雪うさぎ【車と音楽の短編小説】

車と音楽が好きなので、車と音楽に因んだ短編小説を書きます。 車好きさん、音楽好きさん、…

雪うさぎ【車と音楽の短編小説】

車と音楽が好きなので、車と音楽に因んだ短編小説を書きます。 車好きさん、音楽好きさん、文章好きさん、よろしくお願いします。

最近の記事

鏡よかがみ

car:FIAT500 music:ゲスの極み乙女 私以外私じゃないの 他人を落とせば、自分の評価が上がると思っている人のなんと多いことか。 イライラは美肌の敵! 仕事が終わっても仕事のイライラを引きずるのはサービス残業! と分かりつつも、人間、腹立たしさはあるもので、それを相手の前で出さずに、個人的空間である自分の車まで持ち帰った私を褒めて欲しい。 職場でサーモマグに淹れたティーパックのジャスミンティーくらいではこの怒りは流れない。 早く帰ってポットでカモミールティーを

    • ハンドルを握る日

      car:clown music:little green monster いつかこの涙が 乾いた電子音の後に、遠くの所属を呼び出す無線が聞こえる。 一件一件のこの呼び出しの先に、人の不幸があるのかと思うと、気が滅入りそうになる。 気が滅入りそうになるといえば、運転席座る男をチラリと横目に見る。 6個年上の部下。優秀な部下。なんなら、密着24.時でちょいちょい特集されてて、イーグルアイなんて大層な呼び名を付けられている部下。 この部下は、この都会と田舎が入り混じるこの県

      • 助手席のあなた

        car:copenGR music:Dream come true 未来予想図II 私と夫の趣味は合わない。 それは、結婚前からの周知の事実。 インドア派で静かな夫とアウトドア派で活発な私。 夫はいつでも意見を求めても、 “君の思う通りでいいと思う” と尊重してるのか、思考を放棄してるのかよくわからない返答をするのだ。 それは、気が強くて考えたり決断したりするのが苦にならない私にとっては僥倖でありながら、夫の決断の権利を奪っている様で、いつもなんとも言えない気持ちにな

        • 一人の時間

          car:ekスペース music: TOKYO No.1 SOUL SET+HALCALI 今夜はブギーバック “はぁ” 車内の空気を私一人のため息が揺らす。 雨粒がフロントガラスを叩くと同時に忙しなく動くワイパーが水滴を押し流していく。 無機質で均等な作動音が耳に残る。 平日が終わる金曜日の夜。私はため息を引きずって帰路についている。 夫が休みとはいえ、かなりの残業をしてしまった。まぁ、私の見通しが甘かったせいなのだけど、もう、この時間だと息子もお布団の中で夢を見ている

          stay tune

          car:RC300h music:Suchmos stay tune 俺の愛車たちは、いつも手が届くギリギリ。ちょっと無理したくらいいい車に乗るのが自分のルールなのだ。 大学の時はランエボ 社会人になって20代半ばでクラウンアスリート そこから2台クラウンを乗り換えて 30台の半ばからレクサスのNX 40になった今はレクサスのRC300h 確かに、毎回、正直身の丈に合うのか疑問な車たちだが、好きな車に乗る事が好きで、それ以外に趣味がないことも相まって決まっていつも、ギ