madame.y

30年後にカッコいいおばあさんになるための知恵集め。趣味は旅と読書とジュエリー・時計。…

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30年後にカッコいいおばあさんになるための知恵集め。趣味は旅と読書とジュエリー・時計。大学で学んだフランス語は、もはや旅でしか活かされていません。

最近の記事

毎日ハレ

つい最近まで出産育児にしか向いていなかった自分の意識のベクトルが、出産を間近に控えなぜか急に自分自身に向くようになった。 きっかけははっきりとは思い出せないけれど、 おそらくこのコロナの人を内に閉じ込めてしまう状況下と、妊婦であることで以前のようにファッションや行動が思い通りにならなくなったことで自分でも気が付かないうちに自分に自信を失っていることに気づき、 目の前に迫った出産を経たあと果たして子育てをしながら自分らしさを取り戻せるのか、と危機感を覚え始めたからだと思う

    • 自宅での自由時間

      2週間、トイレと食事以外動いてはいけません。 こう言われて私の頭は一瞬真っ白になった。 毎日もぞもぞ動く大事な可愛いお腹の子を守るため…だけど、できるかな…いややらなくちゃ…あーあと2週間で引越しなのに…仕事休むのかー、いろいろやらなくちゃいけないのにどうしよう… いろいろな思いが瞬時に頭を駆け巡ったけれど、私に選択の余地はなかった。 そうして始まった自宅での安静生活。 基本横になっているのはツライ。 パソコンもろくに見えなければ本も読みづらく、いつの間にか寝てし

      • ジュエリーの入り口 結婚指輪編

        多くの女性にとって、最初にジュエリーというものを本気で意識するのは結婚を控えた時らしい。 婚約指輪を買う人は最近減ったと言われているが、結婚指輪はまだ大多数のカップルが買うものだ。 高価なジュエリーなどそれまであまり意識してこなかったのに、急に「一生着ける前提で」指輪を買うなんて、正直かなりハードルが高いと思う。 周りの大人(私よりも上の世代、という意味で)を見ていると、結婚指輪をしていなかったり、サイズが合わなくなってピンキーリングにしている人が意外と多い。 そんな

        • 流産を経験して

          このnoteの記事の流れからして唐突だが、先月初めての妊娠と流産を経験した。 こんなに辛いことが人生にはあるのかと、嫌というほど涙を流し はや3週間。 だいぶ前向きになれてきたので、この瞬間の考えを忘れないよう、残しておきたいと思う。 ------------------------ そもそも私は、20代後半まで正直結婚も子供も、心から欲しいとは思っていなかった。 結婚はいつかしたいな、と漠然と思ってはいたが、その理由も独身ということで周囲に変な先入観を与えたくな

        毎日ハレ

          肌から選ぶファッション

          肌は、その人の印象を大きく左右する一種の装飾だ。 そう思ったのは、先日駅のエスカレーターですれ違った女性を見てから。 白いツイードのジャケットにデニムという上品かつラフで素敵なファッションをまとっていた彼女の肌が とてもきれいに焼けていた。 もし彼女の肌が白かったら、私は目を奪われなかったかもしれない。 ラフな日焼け肌に、「上品」をそのまま体現した白のツイードという 一見相反するものの組み合わせが 予想外の調和とほんの少しの違和感を生み、彼女を一層魅力的に見せて

          肌から選ぶファッション

          自由なほど決められない旅

          来月、旅をしようと思っている。 こんなワクワクと不安が入り混じった旅の計画は、 10年前にヨーロッパを鉄道で一人旅しようと思い立った時以来のような気がする。 今回の旅のテーマは、 「自分にとっての美を徹底的に観察・記憶する」 にしようかと思っているところ。 候補地は、まず行ったことのないフィレンツェ。 ミラノに長く住んでいた知人も絶賛する街の美しさを堪能したいのと イタリアンジュエリー、とりわけフィレンツェ彫に代表されるような繊細なジュエリーやその工房を色々見

          自由なほど決められない旅

          何もしない贅沢

          なんでそんなにパリに何回も行くの?ってよく聞かれるけれど あの美しい街で、何の予定もなく、散歩してはカフェでぼーっとする時間が たまに無性に恋しくなって 結果何度も足を運んでしまう。 行く時々によって 「ヴィンテージショップを巡ろう」 とか 「あの美術館とこの美術館の展示を見よう」 とか 色々軽いテーマはあるのだけれど その合間のカフェでのぼーっとする時間が、大好き。 「あーこんなに日本から遠いところにいる~!」という解放感と少しの淋しさをかみしめる時間

          何もしない贅沢

          生みの苦しみ

          何かを創り出すときには、苦しみが伴う。 いわゆる「生みの苦しみ」は多くの人が経験したことがあると思うけれど、 それって本当に何かを創造するときに必要不可欠なのかな、とふと感じた。 私は商品企画を仕事としているので、 今まで何度も何度も苦しんだ。 思い出したくない出来事も色々ある。 でも、今振り返ってみると 考えすぎて苦しみすぎたうえに形になったものは、 私から見たら自己満足でとっても大事なものなんだけど、 あんまり結果に表れてない気がするのだ。 要は、そん

