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コロンビア大学スポーツ経営学修士課授業終了!~振り返り⇒決意~

最近スポーツビジネスの事や、米国でのスポーツトレンドに関する記事のみを書いていた為、あまりコロンビア大学での勉強内容や、そもそもの留学理由について触れる事はなかったですが、先日の最後の試験を終え無事同大学での学問を終了する事ができた事、こちらに報告させて下さい。

特に18年中盤にスポヲタ株式会社を立ち上げてからは、ビジネスと学業を両立させる必要が出て来た事から、色々と難しいこともありましたが、今となっては良い思い出となっています。
元々同大へは、スポーツビジネスの世界で起業し、目に見えるインパクトを残せる人間になりたいとの目標で留学しました。また、同目的達成のため、①スポーツビジネス全般概要の理解、②スポーツビジネス界でのネットワーク構築、そして、地の利を生かした③現地でのビジネス機会創出を留学中に実現したいと考えていました。結論からすると、コロンビア大への留学はその全てを実現させてくれる、最高のものでした。

今回はその纏めとして、17年9月の入学から現在までで同大でのどの学び・出会いが最も印象に残っているか、何が最も役立ったかを纏めると共に、今後のスポヲタ社での目標も合わせて触れられればと思います。

1) スポーツビジネス全般概要の学び~デジタルメディア~

渡米前、僕は卒業後スポーツ領域で起業することは頭に決めていたものの、日本でのスポーツビジネスしか基本知らなかったために自分の中での起業アイデアは、スポーツイベントを取り仕切る事や、スポーツライターになる事等、日本にあるビジネス領域の中での発想しかありませんでした。

その中、米国スポーツ界のスケールの大きさを目の当たりにし、それらに刺激を受けながら学問に励むと共に、渡米前に目標にしていたスポーツビジネス全般をある一定程度は学問の中で吸収できたかと思います。スポーツに特化したファイナンスであったり、同法律、同スポンサリング等は渡米前全く分からなかった分野だったので、本当に参考になりました。

ただ、その中で何が最も印象に残ったかというと、やはり米国におけるデジルメディアの進化と、ポテンシャルでした。


日本だと2018年現在でもまだ「デジタルメディア」という単語が馴染みあるようで、馴染み薄い存在ですが、米国スポーツシーンでは物凄い存在感を出しています。
面白い数字を紹介すると、先ず①17年度のコア視聴者層における米国視聴率ランキングトップ10の内9個がスポーツ試合と日本では考えられない実態となっています。

上記もすごいのですが、もっと驚きなのは、②スポーツ試合のTVでの総視聴時間数よりも、ソーシャルメディア等を通じた各試合・シーンのハイライト動画の視聴時間数の方が多いという点です。
日本ではTVでのスポーツ放映が少ないとスポーツファンからは叫ばれていますが、そもそも時代の流れ的に試合時間の長いスポーツコンテンツを一試合丸ごと視聴するのは時代に合わなくなってきているので、だったらハイライト動画作成⇒デジタルメディアで公開といった方向に移行すればよいのではと思えるようにもなりました。
特に最近はUGC(User Generated Contents:一般人投稿型コンテンツ)をベースとしたスポーツメディア媒体の進化が凄く、これにより普段カバーされなかったニッチスポーツや、ユース層の好プレーなども広くカバーされるようになりました。

この様な実態をコロンビア大にて学べたことは、本当に役立っており、こういった気づきがあったからこそ、今はハイライト制作にテクノロジーの力を絡めた領域もビジネスで取り扱うようになりました。

2)スポーツ界でのネットワーク構築~世界的なスポーツパーソナリティーとの出会い~

こちらは、米国でお世話になった皆さまに感謝でしかないのですが、ご縁あって日米問わずスポーツ界のトップ選手・パーソナリティー・ビジネスパーソンと数多くお会いさせていただけ、これまで見る事の出来なかった一流選手・パーソナリティー目線でのスポーツを垣間見る事が出来ました。

また米国で活躍する素敵な日本人スポーツビジネスパーソンにも出会う事ができ、その多くの方に今助けられている事から、本当に皆さまに出会えたことは感謝でしかないです。

(上写真:NBAコミッショナーアダムシルバー氏と)

これはコロンビア大学が直接恩恵をもたらしたものでは無いですが、NYCというスポーツビジネス・人材が一堂に集まる環境に身を置けたことから、斯様なご縁があったと思います。

中でも最も印象深いのは、昨年初旬にNBAで活躍し、唯一の台湾系米国人であるジェレミー・リン選手と対面できたことです。彼を見てNBA・バスケビジネスについて何か刺激を受けたというより、彼と話し、彼がESPORTS (League of Legends)を大好きであり、かなり上手である事を知り、それまで(失礼ながら)自分とは遠い存在と感じていた「ゲーム(esports)」が実はそうでなく、本当にある種のスポーツなのではと考えが改まった事が印象に残っています。

