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実はホームスクーリングの参考にしている!世界の教育④オルタナティブスクール編その1

みなさま、こんにちは。

今年に入り雪が多い北海道ですが、何と昨晩から今朝にかけて雨が降りました!
道路はぐちゃぐちゃ。これが夜になり気温が下がると、全て凍ってツルッツル&わだちになるです・・

これは今晩、明日の朝と慎重に運転をした方が良さそうです。汗

さて、今回は久しぶりの世界の教育編です。

第一弾のオランダから始まり、フィンランド、アメリカと続いてきましたが、今回は世界のオルタナティブスクールを取り上げさせていただきます!

このオルタナティブスクールは、ホームスクーリングをする上で最も影響を受けたと言っていいほど数多くの学びがありました。

シュタイナー、モンテッソーリは世界的に広く知られ数多くの学校がありますが、私が影響を受けたのは、イギリス(設立当初はドイツ)のサマーヒルスクール(日本のきのくに子どもの村)と、アメリカのサドベリースクールでした。

日本でも数は多くありませんが、これらの学校の信念をベースにした学校がいくつかあります。

今回は、サマーヒルスクール・きのくに子どもの村を取り上げさせていただきます。
学習に対するアプローチの方法はさることながら、これらの学校から学ぶ上でのベースとなる『信念』を学びました。
今回取り上げる2校は、我が家のホームスクーリングに最も影響を与えた学校と言えるでしょう。

今回も是非、最後までお付き合いいただけると幸いです。

世界初のフリースクール!サマーヒルスクール

フリースクールやオルタナティブスクールが選択肢になりつつある昨今ですが、その発祥と言われているのがイギリス(設立当初はドイツ)のサマーヒルスクールです。

『自分自身の生き方をする自由』

それを実現している学校であると言えます。

具体的な特徴としては、

①時間割はあるが、出席するかしないかは生徒が決められる
②週に2回の全校集会がある
③子供の心の深層を理解する
④創作表現活動を重視する

の4つが挙げられます。

1.時間割はあるが、出席するかしないかは生徒が決められる

時間割自体は存在しますが、出るか出ないかは生徒自身が決められます。

例えば、面白く生徒にも評判の先生の授業には生徒は殺到しますが、生徒が一人も来ない授業というのも存在することになり、先生方にとっては授業のフィードバックを(恐ろしくも)直に受ける形となります。

2.週に2回の全校集会がある

週に2回の全校集会では、学校の校則の策定や改正、今後の活動方針に関して生徒・先生全員で話し合いが行われます。

学校側が一方的に作った校則は存在せず、全て全校生徒が話し合いで決めた校則です。
先生も生徒も同じ1票。年長者であるからといって声の大きさに影響することは一切ありません。学校長も小学校1年生の児童の意見も同じ1つの意見として扱われます。

1票という表現をしましたが、多数決で決まるわけではありません。
1人でも反対する人がいる限り、話し合いは続き、全員が納得できるまで話し合いは続きます。

公教育では、自分の意志とは関係なく多数決で物事が決まっていくことが多いですが、サマーヒルでは自分の発した意見は必ず届きますし学校運営・生活に反映されることになります。

3.子供の心の深層を理解する

『困った子というのは、実は不幸な子である。彼は内心において自分自身とたたかっている。その結果、まわりの世界とたたかう。』

サマーヒルでは、良い子・悪い子という定義はありません。

悪い子というのは存在せず、その一見問題のある行動は、彼・彼女の中で起こっている『内心のたたかい』と認識し、行動だけを見て一般論で諭すようようなことは決してしません。

『その子の深層心理を理解し、徹底的に寄り添う』

そして、『伝統的なものの見方や親のしつけなどから一旦自由になって、自分自身の価値観や世界観を自ら確立する』ということを信念としています。

4.創作表現活動を重視する

1で時間割はあるが、出席するかしないかは生徒自身に委ねられていると前述しました。

では、出席しなかった生徒たちは何をしているのでしょうか?

