ワタシ120歳まで生きる予定ですガンバリマス
いつかのあの日、泣いているワタシの手を小さな手で精一杯にぎりしめてくれた。
いつもの母親のイライラの八つ当たりがワタシへとむいた。家族皆でテレビを観ているとき急にそれはやってきた。誰が悪いわけでもない、誰かが母親に何か言ったわけでもなくだ。
「なんでいつもワタシなんだ。」
怒りよりも悲しくなりその場から逃げた。階段を勢いよく駆け上がり自分の部屋に入った。どうしようもできないこの環境に涙が出てくる。ベットの上でひとり泣いた。
トン、トン、トントン
誰かが階段をのぼってきた。足音でわかる。昔ながらの急斜面の階段を小さなちいさなからだでよじのぼってきたのは2歳のおいっこだった。
泣いているワタシの横へちょこんとすわる。顔をのぞきこんできた。と同時にぎゅーっとワタシの手をにぎってくれた。それから数分、なにも言わずにふたりでならんで座っていた。
母親以外に父と姉がいたあの場面で、泣いているワタシに寄り添ってくれたのは2歳のおいっこだった。
ワタシは決めている。おいっこを泣かすようなヤツがいたら泣かし返してやる、と
そんなワタシの手を精一杯ぎゅっとしてくれた小さな手は、今ではワタシの愛車をブンブンと軽快に走らせている。ハンドルを握る手は随分と頼もしくなった。
ワタシは◯◯(おいっこ)が結婚するまでにたくさんお金を使ってあげるんだぁ
結婚したらおいっこではなく家族(配偶者やこども)に搾取されるかもしれないでしょ〜
と姉に言ったことがある
「それじゃ、長生きしてね。結婚はしないらしいから。」
わかった、ワタシ120歳まで生きる。ガンバリマス。
人生100年時代、おいっこより長生きしたいと本気で思っている。そんなワタシをおっとさんは「大丈夫!ゆっちゃんは長生きする。ボクはわかるから。」と言っている。
そういえばおっとさんに「ボクより先に死なないでね。」と、老後の話になったときに真顔で言われたことを思い出した。
どうやらワタシはやはり120歳まで生きる予定です。ガンバリマス。
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