見所はトニー・レオンじゃない。中国スパイ・ノアール『無名』の魅力を語りたい
巧妙に仕組まれた伏線が観客を心理戦に巻き込む 今日5月3日に『無名』の日本上映が始まった。日中戦争におけるスパイたちの心理戦を描いた本作。観客を何度もだます作り込まれた仕掛けが凄まじい。
まず驚いたのは、冒頭のシーンが“始まり”ではないこと。ある意味では始まりとも言えるが、とにかく観て確かめてほしい。
時間軸が複雑に絡み合っていて、ストーリーが進むにつれて伏線が回収されていく。と思ったら、実はそれが新たな伏線で。生きるか死ぬかの戦いの中、スパイたちが命をかけて騙し合う。観