それは、『自由』です。

本を読むのも良し、外で木登りをしたり散歩するのもよし。

美術室や工作室で創作に励むのもよし。

中でも、最後に述べた『創作活動』は『学習にリアリティを持たせる』という点で重要とされています。

リアリティを持たせるというよりは、『リアリティの中からしか学べない』という方が合っているかもしれません。

創作活動は、個人的なものもありますが、生徒が何人も集まり共同で活動するケースも多々あります。

『一人一人の子供が、それぞれに思いや意見を持ち寄り、目標を共有し、役割を分担して、知恵をしぼり、汗を流し大きな仕事に取り組む』

こうした生きた学習は、子供達を興奮させ、感情面の解放にもつながると考えられています。

日本のサマーヒル・きのくに子どもの村

日本にもサマーヒルの信念を持ち教育活動に励んでいる学校があります。

『きのくに子どもの村』

設立は20年以上前にさかのぼります。

サマーヒルのように全校集会において民主的に学校生活にかんすることを決めるということを採用しており、『自分自身でいられる学校』として注目されています。
日本でのオルタナティブスクールの先駆け的存在です。

日々の教育活動を行う上でサマーヒルと異なる点は、時間割の中に『プロジェクト学習』があることです。
どの子も興味のあるどこかのプロジェクトに所属することになります。

実際にどのようなプロジェクトがあるのかというと、

工務店・料理店・農業・劇団・クラフト館

があります。

全校集会の中で、『校庭にすべり台を作りたい』という意見が出てそれが可決されると、『工務店』の出番です。

元々校庭にある坂を使いますが、どの角度で作ればどの年齢の子でも安全に遊べるか等を検証した上で、実際の創作に励んでゆきます。

それを実現するには、『かず(算数)』が必須となり、『安全の確保』という必要に迫られた中で算数に取り組んでいきます。

一度の仮説でうまくいくことはなく、トライアンドエラーを繰り返し仲間と汗水を流しながら日々を共にします。

そのプロジェクトに年齢は関係なく、様々な年齢の子たちが助け合いながら同じ目標に向かって突き進んでいきます。

その他、基礎学習にも力を入れていますが、市販のドリル等の教材はご法度で、学校生活を送る中で、できるだけリアリティのある内容をベースに教師達自らが作成したものに取り組みます。

このように、『実体験から学ぶ』という学びの原点といえる学びはきのくに子どもの村にはあります。

実はホームスクーリングにめちゃくちゃ活かされていたことに気づく

1.信念編

今まで特に意識はしていませんでしたが、我が家の教育信念とサマーヒル・きのくに子どもの村には通じるものがあります。

子ども一人一人、『そのままでいい』

学校生活での当たり前・伝統的な考え方・親のしつけ・社会の目など、要は『型から自由になって良い』ということです。

何も疑問を持たずに規則に従うよりも、『当たり前を疑うこと』の方がよっぽど大切だと思うのです。

そして、大人が型をつくるから、型から外れているかどうかが重要視されてしまうのです。いじめは大抵この『型』が原因になっているのではないでしょうか?

子ども自身は型は作りません。大人が作り出した『型』にきちんとはまっているかどうかを、子供たちがお互いに評価し合っているように見えるのです。

子ども同士で注意し合う場面を見ることがありますが、それは

『決まりを守らなかったことに対する注意』でしょうか?

それとも、

『本当にその子のことを思っての注意』でしょうか?

後者であることを願いたいですが、実際にはそうではない場面も多々あると思います。

2.学習方法編

『学習にリアリティを持たせる』

これは、ホームスクーリングをする上でとても大切にしていることです。

ホームスクーリングできのくに子どもの村と同じことをするのは不可能ですが、算数の学習の後にお菓子作りをするのもとても生きた学習(体験)となります。

また、科学センターや博物館、美術館も生きた学びに最適な場です。

もはや、日々『どうやってリアリティを持たせるか?』ということばかり考えているようにも思えます。笑

それほどリアルから学べる事は多いと思うのです。

以上、いかがでしたでしょうか?こんなに自由な学校があったとは!と驚かれた方もいらっしゃると思います。

もちろん、このアプローチも全ての子供にフィットするわけではありません。子供ひとりひとり違うように、それぞれに合った学習方法があるからです。

ちょっと熱くなり長くなってしまいましたが、今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次回はサドベリースクール編へと続きます。

参考文献:
きのくに子どもの村の教育 堀信一郎著
問題の子ども A.Sニイル著



















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