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「最近うまくいってないね。」

連勤続きの夫と、休職中の私。
疲れを解消したい夫と、
新しい処方薬との付き合い方に四苦八苦の私。

何がきっかけだったのか、
もう、すっかり、さっぱり忘れてしまったけれど、

「私たち、最近うまくいってないね。」

「そうだね。」


同じ屋根の下、共に暮らす為の配慮が、
ぼんやりとしてきていた最中、
突然こぼれ落ちてしまった言葉。


互いに、疲れていると態度に出てしまい、
わかっているのに、
問題から目を背けがちになってしまう。

でも、そうしたことの積み重ねが、
読みかけの雑誌や新聞紙の束のように蓄積して、
岩のように重たくて持ち上がらなくなる。

軋んだ歯車のように、
アブラをささないとギコギコいい始める。


どちらの方が悪いとか、
どちらの方が良いとか、ではない。

「ちょっと車で出かけてくる。」

「うん。私は家で本読んでる。」


そして和解する。

そんな日常がたまにある。

たまにあるから、その時々で各自考える。
(どうするのがいいのか。)
(なにがいけなかったのか。)

考え続けて言葉にして、
或いは行動にして、守っていく関係。
それが、多分夫婦。

夫婦になって半年以上経つ。

仲良く歩くおじいさんとおばあさんを見ると、
つい、見てしまう。

「その関係性の秘訣は何ですか?」

この街には秘訣を持っていそうなペアが、沢山いる。
後ろ姿を見ながら、
心の中でそう唱えている自分がいる。

「最近うまくいってないね。」
に対する答えの擦り合わせを、する日々。

この記事は、
「#あの会話をきっかけに」の企画に参加しています。

とい。