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女子みを抵抗なく取り入れる息子を見て、今どきティーンは「ジェンダーレス」がすでに当たり前になのかもと気づいた話

LGBTQとかジェンダーレスという言葉が登場して「多様性」というのがひとつのキーワードとなっているが、そういうのを声高にうたって大騒ぎしている人ほど、差別意識があるんじゃないのかな、と思うことがある。

というのも最近、高1の息子と話していると、そもそもその世代では「男っぽさ」「女っぽさ」みたいなこと自体がそもそもあまり問題になっていないというか、「いろいろ自分の好みでいいんじゃない?」的な雰囲気を感じるから。

差別とか区別する意識があるからこそ、その問題に過剰に反応するのであって、それが普通。だったら問題にもしないのかなぁと思うのだ。

1.小さいころからカワイイものが好きな息子


昔から、うちの息子の好みは割と個性的で、流行に乗るよりは、アンチ流行、いわゆる「逆張り気質」。

幼稚園時代には「ランドセルはピンクがいい」とわたしを困惑させ、小学校低学年でメガネを選ぶときは「赤のフレームがいい」と一択。わたしが乳がんでウィッグを使っていた時は「かぶりたい」といってロングヘアを楽しんでいた。

赤のメガネを選んだときには、小学校低学年でいろいろと言われやすい子だったので「周りに女の子っぽい」と言われちゃうかもよ?なんて心配したものだが、そのときも息子は「自分が気に入ってるものをつけてるんだから、周りがなんと思ってもいい」と言った。

普段はボーっとしているが、そういう「自分は自分」なところは、わたしよりもしっかりしているなぁと思う。

そんな「女子みの強さ」は15歳になった今も継続していて、

今年の冬に宮古島に行ったときにはブルーの石がついたアクセサリーを、着ける予定もないのに「きれいだから欲しい」と言っていた。最近メガネも買い替えたのだが、どう見ても女子寄りなピンクゴールドの丸メガネ。今まで興味がなかったのに洋服が欲しいというので洋服を買いに行けばレディースのコーナーにまっしぐら。

2.けどそれ以外の趣味は男っぽさ全開

この情報だけ見ると、何から何までものすごい女子み溢れる息子なんじゃないかと思われると思うのだが、かわゆいものが好きである一方、小さいころからめちゃくちゃワイルドなものが大好き。いわゆる「男子」な趣味である。

家の中が恐竜カオス

小さいころから恐竜が大好きで、とにかく大きくて迫力のあるものは幅広く好き。人食いザメとかゴジラとかウルトラ怪獣とかワイルドなものはすべて好き。ドンパチやってるアクションが大好き。

友達とオンラインゲームでシューティングゲームを楽しむ、いわゆる「よくいる男子」。

だけど自分は「カッコイイ」より「かわいい」と言われたいらしく、ゴツゴツした男っぽい感じになりたくないのだとか。

服装の趣味と、それ以外の趣味が別に一致してなくても良くて、めちゃくちゃ女子み溢れる格好をしているけれど恐竜マニアでも別にいいじゃん。と言われると確かに別にいい。

けれどわたしの頭はどうやら古いらしく、男っぽい趣味なら見た目も男っぽいイメージであるはずだ。というふうに思ってしまう。

息子の世代には、わたしが聞くとなかなかに新ジャンルな「男の娘(おとこのこ)」という概念があるそう。なんでも中身は男なんだけど、女子みが強い格好をしてかわいくしている人たちがいるそうで、息子的には「それもアリ」なんだとか。

なのでやけにレディースの服を着てみたがったり、内股で立とうとしてみたりするのも、彼の中ではふつうのこと。そのたびに頭の古いわたしが多少ドギマギする、という感じ。母さんのバージョンアップが必要。

