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猫神さま

時は2000年、蝉の鳴き声が広がる7月の終わり
一人の少女がプールの帰りに、カラスに狙われている猫を見つけた
少女はネコの前に立ち持っていたプールバッグをカラスに向かってぶんぶん振り回した
カラスは断念して何処かへ飛んで行った
少女は振り返って猫を見ると、猫は大層に怪我をしている
よく見ると子猫が3匹猫の下にいた
子猫を守るために親猫はカラスに反撃出来ず、傷だらけになったと言うわけだ

少女は慌ててプールバッグの中からバスタオルを出し猫親子を包み、プールバッグの中に入れて動物病院へ駆け込んだ

先生、先生、猫が、猫が、カラスにやられて傷だらけなの!!!
子猫もいるの!ねぇ先生!

お嬢ちゃん、落ち着いて!
どれどれ?こりゃ酷い!子猫は無事なようだね
お嬢ちゃん名前は?

メイです!小学3年生です!

メイちゃん、先生は今からこの親猫を診るからね
だいぶ時間がかかるからメイちゃんは家に帰ってなさい

家に帰ってもまだ家に誰もいないので、ここで待ちます

親猫を診た先生が出てきた

先生!猫ちゃんは?

難しいね。かなりの傷と出血でね、覚悟は必要かもなんだ
子猫たちをどうしたもんかねぇ・・・・

私がひきとります!

ひきとると言ってもねぇ、親御さんに聞かないといけないね
先生から親御さんに話をしてみるね
お家に℡してくれる?

ママ?今動物病院にいるの。先生に替わるね

メイ?こんな時間まで何やってたの。動物病院?どういう事?メイ!

突然の事ですいません、実は・・・・と、事の経緯を先生がメイの親に話す

電話を切った先生が、子猫を飼うのは許してもらえたよ
ひとまず親猫の最後まで、子猫たちをそばにおいてやりたいので、先生から連絡するから家に帰りなさい

先生、親猫さんと少し会わせてほしいの

いいよ


親猫はぐったりと横になっている
その横に小箱に入った子猫がスヤスヤ寝ている

猫さん、大変だったね。でも子猫たちは無事だよ。

  ”メイと言ったか?助けてくれてありがとう。
  だけど私はもう生きてられないだろう、自分でもわかる
  せっかく助けてくれたのに申し訳ないな”

猫さん頑張ったね、お疲れ様、子猫たちは私が面倒みるから安心してね
泣きながらメイは言った

  ”なんと!本当か!ありがとう!
  じゃぁ暫くこの子たちとの時間を過ごさせてもらうよ”

メイは猫をナデナデして、お別れの挨拶をした

翌日午後4時、動物病院から母猫が亡くなったと連絡が入り
両親と動物病院へ。親は子猫の為にゲージやトイレや餌、必要なものを揃えてくれていた

先生お世話になりました、と両親が先生に挨拶をした

子猫たちはまだ生後1か月満たないと思われます
なので必要であれば12月ごろ去勢手術をしますので、またいらして下さい

先生、母猫のお葬式してあげたいの  パパ、ママいいでしょ?とメイは言った

お父様は確かお坊さんでしたね、よければ奥を使用していただいて結構ですよ、私も参加いたしましょう

猫の葬式はしたことがないが・・・形だけでいいなら、と父親が言った

母猫のお葬式を終え、役所に連絡し、猫の火葬依頼をする

それから時は流れ、メイは3匹の子猫を無事育て上げ、先日立て続けに3匹の猫は老衰していった


空からいつもメイと3匹の子猫の様子を見守ってきた母猫

私の子を面倒見て元気に育ててくれている
あのメイには本当に感謝してもしきれない
神様、私はメイに何もしてやれない、悔しいです

人間にそこまで肩入れするとはな お主も変わった猫じゃのう・・・

神様!

お主がそこまで言うなら、力を授けよう
お主は今日から猫神として、るんたった村へと降り立ち
その場所を誰にも見つからぬよう結界を張るのだ
5年後この世はとんでもないことになる
その時が来たら、メイをこの村に呼び寄せるのだ
メイの助けになる者も呼び寄せるのだ
それまで結界を怠るでないぞ
メイが無事辿り着けたら3年は休むのじゃ
お主のチャクラを復活させるためにな
そして猫神はお前だと言う事はメイには伏せておけ

わかりました、神様
ご使命いただきありがとうございます。

あぁ、これでやっとメイに恩返し出来る・・・・



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丸い社会に移行したい。毎日自由に笑って過ごせる環境に。