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ぽろぽろ

足元には小さくて黄色い花が咲いている。あぁこの花なんて言うんだっけ。わたしは頭の片隅でこの小さな花のことを考えていた。彼女はその間も昨日あった取り止めのないことを話し続ける。1組の担任の先生が面白いとか、天文学部に体験入部に行ったとか、そんなことだったように思う。わたしはうまく頭の片隅から黄色い花を追い出すことができず、彼女の話はぽろぽろと零れ落ちていくばかりだった。
それでも彼女は気にする様子もなく喋り続け、笑顔を振りまいている。

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