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6月に読んだ本の感想

はじめまして。たかはしゆきこです。
突然ですが、noteはじめました。

趣味は読書と一人旅。
特技は最近覚え始めた手話。
あ、ちなみに話題のドラマ「silent」の影響を全く受けていないわけではありませんが、それがきっかけではありません。放送当時は全く分からなかった手話が今では少しづつ分かるようになってきたから感慨深い。手話の表現って知れば知るほど面白い(=^▽^=)

本題に戻ります。
読書メーターにも登録して本の感想を載せているのですが、個人的に今月読んだ3冊はかなり刺さる内容だったので、紹介させてくださいm(_ _)m(注:ネタバレ含む)


①川のほとりに立つものは   寺地はるな

今年の本屋大賞ノミネート作品の1つ。

怪我をして意識が戻らない恋人の事件の真相が知りたくて彼の秘密を知っていくという一見ミステリー調だけど、この小説はそこからの気づきが重要になってくる。

社会に出ると出会いも増え、付き合いもそんな深くない関係性が増えていくが、表面的にしか人を見ていないうちはその人の本質は絶対気づけない。

無知は人を傷つける。
育った環境も能力もそれぞれ違うから得意なこと苦手なことだってそれぞれ違う。でも、みんなが同じ事を当たり前にできるわけじゃない前提の想像力が欠けていることが無意識に人を傷つける事になる。これ日本人に多い発想。だから、発達障害の人は日本では生きづらいんだと思った。

この小説の凄いなって思ったのは登場人物誰も間違ったことは言ってない。間違ってないからこそ苦しむ。皆が自分の正しさで生きているから。ただ、お互いを理解しようとすること知ろうとする事で気づけることもある。

②月の立つ林で   青山美智子

こちらも本屋大賞ノミネート作品の1つ。
青山先生あるあるの話で短編集なんだけど、それぞれの登場人物達が全編を通して繋がっていたことが分かる。
今回は全員podcastにあるタケトリオキナのツキない話の視聴者。
この小説は日々頑張って仕事をしている労働者達へのエールだと思う。
夢を諦めきれない売れない芸人はまさに今の私と同じだった。バイトが本業になりつつある今の現状から抜け出せない、もう何度辞めようかと自問自答したか分からない日々。
彼も決してバイトだからって自分の仕事を疎かにしなかった。
毎日同じような日常を送っているように感じても自分が日々行っている何気ないことでも知らない誰かに届くかもしれない。
まさに  " 情けは人の為にならず "。
すごく勇気づけられた一冊だった。

③珠玉   彩瀬まる 

昭和の美しき歌姫・真砂リズを祖母に持つ歩は幼少期から何かと比べられて育ってきたため、祖母には似ていない容姿に対してコンプレックスを抱いていた。
同じようなコンプレックスを持つモデルの譲司と出会い、当時の真砂リズを知ることで祖母へのコンプレックスを乗り越えていく話。
ここまでは似たような話はよくある。
ただ彩瀬まるさんはリズの持ち物である真珠から見た視点も取り入れているところが面白い。
テディベア🧸の目に付けられた真珠と樹脂パールであるキシとカリンという自我を持って歩たちを見ているというファンタジー要素も含まれている。
リズを知っていくことで昭和の芸能界の実態が垣間見れ、紅白出場歌手にまでなって、数々の栄光を手にしたリズを芸能界は決して幸せにはしてくれなかったということ。
今よりも男が女を見下していた時代で戦ってきたリズが壊れていく様を知った歩は考えを改め、自身のブランドの再建を進めていく。
リズはガンになって芸能界を引退するまで寂しさを訴えていくが、孫の歩と過ごす晩年はようやく本来の明るさを取り戻したかのように幸せそうだった。
前にマツコ会議で「結婚してようが、子供がいようが人間は一生孤独。絶対的に寂しさを埋めてくれるものなんてない。」とマツコが言っていたが、この名言を思い出した。
私は昔から人よりも孤独を感じやすかったせいで、この言葉を本当に刺さる。
そして、段々満たされない事に慣れていくといっその事開き直れる。

その孤独や寂しさに自分自身が向き合えた時、または受け入れられた時に人は本当の意味で幸せになれるのではないのか。
そんなふうに思えた一冊だった。

まぁ長くなった。また紹介したい作品があったら紹介します。初投稿はここまで!

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