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本の話/一汁一菜でよいという提案

軽妙な語り口が印象的な、料理家の土井善晴さん。
料理番組でお見掛けしたことあるなー
関西のひとだったかな
ぐらいの記憶。

初めてこの本を知ったのはコロナ禍、本屋の売り出しコーナーで推されていたのを立ち読みしたのだったか。
そのときは「ふーん」で終わったけれど、何故か今の自分に需要が芽生えたのか、ふと思い立ってちゃんと読んでみたのだ。

一汁一菜のススメ

一言でいうならば、日本人の食事は三食ともに一汁一菜で大丈夫。
ということ。

一汁=具たくさんの味噌汁
一菜=漬物など
白飯(パンのときもある)

を三角配列でお膳に載せたなら、それは立派な食事になる。

味噌は自然の力が作り出す調味料。
季節の食材を手に入れ、食べられるように調理し、自然のものをいただくことこそ生きるという行動。

日本人と自然との付き合い方
栄養としての食事
心を養う食事

網羅したうえでの一汁一菜の提案だった。
(この「提案」という謙虚さが本文中に共通しており、素直に読みやすい)

読後のきもち

そうだよなあ、栄養バランスを考えてあれもこれも食べたほうがいいかなと主菜+副菜+、、、と考えるのは西洋の方法。
学校教育で刷り込まれてきた理想の食事形態は、毎日の献立となるとじわじわ疲れがたまりがち。
食材何買おう、残ってるあれの賞味期限が近いよな、これだとバランスどうだろう?なんてぐるぐる考えたり。

味噌汁はじめ、汁物は好物なので一汁一菜アリだな!と思ったこともある。
自分はいいけれど、成人男性(夫)にはエネルギーやタンパク質が足りないのでは、そもそも満足感とかどうなんじゃ、、、と思っていた。
ところが夫に尋ねると「全然いいよ~」と拍子抜けする回答。
ええ、嬉しいような それなら今まで更に手抜してもよかったような、、、

一汁一菜でいい!となれば
手に入る野菜やタンパク質(肉、豆腐など)を味噌汁にすればいい
必ずしも美味しいとは限らないが、ケの食事だからそれでよい。
たまに余裕のあるときは、魚などおかずを追加すると
自分も家族も嬉しいし、その存在の有難さがよくわかるとか。

やってみよう!と思った一方で
意外と実践となると心の執着があることに気づく。

え~、ほんとにこんなんでいいのかな
夫がさらに痩せてしまうのでは
あの食材で別の料理も作りたい(=余裕があるなら作ってもいい)

ゼロか百かにしようとするのは悪い癖で
結局挫折することになりそうだから
一汁一菜気分のときは「OKOK!むしろよくやった」
と思うようにして
ゆるりと生活に取り入れ始めてみることにしよう。

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