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猫が鳴いてら…

朝7時、ぼうっとした頭に、遠くから猫の「なぉん、なぉーーん、なぉん!!」という声が響いた。何回か聞くうちに、これはただ事ではないと、跳ね起きた。

5時間前、夜中に起き出した猫たちのニャルソックが始まった。頼むから寝かせてくれよ、頼むよ、と毛布を深く被った。

最近、眠りが浅いからか、起床までに見る夢には、現実のなかで心に引っかかっている場面や人たちが登場する。内容はいちいち覚えていないけれど、毎回スッキリしない目覚めなのだから、内容もポジティブなものではないのだろう。今朝も例に漏れず、同じような感じだったけれど、唯一違ったのは昨晩寝る前から気分が著しく優れなかったことだ。

だから、朝6時に猫をいつもの部屋へ誘導し、猫用ご飯とお水、環境をセットして、寝室へとんぼ返りしたのだ。もう、嫌な夢は見たくない。せめてあと少しでいいから寝かせて欲しい。それだけだった。

冒頭の「なぉん」に戻る。結構大きな声量だった。たった1時間、されど1時間。その間に何かあったのだろうか、と寝室を飛び出すと、ガラス戸越しにこちらを見上げる猫がいた。

あぁ、何もなくてよかった。
抱き上げると、いつもの何倍もゴロゴロという音を出していつまでも腕の中に収まっている。人間の歳に換算すると、私よりも年上な猫は、いつまでも寝室に閉じこもった私を心配して、ずっと呼びかけていたのかもしれない。

猫の日なのに、猫に心配ばかりかけてしまった自分を情けなく思う反面、そのかけがえのない存在に涙が出そうになった日だった。
私はこの日を生涯忘れないだろう。
出来ることならずっと、ずっと、健やかに楽しく暮らしていけますように。

2023.02.02
とい

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