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【映画】「孤狼の血」なんでヤクザ映画が面白いのか、ようやく分かった。

「アウトレイジ」シリーズが好きです。
特に1作目の椎名桔平が最高で…とか言ってると違う話になりそうなので、これについてはまた別の機会に。

ツイッターで信頼できるおじさん達が「最高」「強くオススメ」と言い合ってるのを見て、近所でやってるのを知ってダッシュで観に行きました。
いやー、おもしろかった!
無茶苦茶ですよ。暑苦しいし汚いし、下品で痛くてだらしない。
でも、ドラマチックで清々しくて、時々「そうこなくっちゃ!」とか思い始めて、気付いたら振り回され役の松坂桃李くんと一緒にストーリーの中を爆走していました。

舞台は昭和63年の広島。架空の都市、呉原。
ヤクザ同士の抗争が激しくなる中、役所広司演じる「あんたがヤクザか?」と疑いたくなる暴力、裏金、放火何でもありのベテラン刑事と、松坂桃李くん演じる新人刑事が様々な手を使い死線をくぐり抜けながら事態収束のために奔走するお話。

スピード感溢れる展開とギリギリの駆け引き、テレビじゃ絶対見れないエグい描写は、大いに見応えがあるしスカッとする。
それがヤクザ映画のある意味いいとこなのですが、でも、それだけじゃない。
ヤクザ映画に欠かせないガラの悪さ、暴力、卑怯さは正直嫌いです。
じゃあなんで好きなんだろう、何がそんなに魅力的に見えるんだろう…とずっと考えていたことに、今ようやく答えが見えた気がします。

それは、とにかく人間臭いところ。
感情にも、欲望にも、怒りにも楽しむことにもとにかくブレーキがない。
いろいろ作戦も練るけど、最終的にはコネコネ考えず力でねじ伏せる。
保身のための必死の駆け引きは、自分がよければそれでいいの極み。
日常を生きている私たちより何倍も「明日死ぬかもしれない」ところにいる登場人物たちが、命がけで繰り広げる騙し合い、愛憎、復讐の連鎖、そんなのもう面白くない訳がない。
人間を描くなら、中途半端なラブストーリーよりヤクザ映画の方がよっぽどグッとくる。

あえてアウトレイジと比べるなら、こっちの方がキャラが立っている分ドラマ性があって、展開がリアルです。
あと、俳優達の普段見せない凶暴な顔がとにかくかっこいい。

その他個人的な感想。
男前若頭枠の江口洋介に、決めどころではドスでも鉄砲でもなく、スラリと日本刀を抜かせるところ最高。
桃李くんの画的な存在感がちょうどいい。若いイケメンが苦しむ様は、おっさん達の脂汗を洗い流してゆく。
竹野内豊史上最強のムダ使い。甘い低音ボイスは怒号には向いていない。そして佇まいが、どこに置かれても上品。ヤクザには向いてない。なんで出た。
広島弁の女の子はカワイイなぁ。

続編が発表されたみたいなので、残ったキャストでどう乗り切る!?とソワソワしながら、楽しみに待ちます!

©2018「孤狼の血」製作委員会

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