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感性をみがく海外視察。ケニア滞在記。

今年のテーマのひとつが「自分の目で見て感じる」。

私だけの決断だったら500%足を踏み入れることがなかったであろう、ケニアに1週間行ってきました。人生初のアフリカ大陸です。

そもそものきっかけは、彼の知人が奥さんのお仕事の都合でケニアに住んでいて、「知り合いがいるうちに行ってみたいよね(逆にツテがなかったらハードル高いから今しかないよね)」という彼の好奇心もあったのですが、真面目な話、ケニアの人は希望の職につけなくて鬱を発症する人が多いらしく、オリジナルの手帳『pure life diary』が何かお役に立てることがないか、その可能性を模索しに、現地に視察に行くことにしました。



ケニアに入国するために絶対に必要なvisaの取得・黄熱病の予防接種など、はじめてのことが多く準備の段階からドキドキ。乗り換えを2回経て約24時間かかるフライトも人生初なので、飛行機苦手勢の私としては、とにかく無事に予定通り入国できますように…と祈るばかりでした。

結果的に時差もさほど負担にならず思ったよりも疲れを感じることなく、飛行機はトラブルなく目的地まで私たちを運んでくれたのですが、最後に難関が…!空港の係員に、PCR検査結果の提示と予防接種証明書(イエローカード)の提示、なぜか2回とも止められるというアクシデント発生。言いがかりをつけて金銭を請求してくる可能性があるから、という話を事前に聞いていたのですが、まさかのそれでしたw
ひとりっきりだったら困惑して完全に詰んでいましたが、そもそも手続き自体は規定通り行っていたので指摘される筋合いはなかったし、連れがいたので「問題ないよね」と堂々とした態度をとってその場を通過することができました。ひとりも欠けることなく(笑)入国に成功してほんとよかった…!
それにしても、空港での一連の出来事はある意味カルチャーショックでしたね。日本ってきっちりしていてすごい国なんだなと身に沁みました。

首都ナイロビの第一印象は「想像以上に発展してる!」。高いビルやショッピングモールが点在していて、人も多くてとても活気がありました。
が、治安が悪く外は歩けないので、道中はタクシーで移動。(uberで呼ぶと適正な価格でちゃんと目的地まで連れて行ってくれるので安心。しかも日本より料金も安いので助かります。)ちなみに、事前の注意事項として聞いていて徹底していたのが、タクシーでの移動中は窓を開けないようにすること。なぜかというと、手を入れられてスマホや物を盗まれることがあるからです。
発展した街並みと対照的に、路上で物を売る人々や物乞いをする子どもたちも目に飛び込んできて、そのコントラストになんとも言えない気持ちに。この光景を目に焼き付けようと、スマホをかざすのをやめてぼーっと外を眺めていました。


でもただただ凶悪な街、というわけでもなく、滞在時間が増すごとに、街やお店で出会うケニア人のやさしさや明るさに触れることができました。これはケニアに限らないことかもしれないけれど、「こわい」というイメージは全体のうちの一部分でしかなく、私の思い込みだったことに気づかされました。

歴史を含めてこの国に影を落とすものは深いですが、結論、ナイロビはめちゃくちゃいいところでした!
確かに、日本にいたら使わないであろう神経を使う必要はありましたが、でも、基本的に毎日晴れて28度前後でからっとした天候は最高に過ごしやすかったですし、緑がいっぱいでおしゃれなカフェも多いし、イタリアン・中華・インド料理など色々な国の食事を楽しめました。(しかもおいしい!)滞在中、ナイロビに住む日本人の方と交流する機会があったのですが、みんな口を揃えて「ナイロビ最高」と言っていたのにも納得です。


ケニアのメジャーなビールたち
おしゃれカフェランチ
辛いけど病みつきになる火鍋屋さん
ケニアで働く日本人の商社の方や起業家の方との食事会。
ホームパーティーでワインも楽しみました



今回、いちばん印象に残った体験は、東アフリカ最大のスラム街、キベラスラムスタディーツアーへの参加。250万人以上が住んでいるそうです。

事前に座学でアフリカ大陸の歴史などを学んで臨みました。

アテンドしてくださったのは、ケニアに30年以上住んでいらっしゃる早川千晶さん。


『別の国の誰かの話、と境界線をつくるのではなく、「わたしたちの地球で起きていること」「わたしはあなた、あなたはわたし」の気持ちで聞いてほしい、見てほしい』と思いを伝えてくださったおかげで、実際に目にする景色から多くのものを感じることができた気がします。

私たち人間は元々自然を崇拝する心があり、自然と自然のままに関わることで暮らしてきました。何か不便や問題が起きたら、自然を変えるのではなく、自然に合わせて人間が移動しながら生きていたそうです。自分たち人間が変容するのだと。
人間に合わせて便利な形に変えていくほどに、本来の人間らしさの喪失につながっているのかもしれません。


解説をしていただきながら実際にキベラスラムを歩いて回りました


ゴミの山、ハエが飛び交う音、汚れたお水、砂埃、寄り添うように連なる家。現地に足を運んだからこそ感じる音や匂いを受け取りながら、岐部らスラムで歩みを進めていきました。
何より、過酷(に見える)な環境の中にすれ違う子どもたちの無邪気な笑顔が映えてとても印象的でした。何者かも分からない私たちにむかって手を振ってくれたり、笑顔を向けてくれたり、「Hi!」と声をかけてくれた子は数えきれないくらいです。
目がキラキラしていてかわいいなと思いつつ、正直なところ私は戸惑うばかりでした。どんな顔をすればいいんだろう。どんな振る舞いが正解なのだろう。何かを期待させてはいけないよね?物を盗られたりしないのかな?彼ら彼女たちとの距離感はどうするべきだったのか、帰国した今もまだわかりません。


