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インドの家族から受け取ったもの【インド旅行記3】

こんにちは!yukiです。

今回はインド旅行記の3回目です。

前々回から続いてきた
ホームステイのお話が、
今日でラストとなります。

田舎の家を出て、
今度は都会の家
泊めてもらうストーリー。

楽しんでいただけますように!


田舎で過ごしたあたたかい時間

アルパンの家を農地から見る

たまたま出会って家に誘っていただき、
ホームステイさせてもらった、
のどかな田園で暮らすアルパン一家。

ここを出たら大都市・コルカタに
行こうと思っていたところ、
アルパンが言いました。

「アルピタとアビシェクが、
 学校に行くための部屋を
 コルカタに借りてるから、
 そこに泊まったらいいよ!」

アルピタ(妹)もアビシェク(弟)も、
学校が休みで実家に帰っているのですが、
一緒にコルカタへ行ってくれると言うのです。

申し訳なくて止めたのですが、
もう決まったことのように話しているし、
アルパン自身も一緒に行くと言います。

「せっかくだし、
 一緒に観光もしようよ。
 コルカタでどこ行こうと思ってる?」

そこまで行く気満々だと、
断るのも逆に申し訳ない…

ということで、
お言葉に甘えることにしたのでした。

なんと、アルパンの友達・ビクラムまで
コルカタについてくることに!
申し訳ないけれど、嬉しいです。

お昼ごはんをご馳走になったあと、

「次のコルカタ行きの列車
 14時出発だから、そろそろ準備してね。」

とアルパンに言われ、
荷物をまとめていきます。

出発の支度を終えると、
近所の子どもたちが話しかけてきました。

「えー、もう行っちゃうの?」
「次いつ来るのー?」

可愛いなあ!

アルパン一家も、
昨日から「もっとここにいなよ」と
言ってくれていました。

本当のことを言うと、
もう少しここにいたいですが、
あまり迷惑かけるわけにもいかないし、
これからインドを回るのです。

先に進まないと!



田舎の皆さんと、
お別れのときが来ました。

アルパンと僕はバイクで駅に向かうので、
アルピタたち3人は、
先に駅に向かって歩きはじめます。

おばあちゃんが何か言い、
アルパンが翻訳してくれます。

「孫みたいな感じがしてるよ、
 いつでもまたおいで。
 だってさ!」
 
うわあ、嬉しい。

アルパンの家族と、近所の方々


「本当にありがとうございました!!」

バイクの後ろに座ります。

振り向くと、皆さん、
笑顔で手を振ってくれていました。

みんなも、元気に大きくなってね。

田舎の子どもたち


走り出したバイクは林を抜け、
駅に向かって走っていきます。

「ちょっと時間やばいかもね〜」

アルパンが、
焦る様子もなく言います。

お別れに時間がかかりすぎた汗

走っているとアルパンに
電話がかかってきました。

電話を終えたアルパンが、
笑って言います。

「アハハ、列車来ちゃったみたい!
 3人は先に乗ってコルカタ行ってるって。
 まあ、次が来るから問題ないよ。」

逃してしまった、、すみません!



駅前にはズラッとバイクが駐車されていて、
そこにアルパンも駐車し、
駅のホームへ向かいます。

「次の列車は…と。
 うん、1時間後だね。
 ピーナッツでも食べる?」

煎りたてのピーナッツを買って、
分けてくれました。

熱々!美味しい!


明るい陽のさすホームで、
おしゃべりしながら列車を待ちます。


これから長い旅になる予定でした。
インドの旅を終えたら中東へ。
そこからアフリカを縦断し、
最後は南米の最南端へ。

地球をぐるりと回って日本に帰る、
300日以上の長旅です。

アルパンは言います。

「長旅の最初に出会えて良かったよ。
 これからどうなるか、僕も楽しみ!
 Facebookに写真載せてよね。」

「うん、楽しみにしてて!」

ちなみにアルパンは、
前の仕事をやめたばかりで、職探し中。
何しようかなーって悩んでました。



定刻通り電車が来て乗り込み、
ボックス席に2人で座ります。

インドの列車は、賑やかです。

「チャーイ、チャーイ」
と言いながら車内を巡るチャイ売り、
楽器を演奏してチップを稼ぐ人、
生活消耗品の売り子…

アルパンが、売り子の少年から、
輪切りの野菜を買いました。

「これ、試してみてよ。」

「なにこれ?」

「ショウガ!」

「このまま食べるの?!」

口に入れると…酸っぱすぎ!
酢にでも漬けてるのか?
酸っぱ辛い!!

