思わぬ落とし穴・・・憧れの街ニューヨーク・・・18

諦めることを辞めようと思い、前向きに、本格的に移住に向けて動き出した矢先、思わぬ落とし穴にはまった。
それまで応援してくれていた仲間たちから、〝あまりに不安定な状態で無謀すぎる〟と反対されたのだ。

大金を払いエージェントを通してする語学留学なら、手続きや生活援助をしてくれるが、超ド貧乏の私は何から何まで全部1人でやらなければならない。日米を何度も往復できないため、とりあえず渡米し、短期宿泊をしながらシェアハウスを探す予定でいた。
それは特別な事ではなく、個人で手続きをする多くの人がその方法をとっていた。
確かに安全安心ではないし、危ない橋を渡る可能性もあるのだが、New York移住にはつきものだし、それくらいの知識や覚悟はあった。
けれど、あまりに危険を心配する声と内容の羅列に、怖くなってしまったのだった。

「もしあなたがNew Yorkで死んじゃったら、遺体を日本に運ぶのは誰? 
莫大な運賃を払うのは誰? その人に迷惑がかかるよ。人に迷惑をかけてまで進む夢は叶わないよ」
と責め立てられた。
〝脅かさないでよ。私のやる気をへし折らないでよ。どうして失敗したり、死ぬことを前提で説得するの?〟

何より辛かったのは、夢を語っていた時には大盛り上がりで応援してくれていた人たちが、実際に夢に向かって動き出したとたん、掌返しで反対され、ポツンと孤独に落とされ、気落ちしてしまった。
苦言を呈するのは、私を心配してのことだと理解はできた。
けれど、思わぬトラップに引っかかり、落とし穴に落ちて、再び低いテンションの底に突き落とされた。

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