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禁酒で人生が変わった話

2020年5月から禁酒をしている。もう1年以上も飲んでいないと話すとそれまでの私を知っている人はとても驚く。

お酒を飲みだしたのは20年以上も前。私の人生はお酒はつきものだった。どこに行っても必ずそこにはお酒があった。反対にお酒が無かったことを思い出すほうが難しい。

飲みすぎて失敗したことは数え切れないほどある。

終電で寝過ごして起こされると遠い山の麓だったこと。
出張の帰りの飛行機に間に合わなかったこと。
友人と行った2泊3日の海外旅行で、ほぼ全て記憶が無いこと。

二日酔いで目覚めた朝「もうお酒はやめよう」と何度思ったことか。そしてついにそれを達成し、飲まなくなった今、生活がどうなったか整理しておきたいと思う。

■ お酒をやめて得たもの

まず第一に仕事の生産性。

これまでも生産性は意識していたが、それがさらに爆発的に上がった。寝起きから頭がスッキリしていてスタートダッシュを切ることができる。その勢いで2~3時間も集中力が続けばこれまで1日かかっていた仕事が終わってしまうこともある。

寝るのが早くなり、起きるものも早くなった。結果的に家族が起きる時間にはその日の仕事が終わっていることすらある。自分でもびっくりだ。

次にお酒にまつわる心配をしないですむようになった。

例えば家族で旅行する際に、運転手の私は泊りがけでないと飲むことが出来ないので旅行と言えば泊まりが前提だった。しかし今では車で日帰り旅行ができる。飛行機や新幹線ではトイレに行けるように必ず通路側だったのが窓際でも問題ない。

怪我の手術で3日間入院したときも禁酒していなかったらお酒を我慢するのがとても大変だったと思う。

そしてお金。

飲んでいた頃は終電までに帰ることはほとんどなく、ほぼ毎回タクシーで帰宅。友人からはタクシー代だけで家が建つとも言われていた。私もそう思う。

■ 一番重要だと感じたのが記憶

最近気づいたのが、お酒を飲みながら観た映画のほとんどをまともに覚えていないこと。もちろん時間が経ったせいもあると思うが、酔っ払って観た映画は記憶に残っていなかった。飲みに行ったことは覚えていても、何を話していたのかは覚えていないことのほうが多い。旅行中も飲むことが多かったのでその記憶がかなり薄い。

つまり酔っ払っていた時の記憶はあやふやだし、取り出すことがほぼ出来ない。しかし今ではそんなことは起こらず日々の記憶がしっかり残っていくことを実感している。

■ 反対にお酒をやめて失ったもの

お酒をやめて最初に思ったのが、居酒屋に行くことが皆無になったこと。妻は元々飲まないがよく2人で居酒屋に行った。その雰囲気も豊富なおつまみの種類も好きだった。

しかし今ではお酒を注文しないのは気が引けてしまって、あれほど頻繁に通っていた居酒屋に全然いかなくなってしまった。

友人、知人に会う機会もほぼなくなった。コロナ禍なのでそもそも機会は減っていたこともあるが、週7日、ほぼ 毎日飲んでいた私が飲まなくなった話を知っていれば飲みに行こうと誘われることは今後も無いだろうと思う。

お酒を飲んでいた時にふわーっと感じていたあの幸せな時間は完全に失った。あの時間は今では夢だったと思っている。

旅先で居酒屋を探したり、最初のグラスが運ばれてきて乾杯をして、そのあとその場の空気がだんだんと温まっていくあの感じ。あれはもう無いんだろうな、と思うとちょっと寂しい気持ちはある。

お酒を飲んでいたときは失敗も多く、記憶に残っていることも少ないけど、あれはあれでとても大切な時間だったと思う。しかし今後お酒を飲むことはもう無いだろう。それくらいお酒の無い生活が私には合っているからだ。

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