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蛍光灯とお月さま

秋を感じた話です。
昨日までの秋晴れは雲の向こうに影を潜め、小雨が降る朝。総武線のホームをせかせかと歩いていると、頭上がふっとうす暗くなりました。見上げると、ホームに沿って並ぶ蛍光灯が消えたようです。しかも、1つおきに。おそらく、晴天であれば全ての照明が落ちる時刻であるところ、雨天で薄暗かったために半分の照明が残ったのではないかなと思います。
普段なら消えている時間にも灯っている蛍光灯をみて、ああ、秋なんだなと感じました。朝からさんさんと日が差す夏はおしまい。切ないでも寂しいでもなく、ふっと肩の力が抜けるような、そんな感覚でした。

そんな今日の夜は中秋の名月。朝の雨は職場に着く頃にはすっかり上がり、昼過ぎには太陽も出てきて。「お月さま見えるかな?」と浮き立つ子供の傍でお団子をこねてきました。帰り道に空を見上げるとビルの狭間に金メダルのような満月。こちらは何だか、背筋の伸びるような「秋」でした。

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