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第129回 挑戦とは、「理不尽とどう付き合うか」だ。「私は悪くない!」と自分の正当性を主張する“論破癖”がついてしまっている人は、生産活動からもっとも離れていると自覚せよ。

「論破するな。弱くなるぞ」…これが、ブロードウェイで地獄の挑戦真っ只中の、西野亮廣の生き様だ!

今日は【「論破」するな。弱くなるぞ】というテーマでお話ししたいと思います。


今、何か挑戦している人は、全員僕のサロンに入ってください


皆様は御存知だと思いますが、僕は「オンラインサロン」なるものをやっておりまして、日々の学びを2000〜3000字にまとめて、毎日更新しているんです。

一時期は、バッシングされまくったオンラインサロンですけども、今となっては、皆あたり前のようにやっていて、素敵なオンラインサロンや、学びになるオンラインサロンはたくさんあると思うのですが、これだけは胸を張って言えるのですが、今、僕のオンラインサロンが一番面白いと思います。

学びになるオンラインサロンは他にもあるかもしれませんが、今の僕のオンラインサロン以上に、桁違いの挑戦の裏側を晒しているオンラインサロンはありません。

今はブロードウェイ戦の裏側を事細かく晒しているのですが、ブロードウェイ戦は日々、状況が変わるので(天国から地獄へ一瞬で落ちるので)、Netflixで『ウォーキング・デッド』を観ているぐらいの食べ応えがあります。

経営者・個人事業主に限らず、今、何か挑戦している人は全員僕のサロンに入ってください。
そして、生死の境でドンパチやっている人間に刮目してください。

「自分もまぁまぁ地獄を歩いていると思ったら、自分よりも深い地獄を裸足で歩いているヤツがいるじゃん」と、きっと、励みになると思います。

論破合戦から生まれたものが、大きな価値を生むことはほとんどない


そんな西野から今日は「論破するな。弱くなるぞ」というお話をしたいと思います。
「お話をしたいと思います」も何も、伝えたいことは、この一言で伝え終えたのですが…この言葉を深掘りしたいと思います。

まず、大前提として「論破」というのは生産活動から最も離れたアプローチであるということ。
ここから話をスタートさせたいと思います。

たとえば、会議で自分が出した意見が通らなかった時に、やらなきゃいけないのは、「反対意見を出す相手を言いくるめること」ではなくて、自分が出した意見が「反論が出てしまう程度の意見であったこと」を受け止めること。

料理を出して、お客さんが唸らなかったら、それで負けなんですね。

そのあと、料理人が出てきて「この料理の何が凄いか?」を説いたところで無駄で、もっと言うと、根本が腐っているアイデアにどれだけ化粧したところで無駄で、正解は「及びませんでした。出直します」の1択です。

下手な会議を見ていると、意見を通すことが目的となり、後半は(企画の説明ではなくて)論破合戦になっていることがあったりするのですが、そんな会議から生まれた何かしらが、大きな価値を生むことはほとんどない。

例外もあるので「ほとんど」と言わせてください。

なので、僕は「論破」を面白がる人間とは距離をとるようにしているのですが、今日は、ここからもう少し進んだ話をしたいと思います。

求められるのは、「理不尽と戦う技術」ではなく「理不尽の中で戦う技術」


冒頭でブロードウェイの話をした理由をここで回収させていただくのですが、日本でもありますが、とくに海外で活動をしていると、ひっくり返るレベルの理不尽が頻繁にやってくるんです。

海外で暮らしている方ならもう何百回も経験されていると思います。

そういう理不尽を無くす為にクソ面倒臭い契約書を片っ端から読んで、サインをしたハズなのに、そんなのを軽々と飛び越えてくる理不尽がある。

ちなみに、僕の知り合いは車に轢かれて訴えられていました(笑)。

特に、「勝てば官軍、勝てば王様」で、日本のような奥ゆかしさなんて無くて、勝っているヤツ(プラットフォーマー)がメチャクチャな要求を突きつけてくることも日常茶飯事。

「いや、それは『やらない』って言う約束だったじゃないですか?」とどれだけ言っても無駄で、「文句があるなら出ていってください」といった感じでオラオラ・オブ・オラオラです。

こういう世界で弱いのは、「論破癖がついてしまっている人」なんです。

「私は悪くない!」と自分の正当性を主張する人です。

こんなことを言ったら元も子もないのですが、オラオラ仕掛けてくる人達も、「私は悪くない」と主張している人が悪いだなんて1ミリも思ってないんです。

たぶん、本当に“私”は悪くないんだと思います。

だけど、そういう話じゃないんです。

そこは善悪で動いている世界じゃなくて、理不尽がまかり通っている世界なので、そこには二種類の人間しかいないんです。

「理不尽と戦う人」か、「理不尽の中で戦う人」です。

後者は「理不尽を受け入れて、戦う人」ともいえますね。
そして、後者しか生き残れない。
これが現実です。

理不尽と戦えるのは、理不尽を仕掛けてくる相手が弱いコミュニティーだけです。
小さな会社の会議や、学校など。

ある一定のレベルを超えると、理不尽の中で戦うしかない。

繰り返しますが、その時に最も邪魔なのが論破癖です。

「私は合ってる!」「カクカクシカジカ、こういう理由で私は悪くない!」という。

競技がまったく違うんです。

「マラソンをやっているのに、ボディービルダーの筋肉つけてきちゃってる」みたいな話です。

「筋肉の大きさなら負けない!」と主張されても、「いやいや、これは筋肉のサイズを競う競技じゃないんだよ」という。

「正当性を主張する競技じゃないんだよ」という。

これは、ブロードウェイという超村社会だから余計に強く感じている部分もあると思いますが、でも、基本は、ある一定のレベルを越えたら求められるのは、「理不尽の中で戦う技術」です。

「理不尽と戦う技術」ではありません。

「論破に興じるのなら勝手にどうぞ」といったところですが、「その筋肉をつけたら、遠くまで走れないぞ」とだけ忠告しておきます。

西野亮廣

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