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失敗を認めない某業界と、失敗と誠実に向き合いそこから学ぶ文化がある航空業界

久しぶりに、望月りん先生のお話を聞いた。

紹介しているのはこの名著。私も7年前に読んだ。

なぜ10人に1人が医療ミスの実態は改善されないのか ?
なぜ墜落したパイロットは警告を無視したのか ?
なぜ検察はDNA鑑定で無実でも有罪と言い張るのか ?
■虐待事件で正義感に目覚めた市民が、役所の失態を責め立てた結果、どうなったか?
■「ミスの報告を処罰しない」航空業界が多くの事故を未然に防げている理由は?
■撃ち落された戦闘機に着目した天才数学者が、戦闘機の帰還率向上をもたらした洞察とは?
■治療法が発見されていながらも、「人類が200年放置し続けた病」があるのはなぜ?

Amazon紹介ページより

ちょっと忘れかけているところもあるので、もう一度読もうかな(笑)

失敗は失敗ではなく、失敗しても何もしないのが失敗
最近は、そんな言葉も行きかうほど、私たちは「失敗」を科学してきた。
子どもたちにも伝えようと、私は授業でも数々の「失敗」を科学した本や動画を取り上げている。

最近、大きな航空事故があったよね。ものすごい勢いで原因を調べて、第三者委員会を開いて、原因をさらに追究して、そして公開している。もちろん、見えない部分もあって、そういう部分については、世の中から公開を求める声が上がった。みんなも厳しい。それにこたえる。そして、失敗から数多くのことを学んだ航空業界は、今や、事故で亡くなる人の数は、かなり減少し、自動車より安全な乗り物になった。
あんな事故があると、飛行機に乗りたくないという人もいるかもしれないが、むしろ、あんな事故があった後は、飛行機事故は起きない。

片や、その対岸にいるのが、医療業界だという。今や10人に一人が医療事故に遭っていると、なぜ改善しないのかと、本の帯に書いてある。事故があっても、世の中から公開を求める声は上がらない。被害に遭った患者家族が声を上げても、病院と戦い、負けることもある。泣き寝入りがスタンダード。改善点がテレビなどで公開されたことがあるだろうか。患者が死亡するような事故が起きた時に、深々と頭を下げるシーンはなんとなく見たことがあるような気がするが、改善点を積極的に公開したシーンは記憶にない。公にしないので、改善の声も上がらないし、上がらないから改善もしない。なので、相変わらず事故は減らない。大きな事故があった翌日も、同じような事故が別の病院で起きる。業界全体でそれらを白日の下にさらし、国民の声を聞いて改善していこうという体質ではないからだ。

その業界の「文化」なのだろう。「文化」というと聞こえがいいけど、ただの「悪習慣」だ。

最近、こういう悪習慣を治さず、事件になっている例が多い気がする。

週刊誌、ジャニーズ、宝塚……。

みんなそう。
怖いのは、入社、入会、入団したての頃は違和感を感じていたのかもしれない世界に流れる「実社会とはこんなもの」「よそも似たようなもの」「どうせ誰も変えられない」そんな空気が、その新鮮な外気をあっという間に取り込んで均してしまうこと。

子どもたちが大人になり、夢と希望を持って飛び込めるような社会、自分達が自信をもって、胸を張って、自慢できるような世の中に、大人がしていかないと。

で、この本が出版されて7年。そのことに気づいて変わった業界はあるのだろうか。

追記
ちっとも変わらない業界に、出版業界も追加したいと思うような事件も起きたね。

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