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自分の服装に、自分で点数をつけられるか?

先日、CULTIBASE Lab「問いのデザインゼミ」コルクの佐渡島庸平さんにゲストにお越しいただき、「個の創造性を解き放つ問いのデザイン」というテーマで対談させていただきました。

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これまで「問いのデザイン」というと、組織の問題解決やチームコミュニケーションなどファシリテーション場面にに着目して探究してきました。

しかし問いは他者に投げかけるばかりでなく、常に自分自身の思考の背後に存在しているものでもあります。問いに自覚的に向き合うこともあれば、"見えざる問い"が無意識のうちに影響を与えることもあるでしょう。

チームや組織と同様に、頭の中に掲げる問いの質によって、自分自身にパフォーマンスや創造性も大きく左右されるのではないか。そんな問題意識から、クリエイターエージェンシーの代表を務めるコルクの佐渡島さんにお話を伺ったのです。

対談の様子は、CULTIBASEのYoutubeチャンネルで動画で公開しています。

自分の服装に、自分で点数をつけられるか?

個人的にいくつも発見がありましたが、佐渡島さんからの「自分の服装に、自分で点数をつけられるか?」という問いかけが、特に印象的でした。

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新人漫画家がなかなかアウトプットが出せない悪循環に陥るとき、多くの場合、「何を描けば正解なのか」「このアウトプットは面白いのか」「どうすれば売れるのか」と自身のアウトプットの評価基準を外側に求めてしまうのだそうです。

これは企業のイノベーションプロジェクトにおいても同様です。かねてから安斎もそうした状況を「正解探しの病い」として指摘していますが、唯一の答えなどない創造的な領域において、自信のなさゆえに、あるはずのない正解を外部から探そうとしてしまうことで、プロジェクトの手触りが失われていく現象です。

この悪循環から脱却するには、佐渡島さん曰く「自分が着ている服」や「今日食べた朝ごはん」について、誰かから評価してもらうのではなく、自分で評価できるようになることである、というのです。これは簡単なことではありませんが、個の創造性の本質を表した指摘だと共感しました。

他者のジャッジを封印する問いかけ

答えのない領域でのパフォーマンスを阻害する要因は、他者に対する評価の懸念だとも言い換えることができます。

勝手に「自分のパフォーマンスにジャッジを下す他者」を想像し、その他者の目線を遅れて、「頭のなかにあるアウトプットの断片」を世に出すことを躊躇してしまう。

その時に「アウトプットをお蔵入りにさせる問い」は、「これは面白いんだろうか」「これでよいのだろうか」「これはウケるのだろうか」と、他者視点のジャッジを探索する問いたちでしょう。

まずはこれらを封印し、問いの主語を変えて、「このアウトプットは自分にとって何点なのか」「あと5点あげるにはどうすればいいか?」「自分はなぜこのアウトプットを出したいのか」などと、自分の視点からアウトプットを吟味して育てるための問いを自分に投げかけること。

"個の創造性を解き放つ問いのデザイン"という意味では、これが一番大事なのではないかと個人的に思いました。

アウトプットをお蔵入りにさせる問い
例:これは面白いんだろうか?
例:これでよいのだろうか?
例:これはウケるのだろうか? など

アウトプットを自己吟味して育てる問い
例:このアウトプットは自分にとって何点なのか?
例:あと5点あげるにはどうすればいいか?
例:自分はなぜこのアウトプットを出したいのか?  など

CULTIBASE Labのメンバーの皆さんは、対談の始終をアーカイブ動画でご視聴いただけます。この回は「神回」と好評だったので、是非この機会にご入会ください!

ご入会いただくと、このようなテーマゼミのライブ配信に参加し放題であるほか、過去の動画アーカイブもすべてご視聴いただけます。


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