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こんにちは。

わたしはママ友がほぼいない海外で起業した日本猿。
わたしにママ友というジャンルの友達はほぼいない。
息子の学校に送り迎えをするが、あまりママ達とは仲良くならないようにしている。
なぜ??と思うかも知れない。
それは、
今度一緒に遊ぼう、
今日これからお茶しに行こう、
休日に沢山の家族を招待して誕生日会をやろう、etc…
ママ友ができるとそこに時間を使わなければいけない。仕事があるから、この資料の締め切りがあるから今日やっぱり行けないや、と毎回断り続けることはママ友界の中ではとってとても失礼なことであり完全に不可能である。それならいっそのこと友達にならない方が効率的、と思ってしまう。

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今日は手のつけられないアルバイトのマントヒヒの話をまたしていく。

苦くて儚い、恋の物語。


わたしは
マントヒヒと働く日は本当にハラハラドキドキする。お客様へ、というか人への距離感が近すぎる。馴れ馴れしいのだ。
一歩間違えるとやんちゃで可愛らしい、に入るかも知れないが、99%ネガティヴな意味で馴れ馴れしい。

店舗の営業中、お向かいの飲食店のスタッフと大きな声で会話し出す。
会話の内容はこんな感じだ。

"Hey!
兄さんめっちゃいい髪色してるわ、
どこでブリーチしたん??
は?まじで?俺3回ブリーチして今こんな。
イケてるわほんま。
兄さん地元どこなん?
え?ほんまに? ちょ、嘘やん同郷やし!
どこ中?ほんま?ありえへんし、隣やし。
うっわ、ウケるわ。
ちょ、今日何時にシフト終わるん?
遊びいかへん??"

こんな調子だ。

ふう、もう、言葉にならない。
声がでかいよ。
そして店には似合わないゴリゴリのHipHopや、バキバキのEDMみたいなものをかける。
"あのさ、音楽かけてもいいけどちょっとこの音楽は流石に辞めてくれるかな?"
"ていうか勝手にかけなくない普通??"
こういうタイプはハッキリと言わないと全く伝わらないので、遠慮なくハッキリと伝えさせていただく

"おーい、マントヒヒ、聞こえてる?"


わたしの言葉は少しでも伝わっているのかな?
心の声は叫んでいる。
不安だ…
不安でしかない。

その頃わたしのアシスタントで2店舗のオペレーションマネージャーのバンビちゃんも、だいぶ仕事に慣れて来てどんどん彼女のリーダーシップを発揮していた。二つの店舗の売上もだいぶ上がって安定し、レギュラーのお客様やご予約、まとめ買いのお客様も増えて店は軌道に乗りつつあった。
この生意気なマントヒヒのことが気に掛かってはいたが、彼女にマネジメントを任せることにして私は別店舗のオペレーションとキッチンの業務に専念することにした。バンビのマネジメントのスキルを見てみたいという思いもあった。



バンビはわたしのアシスタント/ 2店舗のスーパーバイザーなので基本的にはわたしのいる場所にいるが、シフトが足りない時は各店舗をヘルプに行く。


ある日、バンビとマントヒヒが同じ店舗のシフトに入っていて、いつもは個人プレー炸裂のマントヒヒがなんとなくバンビの尻に敷かれているように見えた。
自分から進んで掃除したりしないマントヒヒがバンビの指示により店内を綺麗に整えている。奇跡的な光景だ。

やんちゃなマントヒヒはギャルなバンビの言うことは聞くのだ。
正直なんだかかわいいなと思った。

わたしは外部の関係者とのミーティングなどがあり別の場所へ行ったり、会食へ行ったり、子供のお迎えに行ったりするので閉店時間まで店舗にいないこともある。
その時期は特に日本からのお客様や海外からのお客様の対応などがあり午前中しか店舗にいられないこともあった。

朝、早朝からお店に行くとわたしの朝ごはんを用意してくれていたバンビが、

"ねえ猿、
なんかさ最近さ、私こっちの店舗にほぼいるじゃん?
毎日シフト終わったマントヒヒがここに顔出しにくるんだよね。

個人的なことにはほぼ返信してないんだけど、毎日遊びに行かない?ってWhatsAppでメッセージ来るんだよね。
なんかリスはマントヒヒは私のことが好きだとか言ってた。"


と話してきた。

"Oh really????
でもわたしから見てもなんかそんな感じに見えるわ、
毎日あなたに会いにくるとか相当だねw"

とわたしが言ったら

"はは、
まあそうだとしてもわたしは相手にするつもりなんかないけどね、マントヒヒは子供すぎるし"


とギャルは返してきた。
対応がやはり彼女はギャルっぽいなと思った。

アイドルグループでもあるまいし、
私たちの会社には同じ会社のスタッフ同士で恋愛するな、とかいうルールはもちろんない。
エモーショナルな感情を仕事場にあまり持ち込まないでほしいが、しっかりと仕事をしてくれたら何も問題ない。

2人ともなんだかんだ言って楽しそうじゃん、若いわ、
と思って軽く流していたわたしだが、この後起きるマントヒヒの恋の結末がどんな悲しいものかなど想像すらもしなかった。


続く。


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