スラム街に入って1時間ほど歩いた先にある、千晶さんが運営するキベラスラムの孤児や困窮児童のための学校「マゴソスクール」にも訪問しました。

週末だったので授業はなくみんな私服でしたが、元気に走り回る子どもたちの弾けるような笑い声とカラフルな建物が、慣れない地で疲れた私の心も明るくしてくれました。

校内の施設を見て回ったあと、子どもたちに歓迎の歌とダンスをプレゼントしてもらいました。

ほんとにこれがもう、すごくって。おそらくスワヒリ語なので何を歌っているのかはまったく分からなかったけれど、歌い始めたその瞬間から生まれた地響きのようなうねりと一生懸命でピュアな表情を全身で感じて、抜けるような空の青さが美しくて、気がついたら涙がポロポロ流れていました。
"感動"という言葉が的外れに思えるほどのパワー。言葉にしようするほど軽くなってしまうのが歯がゆいのですが、「私たちは今生きてるんだ」と強く「生」を感じた瞬間でした。今までこんな感覚を味わったこと、ないんじゃないかな。訪れることができてよかったです。


みんなダンスもめちゃくちゃうまかった!音楽が身近でDNAに刻まれているんだなと。


途中からは私たちもダンスに参加!みんなのリズム感がうらやましい…!


校長先生や、このスクールを卒業して立派に活動しているOBOGのみなさんのお話を伺うこともできました。

・子どもたちにとって対話や導きが必要
・安全な場所・食事・学びが希望になる
・アートや音楽が私たちを勇気づけてくれる

さまざまなキーワードが挙がる中、自然と「私だったら何ができるだろう」と頭の中で思考を巡らせていました。
色々な関わり方があって優劣はなくただの役割分担。その中で、私自身は直接人と深く関わっていく役割というよりは、自立を支援するための適切な教育を受けられる仕組みづくりなのかなとぼんやりと思いました。一時的な支援ではなく、子どもたち自身が生きていく力を養っていける機会の創出、知識・技術の伝達を持続可能な仕組みをつくるような、何かそういったことに寄与できたらなと考えるようになりました。

サポーター制度もあるので、ぜひ覗いてみてください。ケニアの平均月収は3万円と言われているので、「これくらいで役に立てるのかな」と感じたとしても、十分に誰かの笑顔を守ることができる価値ある行動です。



目を覆いたくなるような過去の経験や、自分を顧みずに子どもたちのために活動する力強い言葉に涙し、子どもたちや先生の笑顔につられて笑い、感情のジェットコースターだった学校訪問。
さよならをする頃には、何の躊躇もなく子どもたちと目を合わせ、手を降り、ハイタッチしていました。




ここに来れば生きていける。遠くからキベラを目指してやってくる人も多い"コミュニティ"。たとえ仕事に就いて稼ぐことができるようになっても、この場所を離れない人もいるそうです。それを聞いて私は驚き、恥ずかしい気持ちになりました。スラムを脱して生きることがしあわせなのだと、勝手に決めつけていたことに気づいたからです。
「自分にとってしあわせとな何なのか」。その答えは自分自身が決めて自覚していればよくて、決して他人に侵害されるべきものではなかった。だからこそ問題は複雑に絡み合っていて、解決策は一筋縄ではいかないのだけれど…。

私が今所属している会社の名前は、英語のfeelとhappinessを合わせたfeppiness Inc.。「世の中のしあわせの総数を増やす」をビジョンに掲げています。

だから余計に、「私にとってしあわせって何だろう」と改めて考えるようになったし、「あの人にとってのしあわせって何だろう」と先入観を手放したピュアな眼差しを持とうと意識するようになりました。


言葉にできないことが多すぎるし、この先社会に対して何ができるか、何をすべきか、まだ分からないけれど、戸惑いや葛藤も抱えながら常に考え続ける人でありたいし、まずは今携わっている事業とそのお客様に真摯に向き合うことに自分の命の時間を費やしていきたい。強く純粋なWILLを持つ人を支える人として、自分の強みを活用して貢献したい。そんな風に思っています。




〜おまけ〜

旅の後半は、感性をみがくリトリート企画の視察を目的にリアルライオンキングの世界、サファリに行ってきました。

首都ナイロビからセスナで45分ほどの場所にある、マサイマラという環境保護地区内の「ガバナーズキャンプ」に宿泊しました。

おまけという枠には当てはまらないくらい最高に楽しかったです!

朝・昼・夕とサファリに車を走らせて大自然を楽しむことができるのですが、360度地平線が続いてサンセットもサンライズも美しかったです。
ライオン、チーター、キリン、ゾウ、シマウマ、イノシシ、カバ、ワニなどなど、野生の動物たちの日常におじゃまさせていただきました。(動画ばかり撮っていていい写真がないのが残念)

朝方、「今ゾウが近くを歩いているからテントから出ないで」とセキュリティスタッフの人に言われたときはさすがにドキドキで、なかなかできない体験でしたw

一生に一度は絶対に行くべき場所だと思います!ほんとおすすめ!!「私たちは自然の一部なんだな」と理論抜きで心で感じられます。スタッフのみなさんのホスピタリティも学びになりました。





読書と手帳が好きなので、本や文具の購入に使わせていただきます♡