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「グッドバイ、バッドマガジンズ」を観ました

映画鑑賞備忘録です。

2023年1本目は「グッドバイ、バッドマガジンズ」。

カルチャー誌に憧れを抱いて出版業界に飛び込んだものの、成人誌の編集部という理想とはかけ離れた場所へと放り込まれてしまった主人公を中心に、時代に淘汰されゆく業界の姿を描きつつ、性とは何か問いただしていく作品。

もともと2022年10月に1週間限定で公開された自主制作映画ですが、上映館を増やし、23年1月20日から再上映されました。

なんといっても題材が良いですよね。成人誌(つまりエロ本)の編集部を舞台にしている映画やドラマはそう多くないですし、興味をそそられました。実際、その業界の多数の関係者への取材を基に制作された脚本ということで、内容にも真実味があります。舞台が舞台だけに劇中は下世話な言葉が飛び交いますが、意外と硬派なお仕事もの。これぞ出版社!とでも言うような苛烈な仕事ぶりや、成人誌というジャンルならではの業界の苦悩や問題を作品を通して垣間見ることができます。

ストーリー自体はあまり明るい話ではないのですが、深刻になり過ぎることはないです。主人公・森詩織は希望を砕かれ、過労の日々に消耗していきますが、そんな辛い様子も割と淡々とした演技とコミカルな周囲の人たちによってなんとなく中和されています。まぁ、これが事実に基づいたフィクションということは、現実にこんなことが起きていたんだよな……と名も知らぬ成人誌編集部に想い馳せてしまいますが。ちなみに、最終盤でサプライズ(?)な展開がありますが、この映画にいい意味でツッコミどころが生まれていて私は嫌いじゃないです。

それにしても、看板雑誌の老舗カルチャー誌が廃刊になり、成人誌が隅に追いやられる一方で、どんどん勢力を拡大するBL誌の存在が何気に一番時代を感じたかも。ちょっと考えたらそういう出版社、実際にパッと何社か思いつきますし。世はまさに、大BL時代。

(2023年1月下旬に鑑賞)

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等身大リラックマをいつか購入したいです。