          生みの苦しみ

          カルティエという名の踏み絵

          今日、一目で記憶に残るほどの素敵なマダムを見た。 マダムといっても、おそらく40代。 ネイビーの上品なノースリーブワンピースから伸びた よく日焼けしたスリムな腕に、 カルティエ パンテールのイエローゴールドブレスレットが圧倒的な存在感を放っていた。 ラフに崩したボブは、無造作でありつつも洗練されていて 彼女のはっきりとした美しい顔立ちを引き立てていた。 手には、黒のケリーバッグ。 足元は黒のハイヒール。 非の打ちどころのない完璧なレディのスタイリングだけれど

          カルティエという名の踏み絵

          断捨離と、捨てられない歴史

          今月末に迫った引っ越しを前に、せっせと断捨離をする今日この頃。 流行りのメルカリをフル活用している。 始めた当初は「売りたい」という気持ちよりも好奇心のほうが勝っていたけれど 今はもう本気で売ることしか考えていない。 価格と説明文をこまめに編集する日々である(暇人)。 そんな断捨離の日々の中で、過去に衝動買いしたリングを3本手放した。 それらを手に入れたときは、どれも一目ぼれ。 よく考えもせず、安い買い物ではないのに(1万~4万だった)即決した記憶がある。 買

          断捨離と、捨てられない歴史

          フランスの縁

          今日、銀座のカフェでばったり大学の同級生に出会った。 約3年ぶりの再会。 つい先日、別の友人と彼女の話をしており、 仕事辞めようか迷ってたよ、と聞いていたのでちょうど気になっていたところにこの偶然の再会。 何かあるんだろうな。 以前彼女に会ったのは、ちょうど3年前のパリだった。 実は彼女とは徒歩5分以内の近所に住んでいながら、めったに会うことはなかったが お互い同時にパリに一人旅をしていることを偶然知ったのだ。 それで現地で落ち合って食事を共にした。 それぞ

          フランスの縁

          あの人は今

          約10年前南仏のニースで出会った、忘れられない女の人がいる。 その人はロシア人の美人。しかも、当時私が憧れていた某モード誌のエディターという職業についていた。 その人がニースにいた理由、 それは、恋人がニースに住むアーティストだったから。 彼女は恋人のアトリエの近くに1週間アパートを借り、バカンスをとっていた。 たびたびそうやって彼女はバカンスを取ってはニースに通っているようだけど 私の眼には2人はいわゆるライトな恋人の関係に見え シリアスではないんだろうな、と

          あの人は今

          若気の至りの効果

          もう10年近く前になる。 ヨーロッパを2か月近くかけて鉄道でまわる一人旅をしていた。 そのうち1か月は、南仏のニースに成り行きで滞在(正確には居候)し、毎日美しい景色や芸術、自由な人々と触れ合う日々だった。 電車を乗り継ぎながら、ユースホステルを転々とする旅。 精神的にも体力的にも タフで怖いもの知らずだったあのときにしておいてよかったなと思う。 私は学生の身で、負うべき責任もなく(強いて言えば日本に帰って大学に戻ることくらい) うらやましいくらい自由だった。

          若気の至りの効果

          おでん

          おでんをつつきながら、 「あ~私、どうなっていくんでしょう?」 とつぶやく私に 「どうなるんだろうじゃなくて、どうするかじゃないか?」 と優しくたしなめる人。 私はこの人を尊敬しているので、素直に聞ける。 尊敬って、やっぱり対話においてはとっても大事だ。

          アグリーなアウトフィット

          私が最もオエッと思う服は、リクルートスーツ。 かくゆう私も7年前、真っ黒のリクルートスーツを一応買い、 あとは気に入ったストライプのスーツを買い のらりくらりと就活してたけど。 結局真っ黒のカラススーツのほうは、2回くらいしか着なかったな。多分。 あとはストライプスーツ(そんなに派手じゃない。ただシルエットがきれいで気に入った)で面接を受け、普通に受かった(1社だけね!)。 一番就活しててオエッって思った瞬間が、忘れもしないあの真夏の暑い日。 とある超大手企業の

          アグリーなアウトフィット

          赤い口紅とロレックス

          >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 特別の装いもしていないのに、ひときわ目立つ女性がいて、いつも惚れ惚れとさせられる。 たいていストレート・ジーンズにコットンのシャツ型のブラウス、素足にサンダルといった格好で、背筋をぴんとのばしている。洗いたてに見える顔に唇だけ真紅に塗ってあり、それが他の部分と対照的に女っぽく、清潔なエロティシズムを感じさせる。指輪も腕輪もイヤリングも、とにかくアクセサリー類はもののみごとに外し去り、彼女が身につけているものはただひとつ、実用

          赤い口紅とロレックス