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【DCEU】コロナ禍唯一の希望、今冬No.1ヒット『WW84』

新型コロナウイルス感染症の流行で思うように新作映画を観ることができなかった2020年。楽しみにしていたものが次々と延期された中、なんとか劇場で観ることができたのが『ワンダーウーマン1984』。前作も今作が公開される流れで知ったので、大迫力アクションを劇場で観れて本当に良かった!この時期にそれを観れていることが幸せすぎて、2回観に行った。そして今作のBlu-rayとDVDが本日4月21日より発売開始となる。いくら金欠であろうとも、必ず手に入れる。

■古い?ダサい?80年代演出

今作の舞台は1984年。これは監督パティ・ジェンキンスが少女時代を過ごした時でもある。彼女はリチャード・ドナー版スーパーマンを観て監督を目指したそう。だから今作はオマージュが溢れている。80年代にワンダーウーマンを撮ったらこうなるだろうなと考えながら観ていた。リンダ・カーター版は未鑑賞だが、演出は似ているらしい。当時のような緩さはあるのだが、今では恥ずかしがってやらないようなことをあえてやっている大胆さが好き。序盤の花嫁を助けて手だけ映り、スピード出した車を蹴飛ばして脚だけ映る所から掴まれた。ショッピングモールでの戦いはアーノルド・シュワルツェネッガーの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」を観ているような愉快さがあった。「昔見ていた懐かしい感じがする」と話していた人も多かったが、私は80年代など縁もゆかりもない世代。だから、ずっと観たかったものが劇場で観れた感じがして堪らなく好きになった。

■”一人の女性”としてダイアナを描く

前作は”ヒーロー”として力強くダイアナを描いていた印象が強かった。女性のダイアナが、男性の兵士スティーブらを助けたり、引き連れたりしていた。力強いギター?のBGMと共に銃弾を跳ね返し、アレスに立ち向かっていた。でも今回は違う。まず最愛の人との時間と引き換えにスーパーパワーを失う。最強戦士ダイアナを弱者として描くことで、”人間らしい”ところが引き立っていた。

■「スティーブ、あなた以外愛せないの…。」

これまで自分の全てを惜しむことなく世界のために、人々のために捧げてきたダイアナ。そんな彼女の唯一の望み、それは50年前に戦死した最愛の人スティーブ・トレバーにもう一度会うこと。ストーンの力でスティーブが戻り、恋人らしいことをして過ごす。出かける前に服を一緒に選んだり、飛行機に乗って花火を見たり、未来の文明を見せたり…。冷静に考えたらこんな時に何やってるんだよ!って思うかもしれない。でも前作では実現しなかったデートをすることで"女性として"ダイアナを描けていたように思う。スティーブが戻ってきた時から、これは永遠には続かないことは分かっていた。この瞬間でしか会えない刹那な感じが素敵ダイアナが救った世界でスティーブは蘇り、スティーブが救った今日でダイアナは幸せに。そして別れダイアナは強敵へと立ち向かうのだが、別れのシーンの2人の表情がヤバい。見つめ合って微笑み、あ互いの前では涙を流さない姿をみて大号泣してしまった。まさかワンダーウーマンで泣くとは思っていなかった。原作にはスティーブ・トレバーJrという孫が出てくるが、映画で出てこられると複雑な気持ちになってしまうので控えて欲しい。


■男として惚れる!スティーブかっこよすぎ問題

今作でスティーブの復活に歓喜したファンも多いだろう。男の私から見てもスティーブはイケメンでカッコ良かった。見た目だけで無く、もちろん中身も。所々でダイアナや子供たちに見せる優しさ、現代を知らない可愛さ。今作のヒロインはスティーブなのかもしれない笑。

■アメコミ映画史に残る名ヴィラン

今回は何よりもヴィランが最高!だった。ダイアナに憧れて力が暴走したチーター、良い父親になろうと奔走し道を踏み外したマックス・ウェル・ロード。

マックスには2度目の涙を流してしまった。息子が「パパ大好き!」と彼に言う。どんな高価な物を買ってあげるより、偉い位につくより、息子のそばにいてあげる、それだけで良い。子供はそう望んでいる。マックスは子供のことを思っていたが故に暴走した。芯は悪ではないので戦わずに説得されて心を洗う。ラストは戦わないのでアクションは比較的少なめ。アクションを期待して劇場に足を運んだはずなのに、物足りなかった感は無く、むしろ満足。2時間40分という長時間、濃厚な人間ドラマで魅せてくれた。アクションだけがヒーロー映画の要素じゃ無いなと改めて気付かされた。

チーターは唯一願いを取り消すシーンが無かった。3の伏線なのか?!

■続編について思うこと

パティ・ジェンキンスが引き続きメガホンを取り制作が決定している「ワンダーウーマン3」。1よりも2の方が伸び伸びと撮っていた印象。自分の撮りたい物をひたすら追い求めて、あまり見ない物を見せてくれた。主演のガル・ガドットも続投する。ガルは前作よりも色気が増し、妖艶さが溢れ出ていた。しかもイスラエルで兵役経験もある彼女のアクションは本当に良い。続編に期待値は上がる一方だが、今作を超える作品を撮って欲しい。

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