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種から始める🍎栽培1:種から芽出しを行い、鉢へ

2年前、父の跡を継いだ兼業米農家な私ですが、この度りんごを種から育てる試みを始めました🌱

なぜ兼業米農家が、りんごの種を育てるのか?

以前から私の記事を読んでくださっている方であっても、今回初めて知ってくださった方でも、『なぜ兼業米農家の人が、りんごの種を育てるの?』とという至極真っ当な質問が思い浮かぶかと思います。

色々と紆余曲折を経ての取り組みになるのですが、きっかけは京都のNPOで活動していた私がある日、三重県伊賀市の実家の父の跡を継いで米づくりを始めたことです。

父の跡を継いで米づくりを始めたことは、田舎の長男として生まれていた私にとっては、それまでの人生をひっくり返すような大きな出来事でありました。

一家の大黒柱の跡継ぎという期待の中で家族に向き合うこと、故郷の田舎である三重県伊賀市が置かれている環境や状況、継いだは良いものの米づくりを取り巻く現在、限界集落化する生まれ育った集落の未来、米づくりをはじめとする農業の未来と環境問題……

そういったものに取り組み、向き合う中で私は、食の現実に触れることの大切さ、食を生み出す人の知恵、自然の営みの尊さといったものに触れることになります。

また、様々な要因から、「これまでの父や祖父たちが行ってきたやり方をそのまま実践することの限界」も痛感し、先代や先祖が行ってきたやり方を包摂する、新たな兼業米農家のあり方を探究・実践していこうと考えました。

自然農法をベースに極力、化学肥料を使わず、人による介入を減らした上で育てる畑づくり、村づくりの取り組みに仲間と挑戦してみたり、

🌾"雨水のみの陸稲"の美味しさと"土中環境が良くなるJUNKAN家づくり"🌾...

Posted by Shiro Yoshihara on Friday, January 21, 2022

たとえ田んぼがなくとも、誰でも始められる米づくりの一例として、バケツ稲というやり方で、『ハッピーヒル』という珍しい品種の米づくりにチャレンジしてみたり、

作物を育む生態系全体の有機的な繋がりや循環について学ぶため、屋久島へフィールドワークに出かけて山と森と川と海の営みについて学んでみたり、

いくつもの挑戦を経て、『自分は、将来世代に豊かな自然環境、精神的な拠り所を遺していきたい。そのために木を植え、森を育てていこう』と考えるようになりました。

このプロセスについては、私自身がこの数年間を振り返るためにも、また詳しく書いていきたいと思うのですが、今回のりんごを種から育てる試みもこのような流れの中で始まりました。

米を育て始めたように、自分が食べて美味しいと感じるものは、自分で育ててみよう』『自分がたとえいなくなったとしても、育てた木が将来世代を楽しませたり、見守ってくれる。そんな未来を願って、種から木を育ててみよう』という思いからです。

それでは、そんな第一歩のりんご🍎栽培はどのように進んでいったのか、以下をご覧ください。

種取りから芽出し🌱、鉢への植え替えまで

昔からりんごは好きな食べ物でしたが、いざ種から育てようとなると、扱い方は異なります。

まずは、りんごの芯付近にある種を取り出し、ジップロックとティッシュを準備します。

濡らしたティッシュの上に取り出した種を置き、さらにジップロックの中へ。この時、ジップロックは種の呼吸のため、密閉せずにおきます。
こうしておくと、種が湿度を保ったまま、発芽の準備を始めることができます。

今回、実際にこれを始めたのは1月の寒い時期でしたが、2週間〜4週間ほど経った頃、上の図のように芽が出てきました。(ちなみに、りんごは長野県産サンふじという種類だそうです。近所のスーパーで購入しました)

その後も、しばらく種から出た芽が育つのを待ち続けていると、芽が波打つように曲線を描いて伸びてきました。

さすがにこれだけ伸びてくると土に入れてあげたほうが良いだろう、と考え、鉢やポットを準備して蒔いてあげることにしました。(土はホームセンターで購入した、市販の土です)

種を土に蒔いてあげるときに、土は目一杯まで鉢やポットに盛り、その中央に親指大の穴を深さ1cm程度に掘り、そこに種を埋めてあげます。

根がきっちり土に張れるよう、土を被せた後、軽くグッと押してあげました。

最後、拾ってきた落ち葉を土の上に被せた後、雨や風が吹き込むベランダに置き、様子を見守ります。

冬の間に鉢やポットに仕込んだ種の成長を、1ヶ月ほど待った頃でしょうか。ついに、土の中から芽を出してきてくれました!

あまりにも土が乾燥してしまっていたら、時々水をあげる(5日に1回程度)等はしていましたが、途中雨が降って水やりになっていたりと、ほとんど自然に任せっきりの感覚でした。

自分も『あぁ、また水やりしなきゃ』といった負担も感じることなく見守ることができていたので、この双葉を見られた時は嬉しかったです。

ただ、一工夫加えたことがあるとしたら、納豆のパックを洗った汁を、水やりする際に鉢やポットにあげていたこと、かもしれません。

あくまで聞き齧った程度のアイデアですが、納豆に含まれる菌は植物の病気をもたらす菌を抑制し、健康に保ってくれる、といった話を聞いていたので、それを実践してみました。

他の鉢でも、土の中から芽を出そうと準備をしている様子が見えます。

現在、我が家のベランダ菜園はこのような形になりました。

今後もうまくいけば、続々と鉢から芽が出てきてくれるはずです!

当面の目標は、1メートル以上の苗木になるまでの見守りですが、本格的な春を迎えて、どのようにこの鉢やポットたちが変化していくのか、今から楽しみです🌱


サポート、コメント、リアクションその他様々な形の応援は、次の世代に豊かな生態系とコミュニティを遺す種々の活動に役立てていきたいと思います🌱