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無駄が産む

そういえばGoogle社には20%ルールがある。20%は本来の業務とは異なるものをやりなさい、というものだったはず。

働きアリとサボるアリは何故か80%と20%の比率になるという。じゃあその80%のエリート部隊だけにしたら100%中の100%、と本気を出した戸愚呂弟のようなチームになるかというと、そうでもない。不思議とまた80%と20%の比率になる。

さもありなん、という感じでもある。

リモートワークがメインになって随分と無駄な時間が減った。
喫茶店にサボりに行けないというのが、こんなにも辛いものだったのが身にしみる。
人に淹れてもらう珈琲が出てくるまで、読むともなく読んだ雑誌からアイディアを貰った事は数えきれない。

今日からマジで集中するぜ!と意気込んだ夏休みは、結局数日で息切れして8月31日にだけ泣きながら本気を出したのは夏休みの回数だけある気がする。
独立した当初も起きて1秒で仕事を始めて、寝落ち寸前まで本気を出していたら、数ヶ月も立たないうちに思考はショートした。
1日に8時間楽器を練習していた時期もあるが、今にして思えば薄まった時間を投下した割には大して上達していなかった。
身に付けたのは「長時間練習する事に耐える」という、あまり役に立たない根性だけだった気がする。

確かに、今までどこかで行き詰まったときは、ガチガチにスケジュールを組み込んでいた。
笑い話のようでもあるけど、アミノ酸の構造式を常に頭に叩き込みながら通学していたこともあるし、分厚い辞典みたいな教科書を全部暗記すればいいんじゃねと、東北本線でひたすら写経していたこともある。もちろん、頭のレベルは全く変わらなかった。

うまい事できている。無駄を排除するあまり、結局何も生まれない。

ガリ勉になっても大した事はない。適度に遊んでいる運動部の方がテストの成績が良かったりするのは、こういう事だったのか。

無駄という余白が大切だという大義名分を手に入れた今、こうして無駄なものを書き散らかしている。

さて、あと5時間で締め切りが3本。困ったものだ。

#エッセイ #ほぐすヒント

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