フランスの縁
今日、銀座のカフェでばったり大学の同級生に出会った。
約3年ぶりの再会。
つい先日、別の友人と彼女の話をしており、
仕事辞めようか迷ってたよ、と聞いていたのでちょうど気になっていたところにこの偶然の再会。
何かあるんだろうな。
以前彼女に会ったのは、ちょうど3年前のパリだった。
実は彼女とは徒歩5分以内の近所に住んでいながら、めったに会うことはなかったが
お互い同時にパリに一人旅をしていることを偶然知ったのだ。
それで現地で落ち合って食事を共にした。
それぞれが忙しい東京での日々の中で、どこかもてあましていた孤独と好奇心を埋めにパリに吸い寄せられていたのだ、と今では思う。
彼女は私が昔から憧れていたファッション誌の編集者をしている。
私が知る限りの彼女は、フランスの文学を愛し、深く物事を探求する知的な温かい女性。
だから最初は、ファッション誌の編集者になったと聞いて少し驚いた。
たまたま配属されたとは言うものの、大学院まで進んでフランス文学を学んだ彼女が、ファッションの世界を希望していたとは思えなかったからだ。
だが、そんな彼女がつくるファッション誌の連載ページはどこか詩的で、
ファッションやスタイルについて考えさせてくれるような深みがあった。
彼女なりに真摯に仕事に向き合っているのが伝わってくる誌面だった。
偶然にも、私もその雑誌と仕事をすることが数回あった。
仕事上で彼女とかかわることはなかったが、これも縁だったのだろう。
そんな彼女とばったり日中に出会うのだから、ますます縁を感じずにはいられない。
聞くと、もうすぐ退職してフランスに再度留学するとのこと。
彼女らしい選択だと思った。
私からしたら憧れの仕事をしていた彼女だけど、
やはりより自分らしい人生を歩むことを決めたんだな、と納得した。
私も転職を考える中で、同じタイミング。
そして、お互い今住んでいるところから近々引っ越してしまう。
何度となく交差する人生に不思議な縁を感じながら、
ごはん行こうね、と約束して別れた。
パリで食べたような、チーズとワインがおいしいお店で
フランスとこれからの人生について語れる日が楽しみで仕方ない。
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