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コールドストーンで学んだ今でも大切にしたい幸福論|#口福論 vol.1

あなたの学生時代のアルバイトをした場所はまだありますか?

大学1年生の春、バイト選びをする私の絶対条件は「髪型自由」「フリーシフト」「食べ物屋さん」でした。

時は2007年、今ほど多様性という言葉もまだなかった時代、そんなオルタナティブなバイト先がなかなかない中、選んだバイト先は「コールドストーンクリーマリー」でした。

コールドストーンとは ー 2005年に日本初上陸のアメリカ発のアイスクリームショップ。マイナス9度に冷えた石の上で、テンポよく歌とダンスに合わせてアイスをフルーツやスナックとミックスする独特の接客が特徴。その陽気でPOPなアメリカンスタイルがウケて、オープン当初から日本でも一大ブームとなったアイスクリームショップなのです。

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しかし最近はコロナの影響もあってか、アイデンティティだった「歌」や「ダンス」のパフォーマンスは自粛、追い重なる外食の自粛ムード。最盛期は日本各地の商業施設を中心に、30店舗近くあったお店も、2021年1月現在ではわずか7店舗を残すのみになってしまいました。

そんな苦境でも、私がかつて働いていた「池袋サンシャインシティ ALTA店」はいつ行っても変わらぬ姿で営業していたので、どこかしら「なくならない」と思っていました。

ーしかし2021年の年明け、当時のコールドストーンバイト仲間から送られてきたニュースで、そんな思い込みは幻になりました。

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そう、私が学生時代過ごしたバイト先「コールド・ストーン・クリーマリー池袋サンシャインシティ ALTA店」は2021年1月31日をもって閉店することになったのです。

このnoteはそんなニュースを受けて、思わず書き走った文章です。バイトの同期の中でも歌を歌ってパフォーマンスするのが一番苦手で、当時店舗内でもコールドストーンの店員さんらしくないと評された私。そんなコールドストーン異端児だった私が、お店を卒業して10年してから書くコールドストーンへの最初で最後のラブレターです。

実は大好きだったコールドストーンの「Make People Happy」理論

コールドストーンで働いていて、衝撃だったのは、社員教育の徹底っぷり。それは運営本部の社員だけでなく、店長のみならず、学生バイトの私にまで、みっちりとした教育体制がありました。特に大好きだった理念がコレ

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一見、ヤバい宗教の匂いもプンプンするワード。だけど、この言葉に何度救われたか分からない、今でも大切にしている理念のひとつ。

「お店に来る前よりも、お客様がハッピーになってほしい。クルーも働きながらハッピーになってほしい。」という思いが込められたこの言葉。

言い換えれば、一緒に働く仲間、お店に来てくれるお客様にとって果たして「してもらって嬉しいことかどうか、自分だったらハッピーな気持ちになるかどうか?」が迷ったときの判断基準ということ。

今もなお、個人的にはこの考え方を社会人として、ひとりの大人として、大切にしているこの言葉。何か迷った時に、この考え方ひとつで、ポジティブな視点から行動を移せる大人に(私は)なったはず・・・はず!はず!(そう自負しています)!

ちなみにお店ではいつも「ナイス〇〇!」(例えば、お掃除してくれた人には「ナイス、クリーン!」)とかいつも「ありがとう!」というポジティブな言葉でお店が溢れていました。その当時は照れ臭かったのですが、新卒の会社でうっかり先輩に「ナイス、コピー!」と言ってしまうほど私には今も細胞レベルで刷り込まれているハッピー理念なのです。

「Make People Happy」すごく温かくて大好きだったなあ。

大人になっても大切にしたいコールドストーンのコアバリュー

コールドストーンには先ほどの「Make People Happy」に加えて、5つの<コアバリュー>行動指針がありました。

5コアバリュー

このコアバリュー、クルーと店長の間で行われる定期面談(という名のお給料UPを自分で申請して、今のビジョンや目標などを話し合うとっても真面目なチャンス。THE外資系っぽい。)でも絶対に聞かれるし、ことあるごとに聞かれるので10年たった今でもしっかりと答えられるほど。