(上写真:NBA選手のジェレミー・リン選手と)

特に日本は世界で3番目に多いesports市場(プレイヤー数他)ながら、その市場が未開拓であり、まだ偏見が残る領域である事から、そのイメージ変革・市場開拓を今後積極的に行っていきたいと今強く思います。

ご参考まで、以下テトリス世界大会の映像を見れば、eSports選手のスキルの高さ、またその人間離れした能力を垣間見る事ができるかと。

3)現地でのビジネス機会創出 ~大学アスレチック部門のインターン⇒スポヲタ社設立~

自分は最終的にコロンビア大の「スポーツ経営学」という比較的ニッチな学問を選び進学する事にしたのですが、実はその前に転職、MBA受験等も考えていました。受験の際、多くの方からスポーツビジネスだとお金を稼げないといった点や、日本人で米国のスポーツビジネスに携わる(雇われる)のは無謀に近いという声を多く聞き、スポーツビジネス一本に絞るのでなく、他の就労オプションを残せる選択肢を取ろうかと正直に考えていました。(そもそも前職(総合商社)を辞める事も馬鹿げているという声も多くありましたが。。)

ただ、最後は人生一度しかない事や、自分がADHD体質(好きなものは集中できるが、興味薄いものには全く集中できない)であるために好きな分野で以外は頑張れないだろうとの仮説の下、スポーツ経営学という学問をチョイスしました。これは皆に当てはまるとは思いませんが、自分にとってはある意味他のオプションが目に入らない環境に身を置いたことで、良い意味で選択が狭められ、結果的にスポーツ領域で仕事を探さざるを得なくなったことから、狭く・深い知見・体験をつける・できる事ができ、それが今の自分を作ってくれたなと思っています。

<スポーツビジネス実務初期>
初めてのスポーツ領域でのビジネスは、入学後最初の2学期間携わっていたコロンビア大アスレチック部門(体育会統括ビジネス部門)でのマーケティング・インターンでした。タイトルからは想像がつかないかもしれませんが、実態はマスコットの案内、照明の調整、席の事前準備など、人生で一度も経験したことが無いと言えるくらいの「超」がつくほどの雑用の連続でした。
ただ、その経験を通じて今となってはクライアントであるテクノロジー企業とも出会えましたし、そこでアメフト・バスケ両チームのマーケ方法を考案し、その内容を認めていただけたことから実際にそれらを採用してもらったり、その信頼から思いがけない人を紹介してくれたりと、予想しない形での発展も多く経験しました。このインターン経験を通じて、自分の座右の銘でもありますが、やはり何事も考えるよりまず行動だなと改めて痛感させられました。
(給与は半端ない低かったものの、自分の将来進みたい道(スポーツビジネス)と関係深い領域だった事から、自然と雑用でも頑張れた、また「興味」の観点から出会いも多かったのだと思います。本当に「パッション」「興味」がもたらす力は凄いです。)

(上写真:NYCのタイムズスクエアで、マスコット共にアメフトの試合のPRを!)

また、地元の恵まれない中高生を対象としたラクロスプログラムにボランティアでコーチとして参加し、同プログラムを通じて生徒の成績が上がっていく模様、また明るくなっていく姿を見る事でき、改めてスポーツの持つポテンシャルにも気付く事が出来ました。

(上写真:ハーレム地区の貧困層でのラクロスボランティアプログラムでの一枚)

そんなこんなで様々なビジネス経験をしてきた中で、やはり自分自身がスポーツが大好きであり、スポーツの持つ力が無限大という事をビジネスを通じて実感できたことから、その領域で絶対に事業を起こそうと決意し、デジタル・テクノロジー分野に注力するスポヲタ株式会社を昨年NYC・日本に設立させていただきました。

同社では現在、欧米の最先端スポーツテクノロジーのライセンシングから一部開発を行っており、テクノロジーの力を活用して日本のスポーツシーンをより「わくわく」できるよう取り組んでおります。

~最後に~

留学前・留学当初は正直にお金の事や、キャリア(本当に仕事を作れるのか)等不安が強かったですが、コロンビア大での授業を終えて振り返ると、この決断・アクションは本当に良かったなと思いますし、もし将来何か自分の夢実現の為に斯様なアクションをとられたい方がいましたら、是非全力サポート・応援できればと思っています。

最後になりますが、留学前・中に多大なるサポートをしてくだった皆さま、本当にありがとうございました。これからは実業にて、この恩を形にして返していければと思います。

2019年1月1日
家徳"ゆたか”悠介


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