナ2023

          4月28〜30日にカザフスタン・アスタナで開催されたアジア選手権に出場するため、4月24日〜5月1日で遠征に行ってきました。 今回はその振り返り試合編です。 今回の大会はアジア選手権ということで、アジアの選手しか参加しません。またポイントもグランプリに比べると小さく、さらに先日のエジプトでのグランプリからさほど日が経っていないことから、私にとっての戦略的重要度は低い大会でした。 しかし、これもパリへの予選のひとつであり、またアジアで勝てなければ世界でも勝てないため、表彰台は

          IBSA柔道アジア選手権・アスタナ2023

          腕の見せどころ

          春は出会いと別れと健康診断の季節です。 大学でも学生向けのものを受診しますし、それとは別に、ここ数年は強化指定選手としてのメディカルチェックも受けています。 先日も今年度分の健康診断を受けるために地元のかかりつけの内科に行ってきました。 かかりつけと言ってもこの健康診断以外でここの病院へ行った記憶はほとんどありません。そもそも内科にお世話になること自体、ここ数年記憶にありません。 検査の内容は身長、体重、血圧、脈拍、肺のレントゲン、心電図、尿、血液、診察と普通のちょっとし

          腕の見せどころ

          IBSA柔道グランプリ・アレクサンドリア2023

          3月8日から16日でグランプリに出場するためエジプト・アレクサンドリアへ行ってきました。 今回は試合について振り返ります。 この記事のタイトルやTwitter等の投稿では大会名を「グランプリ・アレクサンドリア」としていますが、今大会名には表記揺れがありました。 当初の大会要項では「Alexandria」でしたが、大会の時点で用いられていた表記は「Borj El Arab」(ボルグ・エル・アラブ)でした。 アレクサンドリアはエジプトの都市およびその都市を県庁所在地とする県名で

          IBSA柔道グランプリ・アレクサンドリア2023

          エジプト遠征

          3月8日から16日でグランプリに出場するためエジプト・アレクサンドリアへ行ってきました。 今回はその振り返り・旅編です。 今回は遠征中にちょこちょこ書き溜めていたものを後から編集したものなので、時間的視点が統一できていないかもしれませんが、ご了承ください。 3月8日 午前は筑波大で稽古。関東に越してきたために羽田空港までが近くなり、集合日に稽古してから集合できるようになりました。これはかなり助かります。 まぁ、今回は集合時間がこれまでに比べて遅めというのもあるのですが。

          エジプト遠征

          研究報告という名の起源主張文書

          長い間更新が滞っておりましたが、ちゃんと生きています。 先日、福岡から茨城県つくば市に引越しを行い、練習拠点を福岡教育大学から筑波大学に移しました。 4月からは大学院にも入学する予定です。 大学院は4月から。では、今は何かというと、福岡教育大学の研究生という肩書です。 これとは別に1月からは九星飲料工業株式会社の社員という肩書も名乗れるようになりました。大変ありがたい話です。 応援に応えられるよう、全力でがんばって参ります!! 研究生としての肩書は今年度末まで続きます。

          研究報告という名の起源主張文書

          "Road to Paris 2024" part2-パリまでの大会予定-

          今回はpart1の続きとして、昨年11月にIBSA JUDOから公開され、今年1月に更新された「Road to Paris 2024」の資料を解説していきます。 前回同様にこの記事は私の翻訳・解釈が含まれるため必ずしも正確である保証がないこと、現在公開されている情報も今後変更される可能性があることなどは予めご了承ください。 当該資料と引用元はこちら↓ この資料について上から順に解説します。 まずIPCのパリ予選レギュレーション。こちらは以前の記事で解説していますので、

          "Road to Paris 2024" part2-パリまでの大会予定-

          "Road to Paris 2024" part1-視覚障害者柔道の世界ランキング-

          昨年11月にIBSA JUDOから「Road to Paris 2024」という資料が公開されました。 この資料ではパリ2024パラリンピック出場権獲得のためのランキング方式や試合予定などが記載されており、この資料をもってパリまでの道筋がほぼ明らかになったと言えます。 公開からやや時間が空いてしまいましたが、今回と次回でこの資料と関連するいくつかの資料について解説し、パリ2024の出場までの道筋をお伝えしようと思います。 今回はpart1ということで、当該資料の前半部分、

          "Road to Paris 2024" part1-視覚障害者柔道の世界ランキング-

          2023年もよろしくお願いします

          2023年になりました。今年も何卒よろしくお願い申し上げます。 今回の年末年始は色々なことがありました。 まず東京国際オープン後の国際合同合宿。12〜14日に講道館で行われました。初日は北海道柔道連盟の高梨幸輔先生、了徳寺学園の金丸雄介先生、2日目には全柔連前男子監督の井上康生先生、先日現役を引退された大野陽子先生が講師としていらしてくださいました。 私は諸事情で残念ながら2日目の稽古には参加できなかったのですが、有意義な合宿でした。 一度福岡に戻って16日からは札幌

          2023年もよろしくお願いします