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星を見つけた(子:1歳10か月)

夫と私、子の3人で日が暮れる前に外出して、レストランで夕食を食べた。すっかり暗くなった街が窓から見える。
一度来たことがあるレストランだけど、子は落ち着かない様子。もしかすると、外から太陽の光が入らない分、蛍光灯の明るさを強く感じているのかもしれない。食事が来てもソワソワして、いつもなら一瞬でなくなるカレーライスが、いつまでも残っていた。

その帰り道、私はふと、「子が産まれてから外で夕食をとるの、初めてだな」と気が付いた。旅行や帰省先では子の寝る時間を考えるから、夕方に出かけることがない。夫にそのまま伝えて、さらに「夜に夫と歩くこと自体、出産後初かも」と付け加えた。
それぞれ仕事があってバラバラに夜道を歩くことはあるけれど、連れだって歩くのは、何年ぶりだろう。
夫は、確かにそうだね、と答えた。

子に視線を落とすと、空を見上げてお月さまを指差している。昼の月も、夜の月も、見つけると一番に教えてくれる。
「見てごらん。ほらあそこ」
私は子どもの体と重なるようにしゃがむと、夜空を指さして「あれ、お星さまだよ」と教えた。
まだ、イチゴのことを「ゴ」、バナナのことを「ナ」と表現する年齢だ。伝わるだろうか。
子は、手のひらをひらひらと動かした。

キラキラ光る お空の星よ

「きらきら星」のふりつけだ。
あの小さな光る点が「お星さま」だと、伝わったのかもしれない。
私はそれだけで飛び上がるように嬉しくなって、そこから見える限りの星を指さして「あれも星、あれも星だよ」と言った。
その言葉に合わせるように、子の振り付けも少しだけ大きくなる。

私はなんだか満足して、「今日は楽しかったね!」と言った。
夫は、たまには夜に出かけるのもいいね、と答えた。
子は手のひらを、ひらひらと動かしている。

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