改めて見返すと、コールドストーンを卒業して社会人10年目を迎える私にとっても、今でも響く言葉がたくさん。フリーランスで活動する今、私はクライアントという名の複数のチームと仕事をしている毎日。そんな中で、外部の私がクライアントとどう付き合っていくのか、を考える時にいつもこの5つのコアバリューを思い出します。

そんな社会人になるまでの学生時代の4年間わたしを育ててくれた"コールドストーンクリーマリー池袋サンシャインシティALTA店"にお礼参りに行ってきました。

当時と何も変わらないお店の佇まいをみただけで、一気に学生時代にタイムスリップしたような錯覚にさせてくれた懐かしい風景。

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卒業して10年、今でもあの頃の仲間が笑顔で出迎えてくれるような、そんなイノセンスな気持ちになった。店頭には、あの頃の私たちのように無邪気にアイスクリームを混ぜる姿と重なる、元気なクルーの子たちが迎えてくれました。

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当時も今も、人気No.1は「ストロベリーショートケーキセレナーデ」私たちが働いていた頃は、バックヤードで毎日アイスクリームをミルクから作って毎日出来立てを店頭に並べていました(出来立ては驚くほどおいしい)。下のワッフルも毎日焼き立てを火傷しながら作ったなあ。なんて。

昨年の秋頃から、アイスクリームは工場での製造に切り替わったそうですが、それでも当時と変わらない味。クリーミーで、コクがあるけどさっぱり。ふわっと空気を含んで混ぜられたアイスクリームは、いちごの甘酸っぱさとホイップクリームの滑らかさで、極上のアイスクリームタイムを届けてくれます。ワッフルは今も変わらず店頭で焼いているそうで、ほんのり香るシナモンとサクサクの食感がたまりません。

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閉店のお知らせのポスターが、虚しくたたずんでいる様子が本当に辛かった。けれども、最後の日までお店に息を吹き込んでくれていた、クルーの子達の「Make People Happy」な接客と笑顔に胸がいっぱいになった。そんな私のラストコールドストーン池袋サンシャインシティALTA店。

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おうちでもMake People Happy体験は続く

おうちには、コールドストーンクルー時代の思い出の品がたくさん私の日常を取り囲んでくれています。お店を卒業するときに、当時の店長からもらった卒業証書は、額に入れていまだに飾ってる。仲間が作ってくれた卒業アルバムも、ちょっぴり辛くて元気を出したいときに、読み返します。

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そしてこのnoteはおうちで、テイクアウトしたアイスを頬張りながら書いている。私が、コールドストーンで働く前、初めてコールドストーンで食べた思い出の味「バナナキャラメルクランチ」。そのアイスを食べた数日後、アルバイトオーディション通過の連絡をもらった、いわばラッキーアイス。

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一緒に入っていたおしぼりには、温かいメッセージが。 #007は池袋サンシャインシティALTA店の番号 。どうやらクルーの子達が、私が初期メンバーだと知って、即興で書いてくれたみたい。あぁ、最後まで人を幸せにしてくれる、お姉さんは幸せです。おうちでも温かさを感じる、そんな接客。

Make  People Happyをつづけよう、どこまでも

私たちの思い出の場所は今日でなくなったけれども、

コールドストーンで出会ったすばらしい仲間達

今でも色あせない思い出

コールドストーンのあたたかく、かけがえのない精神・習ったこと

それはずっとずっとこの先の人生も続いていくものです。

改めて、4年/32年という短くも濃くかけがえのない時間と思い出にありがとうを。

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コールドストーンクリーマリー池袋サンシャインシティALTA店、

約14年間ありがとう、そしてお疲れ様でした



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