真冬のセレナーデ

言いたいけど、言えない。
想ってるけど、言えない。
感じたけど、言えない。
僕にとって日常茶飯事。


約3ヶ月前にMV撮影のお話をいただいて
夜の静かな時間に曲を聴いて
構成を考えた。
歌詞に沿うのか、沿わないのか
登場人物は何人なのか。
どんな物語にするのか。
少しの疑問点と共に明け方を迎えた。

今回監督した楽曲の主人公は「恋仲のふたり」
決して付き合ってるわけではない。
仲は良いはずはのに、恋仲という関係が邪魔をして
自分の気持ちを相手に言えない。

「なんか高校生の時の恋愛に似てるな」なんて思いながら
曲に出てくる登場人物の冬の恋愛が脳内で繰り広げられていた。

最初は数人だった疑問点が数十人になった頃。
「恋仲」ってどこからが恋仲なのか?という疑問点に時間を拘束された。

好き同士だけど付き合っていなかったら恋仲なのか。
付き合ってしまったら恋仲ではないのか。
例えば、結婚している人を好きになったとして不倫関係になったとしても
それは恋仲なのか?
恋仲の関係について自分なりに考えた。

「恋仲」って便利な言葉だなと思う。

そんなことを考えていたら、恋仲の共通点みたいなものが
見えてきた気がした。
彼ら彼女らは「責任のない好き」という気持ちが先行している。

今回の楽曲の構成で言うと
「若さが故に責任がとれない。
 気持ちをなかなか伝えられないふたりの関係」で
物語を紡ごうと思った。

互いの言えない気持ちを表現するにはどうしたら良いか?

自分の気持ちを言えないでいると
コップにアルコールが注がれている感覚になる。
水でも薄まらない度数の高い液体にコップが支配される感じ。
その溢れる寸前のコップのような気持ちを表現するには?
言いたいけど言えないものを表現するには?

唯一言葉を超える表現方法。
ダンスしかないと思った。

真冬のセレナーデには「だけど手を繋いでいた」という歌詞がある。

お互いの気持ちを言えない男女の「手の中の世界」を
視覚的に描いて見たくなった。

12月31日
真冬のセレナーデ/パンツゴンザレス哲朗 MVが公開されます。
良かったら大切な人と一緒に見てください。


言いたいけど、言えない。
その答えはまだ見つからないみたいです。











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