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幸せは誰が決める?~現代能楽集X幸福論〜能「道成寺」「隅田川」~


「現代能楽集」っていうから何かと思ったら、能の作品をモチーフにしたものではあっても、ふつうの芝居でした。だからすごく入りやすかった!!

世田谷パブリックシアター芸術監督である狂言師の野村萬斎が企画・監修を務める「現代能楽集」シリーズは、芸術監督方針である「地域性、同時代性、普遍性」「伝統演劇と現代演劇の融合」「レパートリーの創造」という
三つの柱にもとづき、古典の知恵と洗練を現代に還元し、現在の私たちの舞台創造に活かしていきたいという考えから、生まれたシリーズです
※公演概要(リリースより)

ストレートプレイ×2を、休憩たったの10分で一気に上演。
すごく贅沢な時間でした!!


瀬戸山美咲 さん作「道成寺」

広告代理店を辞めて独立したばかりの夫と、幸せコンサルタントを名乗りサロンを経営する妻と、医大生の息子という、いわゆる幸せな家族。
でも、世間から見た幸せと、自分の幸せは異なるよね~という、ここまで典型的ではなくとも、多くの人間が当てはまるのでは!?というジレンマを抱えた家族の物語。

私の家族もぶっちゃけ、こういった幸せを求めていた家族でした。父は、どこの学校に行くか、何の職業に就くかに、かなりこだわっていた。(今もw)
ただ幸か不幸か、私が勉強できなかったから、叶わなかった。
学生の頃はその能力が無い自分を呪ったけど、今ではその能力が無くて良かったと思っています。

だけどこの家族は全員が、「できてしまった」。
だから、少しの違和感を抱えつつも、突き進んでいく。
現実でもこういった人たちはたくさんいますよね。

でも、気づいてない(ことが多い)のが恐ろしいところ!!
だって、周りからは「幸せな人」として羨ましがられたりしてるんだもん・・・!
どこかで気付いて、自分の幸せを叶える人生を送ってほしい・・・!!


これを読んでる貴方はどうでしょうか?
どうして今の仕事に就きましたか?
お金のため?家族のため?


「幸せ」に正解はありません。

でもこういった作品を通して
ふと自分を振り返ってみると、気付くことがあるはずです。



長田育恵さん作「隅田川」

万引きをした少女を担当することになった家裁調査官が、少女の抱える秘密に迫っていく物語。別の物語としてボケかけている老人とヘルパーの日常も同時に描きながら、結末に向かっていきます。



※※以降、ネタバレ含みます※※





こちらはね~重かった。
一昔前なら、万引きをしてしまった少女、さらに10代で望まない妊娠してしまった少女にフォーカスがいっていたと思う。
「恋空」とか「14才の母」とか、そういう作品も多かった。

でも今は、あさこさんが演じた役、家裁調査官・真鍋夏帆が抱えていた「妊活」に焦点が当たる。

最初の「病院に行くんです、ああ、病気ではないんですよ・・・例の・・・」みたいな台詞で、妊活とわかった。
そこで衝撃を受けたの。

だってあさこさん自身が妊活を体験された方だったから。

だから、この役をやるあさこさんの気持ちを考えただけで
うわあああああって泣けてきてしまって・・・!!

その後に出てくる、夏帆の言葉も、
あさこさん自身の体験があるからか、響いて、響いて・・・

でね、観てる間ずっと
このキャスティングは敢えてなのだろうか?
そしてそのことについて、あさこさん自身はどう感じてらっしゃるのか?

っていうのが気になってしまって・・・

そしたら

まさかのありました↓(*´Д`)震える・・・

ステージナタリーインタビュー

──瀬奈さんご自身の実感と重なる部分はありますか?

一番聞きたいけど、一番聞きたくない・・・!こんな質問できない(T_T)
(熊井玲さんという方がインタビューされてました。リスペクト・・・!)

瀬奈じゅん
瀬奈 自分の感情を掘り起こすことってすごくしんどいし勇気がいることだと思いますが、私だからできることとか、私だからやる意味がある部分はあると思っているので、今回も包み隠さず、自分をさらけ出して演じていけたらと思います。でもこの作品はつらいですね……。どの視点から見てもつらいんだけど、最後は本当に「自分の幸せとは何か」を見つけるため、歩いていくしかないということに気付かされる。歩いていく力がなかったら、そもそもどこにもたどり着くことはできないから……でもその力は、与えられる気がします。


ああ!!あさこさん、答えてくださってありがとうございます!!

本当にいろんな葛藤があったんだと思います。

でも、この役ができたということは、
きっと今、本当に幸せなんだろうなあ、ということ。
※あさこさんは特別養子縁組でお子さんを授かっています。

だって、この件について自分の中で乗り越えていなければ、この役をやるのは辛すぎて、できなかったと思うから。。。

だからこのインタビューを読んで
とても安心したのでした。

そして、私は宝塚時代にあさこさんに惚れたけれども
こうして退団された後も、あさこさんの演じる役を見ることができて、あさこさんを好きになって本当に良かったですです。(泣けてくる・・・

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