『人質 韓国トップスター誘拐事件』と『誘拐捜査』
先日、韓国映画の『人質 韓国トップスター誘拐事件』と中国映画の『誘拐捜査』を観たのでそちらの感想を投稿いたします。
韓国映画らしさを押し出し、別物になった二作品
まず、最初に観たのは韓国映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』でした。なにせ、ファン・ジョンミンですからね。ただ、強引なところがあったり、何よりも警察が不甲斐なさ過ぎて、正直「ムムム」となってしまいました。途中から警察の不甲斐なさ大喜利かなと思うほど。まぁ警察が不甲斐ない分、ファン・ジョンミンの活躍が映えるわけではあるのですが…。
原案がアンディー・ラウ主演の中国映画『誘拐捜査』と知り、原案はどういう内容だったのだろうと思い、口コミなどを調べていました。刑事役に劉燁(リウ・イエ)という好きな俳優さんも出演していることも知り、口コミ評価は普通でしたが見てみることに。
こちらは実際に起きた呉若甫(ウー・ルオプー)という俳優さんの誘拐事件を基にしており、なんと呉若甫自身も本作に出演しております。実際に起きた事件を基にしているからこそ、事実とかけ離れた脚色ができないため、警察の捜査に主眼が置かれております。アンディ・ラウはファン・ジョンミンほど派手に活躍はしません。
納得感を求めるか、アクション感を求めるか
前述でも述べた通り中国の方と韓国の方では視点が異なるため、どちらが良い/悪いではないかなと思います。アクションとして見たいなら韓国の方、捜査物として見たいなら中国の方です。
犯人が韓国の方は韓国らしく、どっかいっちゃっているヤバい奴らなんですよね。人間らしさみたいなのがないというか…。それがファン・ジョンミンとの対比となり、ファン・ジョンミンの活躍が際立つわけです。
一方で中国の方は主犯格がへらへらした異常さは少し感じるものの、会話の端々に人間らしさみたいなものが見えます(それなのに平気で人を殺そうとするのは逆に怖いですけどね)。犯人グループのほかの人たちも人質と会話したりトランプしたりと、わいわい過ごしています。だからこそ、その隙を狙って銃を奪えないかと体を徐々に動かしたり、会話で犯人を懐柔しようとしたりと、アンディー・ラウの静かな戦いを楽しめます。人質側の描かれ方はそんな感じなので、アンディー・ラウが出ているからといってドンパチするアクションが期待できるわけではありません。
蛇足ですが、人質の拘束の仕方も犯人の拘束の仕方も厳重すぎて、ちょっとびっくりしました。
どちらも印象的でどっちもいいなと思ったのがラストの描かれ方です。韓国の方は韓国らしさが存分に出ているラストでした。中国の方は本当にあったことなので、呉若甫自身がこういうことをしたのだろうと思いますが心に残る終わり方でした。気になる方は両方見比べてみてください!
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