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2008年映画「蛇にピアス」

原作、金原ひとみの映画。芥川賞受賞作品。原作は読んでいないがプライムビデオのおすすめに出てきたので観ることに。小説が原作の映像作品は小説を先に読むべきと知りながらついつい。

21世紀になって間もない若者の退廃的な世界を描いた作品。主人公ルイは恋愛を通して生きている実感を求めて身体にピアスをしたり舌の形を変えようとしたり刺青を入れたりする。画竜点睛(画人が最後に瞳を入れると竜が飛び去る)。ずっと一緒にいたいからと刺青の龍と麒麟に瞳を入れずにいたルイが、終盤に瞳を入れる。アルコール依存、恋人の死、恋人を殺したかもしれない今の恋人。ルイは龍と麒麟に瞳を入れることで違う自分に、違う世界に行きたいと思ったのだろうか。その後のルイが気になるところである。

私には18歳の娘がいる。今どきの若者はとても真面目なように思う。娘の周囲がそうであるだけなのかもしれないけれど。娘なりに若者特有の憂いなどあるのかもしれない。高校を卒業してからの金髪やピアスなどが物語っているように思う。

私は40も後半になる。いまから何かを変えようとするのは難しい。色んな痛みも経験してきたし世の中に汚いことがあることも知っている。そろそろ悟りの境地に達しても良い頃なのかもしれないが、娘と一緒に少々衝動的に3つ目のピアスを開けた。私もまだまだ痛みによって何かを得ようとしているのかもしれない。

痛みとは何であろう。生きてる実感。覚悟。避けれるものなら避けたい感覚。不思議だ。

最後に吉高由里子さんの体当たりの演技はあっぱれである。

#日記
#蛇にピアス

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