見出し画像

『玉鬘十帖』

みなさん、こんにちは。
 本日はタイトルの『玉鬘十帖』についてです。
『玉鬘十帖』とは、玉鬘が登場してからの十帖のことです。
「玉鬘」「初音」「胡蝶」「螢」「常夏」「篝火」「野分」「行幸」「藤袴」「真木柱」
メインキャラクターとして玉鬘姫が登場してからの十帖ですね。
それはもちろん描かれているのは玉鬘姫と源氏のことだけではありませんが、一般的にそう呼ばれております。
 
書いている私としては、ここの部分は(特に玉鬘と源氏の仲)とても書きづらいところであります。
背徳的な感じを出しますと、もはや大人向けの艶話になってしまい、源氏物語という日本最高峰の文学を汚すような気がしますもので、とても塩梅が難しいと感じました。
 
ううむ、紫式部さまはどのような心持ちで玉鬘と源氏を描いたのでしょうか?
最初から義母・藤壺の宮と源氏の密通という衝撃的なスキャンダルは宮中の女官達を虜にするほどセンセーショナルなものでした。
そして、もっともっとと求められてついには禁忌の恋を描くことにしたのでしょうか?
せめてもの救いは現代では躊躇もなく描かれる実の父娘の近親相姦ものではなく、義理の娘というところでギリギリセーフな気がします。
私は玉鬘の観点からこのシチュエーションを「倒錯的な関係」と記しました。
これはあくまで源氏が倒錯しているということです。
中年の恋のみっともなさも象徴しておりますね。
中年の恋は良いのですが、源氏がちょっとみっともない感じがします。
源氏には手厳しくて失礼しましたが、玉鬘の運命はこれから大きく変わってゆきます。
平安女性のひとつの生き方として、そこにある悲しみや愛、諦めなど、描ききれるようがんばりたいと思います。
物語も中盤、どうぞみなさまよろしくお付き合いくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?