3.学校生活もなにかと多様化しているっぽい

この前は体育祭を見に行ったら、うちの息子だけ、男子には珍しくTシャツに半ズボン姿で、Tシャツの裾をズボンにインしていてやけに目立っていた。

同じ格好をしている子ばかりなので、個人的には息子を見つけやすくて助かったが、それと同時に疑問がわいた。

ほかの男子はほぼ下は長ズボンのジャージで、Tシャツの裾は出していたのに、なんで一人だけ半ズボンでTシャツをインしてるの?と息子に聞いてみると、「だってそのほうがカワイイから」だそうで。

ズボンは半ズボンの方が足が長く見えるし、ひざ下が長いのでいいと思ったのと、Tシャツをインしたほうが足が長く見えるし可愛いからとのこと。

そういう息子を周りは何も言わないのかなと思って聞いてみると「別に何も言われない」とのこと。

まぁ、人付き合いをしないほうなので、言われていても耳に届かないかもしれないし、言うような人に近づいていないのかもしれないし、たまたま学校の雰囲気が自由で、そういう低俗なことを言わない人に恵まれているからかもしれないけど、とにかく息子はそれで全然オッケーで楽しくやっている。

学校の中のことでいえば、女子の制服でスラックスが選択できるようになったあと、学校でスラックスの女子を数人見かけるようになった。明らかに少数派だけど、やっぱりスカート嫌いな女子ってのは一定数いるわけで、なんか時代は進化したなぁと思う。そしてスラックスを履いている女子生徒を見ても息子は何とも思わないという。

「自分の好きなものを身につければいいじゃん」というのを地で行っていて、そういうときは変な差別や区別意識がない息子を尊敬する。

わたしは昭和生まれだが、あんまり「男なら泣くな」とか「女らしくしなさい」とかそういう気持ちはなく、性差とかジェンダーについては寛容なほうだと思っている。だけど息子の話を聞いていると、それでも世代に沁みついた「こうあるべき」は、わたしの中に根付いているのだなぁと分かった。

4.二面性で新しい風を吹かせるK-POPアイドル


最近わたしがハマっているK-POPアイドルも、なんだか可愛らしい格好をややらとするし、割とそういう「カッコイイだけじゃない」先端を行っている気がする。

特にセブンティーンは「女子ですか?」というような可愛い髪型をしていたり、クマのぬいぐるみをつけてみたりと、女子みが強い格好で登場するのだが、それはそれで可愛くて、めちゃくちゃハマっている。

友達が推してるセブチのジョンハンは、この前のファンミでこんな感じだった。


それでもいざ別の歌を披露するとなると、急に男性っぽい雰囲気でキレッキレのパワフルなダンスを踊る。
同一人物と思えないよね。

その女子みと男性っぽさを自由に行ったり来たりできるふり幅の広さも、K-POPアイドルが魅力的に映る理由のひとつかもしれない。

そういえばBTSのジョングクも最近髪型を変えて、女子っぽくなっていたな。

個人的には古い人間なもので、短髪派だけど。

5.新しい時代の風が心地よい

こういうのを見ていると、昭和な人たちがジェンダーレスだの法案がどうのと叫んで紛糾している間にも、徐々に「別にいろんな好みの人がいていいでしょ」という当たり前ムードは若い世代にじわじわ広がっていて、30年後くらいにその子たちが中年になったら、ジェンダーレスとかなんとか自体が問題にさえなっていないかもしれない。

まだまだそういうのを差別したりバカにしたりって文化はあって、嫌な思いをする人だって多いのだと思うけれど、少なくとも「個人の好みでいいじゃん」な風も吹き始めているのは確かだと思う。

メディアに登場するアイドルたちも、どんどんそういうのを取っ払っていってくれている気がして、なんかいいなぁと思う。率先してやって、それが受け入れられたら、自分たちも真似したくなるし、新しい風が入るよね。

男らしさとか女らしさって概念はあるけど、どちらかを選ばなくちゃいけないわけじゃなく、どっちでもよいし、両方あってもいい。

最終的には個人の好みで、そのときの気分で好きにチョイスして楽しめばヨシ。という、ちょうどいい雑さみたいなものがじわじわ浸透しているようで、なんだか楽しみ。

嗜好に正解なんかないんだから、みんなが自由に、自分の好きを選べるようになればいいよね、と思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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