「身体にいいんだよ」

と、アルパンは平気で
ぱくぱく食べています笑


やがて列車はコルカタに着き、
兄弟の家に向かいました。

閑静でローカルな地区を歩き、
アパートに到着。

辺りはもう薄暗くなっていました。

アルパンの兄弟のアパート

ノックすると、3人が出てきます。

「ごめん、
 僕のせいで乗り遅れちゃった!」

「ぜんぜん!
 これから観光行く?
 近いところならまだ行けるよ」

ちょっと相談して、
カーリー寺院というところへ
行ってみることに。

名前の通り、
ヒンドゥー教の女神・カーリー
祀っている寺院です。

カーリーの写真
右がカーリー。(※フリー画像です)


カーリーは、
破壊神・シヴァの妻で、
血と殺しを好む女神

殺した敵をアクセサリにしちゃう、
恐ろしい女神なのです汗

悪魔と闘ってくれること、
破壊と誕生は対であることから、
人気の高い神様なのだそう。

そのため、コルカタのカーリー寺院では、
毎日ヤギが生贄に捧げられています。
(生きたまま首を切り落とす儀式)



私たちが行った夜には、
もう生贄の儀式は終わっていました。

しかし寺院への入場は制限が多く、
撮影禁止、土足禁止、荷物禁止

入り口で全て預けて、中に入ります。

冷たい蛍光灯に照らされた寺院の中では、
カーリー像に向かって並ぶ人々が、
大きな声で歌っていました

「アルパン、
 何の歌だか分かる?」

「んー、これは宗教用語っぽい…
 ちょっと僕もわからない!」


カーリーの像の前では、
皆、自らを捧げるかのように
身を投げだして祈っています。

響きわたる歌声、
全身全霊で祈る人々…
なんて信仰の強さ。

アルパンたちは、
普通な感じで祈ってましたが笑

寺院を出て家の近くまで戻ると、
もう22時を回っていました。

屋台でご飯を待つ

近所の屋台でサッと夕飯を済ませ、
家に帰ります。

アルピタとアビシェクが借りているのは、
1DKのお部屋。

高校生で姉弟で住むなんて、
仲良しだし、自立してますね!

マットレスが足りないので、
僕はトレッキング用に持ってきた
エアマットを敷きました。

薄暗いなかゴロゴロしながら
おしゃべりしていると、

アルパンが、

「なんか青春だね…!」

って言います。

うん、ほんとにね。

だんだん眠くなってきて、
いつしか、ぐっすり寝ていたのでした。

アルパンたちとの別れ


翌朝。

目を覚ますと、
窓から明るい光がさしていました。

しばらくぼんやりしていると、
みんなもノソっと起き出します。

アルパンと会って3日目、
今日がお別れの日。

僕は午後から、
旅行中で偶然コルカタにいる
大学の先輩と会う予定でした。

アルパンは、

「午前のうちに、
 yukiの今晩の宿を見つけて、
 ちょっと観光もしよう!」

と言います。

最後の最後までありがとう…!



宿が集まる地区に連れて行ってくれ、
値引き交渉までしてくれたので、
僕は何もしていません…汗

思えばこの3日間、
僕は皆のためのおやつや自分の水しか
お金を払っていない。

ご飯も移動も、
全て出してくれた
のでした。

「日本で働いてお金貯めてきてるし、
 自分で払うから大丈夫だよ!」

と言っても、

「いやいや、お客さんだから」

と譲ってくれなかったのです。



そして、とうとうお別れの時

今日これからどうするの?と聞くと、
みんな田舎に戻る、と言います。

本当にこのために来てくれたんだ、
と実感してじーんとしてきました。

「何と言ったらいいか…
 出会えて良かった、本当にありがとう。
 日本に遊びに来てね!
 今度は僕が案内するからさ!」

「こちらこそ!楽しかったよ。
 また僕の家にも遊びに来てね!
 これからの旅の写真、楽しみにしてるよ。
 気をつけて良い旅を!」

ハグして、手を振って別れます。

アルパンたちの姿は、
多くの人が行き交うコルカタの雑踏で
見えなくなっていきました。



受け取ったのは、
とても大きな無償の優しさ。

僕も、
この優しさを誰かに回していこうと
強く思ったのでした。



最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは今日も良い1日を!



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