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【007 "予習篇"】最低限の予習で、最新作を最大限に楽しもう!

2021年10月1日(金)に日本公開が決まったシリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。「やっと…。この時を待っていた」と思う私のようなファンから、「予告観て面白そうだと思ったけど、シリーズ1本も観たことないんだよな…」という007初心者の方もいると思う。今からならまだ間に合う!!みんなこの記事を読んで、最低限の予習で、最大限楽しもう!

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権利問題や新型コロナウイルスにより、幾度となく公開延期を余儀なくされている『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。

これまで007は6人の名優によって全25本もの映画が作られている。しかし「え?!25本もあるの…」と思う必要はない。最新作を楽しむためには全て見る必要はない。では、どれを観ればいいのか?なぜ複数人が同じキャラクターを演じているのか?そもそも007とは何者なのか?ジェームズ・ボンドの軌跡を辿っていく。

■そもそも007とは?

イギリスの諜報機関MI6に所属しているスパイのジェームズ・ボンド。彼のコードネームが007である。

007とはどう言う意味なのか。
「00(ダブル・オー)」とは殺しのライセンスのこと。つまり任務中であれば人を殺すことが認められている

その00エージェントの7番目、つまり007ということだ。(001〜009が存在して、時々出てくることもある)

公式に人殺しが認められているため、挨拶がわりに敵を殺していく。その寡黙さがそれが魅力でもある。

これにはイアン・フレミングが書いた原作小説がある。彼は実際にスパイとして活動していた経験をもとに小説を書いていた。フレミングのスパイ活動をモデルにした『フレミング/ジェームズ・ボンドを夢見た男』というドラマもある。フレミングは原作の要素を使わせなかったので、タイトルだけ拝借しているものと映画オリジナルのものがほとんど。

原作の1作目『007/カジノロワイヤル』
         2作目『007/死ぬのは奴らだ』
         3作目 『007/ムーンレイカー』
         4作目 『007/ダイヤモンドは永遠に』
         5作目 『007/ロシアより愛を込めて』
※『007/私を愛したスパイ』が超異色作

■007の軌跡

▷初代ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 『DR.NO』007 Official YouTube
https://youtu.be/b15-P12gIf0

初代007を演じたのはショーン・コネリー。彼はスコットランドから移住して俳優となった。下積み時代を経て、無名の状態で『007/ドクター・ノオ』に抜擢。小説のボンド像とは違うと言う意見をかき消すほどの人気に。007=ショーン・コネリーとなるほど。世界的に人気な『007/ロシアより愛を込めて』『007/ゴールドフィンガー』などは、観たことはなくても、一度は耳にしたことがあるのでは無いだろうか。水中戦が圧巻の『007/サンダーボール』、日本が舞台の『007は2度死ぬ』など、コネリーは6作と番外編1作の合計7作でボンドを演じている。残りの一作と番外編は後ほど。しかし、イメージがつくことを嫌い、5作目『007は2度死ぬ』を持って自らボンド役を降板した。

「人は殺すし、女性も抱くボンド」

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『007/ドクター・ノオ』
『007/ロシアより愛をこめて』
『007/ゴールドフィンガー』
『007/サンダーボール作戦』
『007は2度死ぬ』
『007/ダイヤモンドは永遠に』
『007/ネバー・セイバー・アゲイン』


▷2代目ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 
『ON HER MAJESTY’S SERCRET SERVICE』
007 Official YouTube
https://youtu.be/edF7IuytZ3k

2代目007を務めたのはジョージ・レーゼンビー。彼はオーストラリアでモデルとして活動していた。20代でボンドを演じたのは彼だけだった。若さを生かしたアクションシーンが印象的。今回はボンドが純粋に恋する話なので、ショーン・コネリーでは厳しかったと思う。しかしコネリーのイメージが強すぎたせいか、後悔当時は酷評され、僅か1作で降ろされてしまう。確かに、コネリーに寄せているところが良くなかったかもしれない。新たなボンド像を作っていれば、成功したかもしれない。しかし現在ではかなり高く評価されており、彼の『女王陛下の007』をベストに入れる人も少なく無い。

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『女王陛下の007』

「人はあまり殺さないし、
女性も抱かないボンド」

▷初代の帰還

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画像引用元: 『DIAMONDS ARE FOREVER』
007 Official YouTube
https://youtu.be/3MI3Y0KJGlY

2代目の不振を受けて、破格のギャラを条件に7作目『007/ダイヤモンドは永遠に』ショーン・コネリーは再びボンドを演じる。しかしやる気の問題か、アクションにキレが無く、身体のシェイプも劣化していた。この当時は007最初の危機で、不安定な感じが作品にも出ている。


▷3代目ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 『LIVE AND LET DIE』
007 Official YouTube
https://youtu.be/6BySkIYJ18c

3代目007に起用されたのはロジャー・ムーア。コネリーよりも3歳年上の彼は、コミカルでユーモラスな新たなボンド像を確立し、人気を博した。

ムーア初期の『007/死ぬのは奴らだ』ではコネリーのようなハードな雰囲気があったが、『007/私を愛したスパイ』で自分の路線を確立。『スターウォーズ』の影響で宇宙へ行った『007/ムーンレイカー』、大迫力アクションの『007/ユア・アイズ・オンリー』など、最多の7作も出演している。タバコも吸わない、アストン・マーティンにも乗らない、ウォッカ・マティーニをステアではなくシェイクでも飲まない…etc リスペクトはしながらも、コネリーとは違ったことをした。それが成功の理由の一つかもしれない。58歳の最高齢でボンドを演じた彼は、『007/美しき獲物たち』で降板。

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『007/死ぬのは奴らだ』
『007/黄金銃を持つ男』
『007/私を愛したスパイ』
『007/ムーンレイカー』
『007/ユア・アイズ・オンリー』

『007/オクトパシー』
『007/美しき獲物たち』

「人はあまり殺さないが、
出会った女性は皆抱くボンド」

▷007は2度帰還
3代目のムーアが演じた『007/オクトパシー』公開時期に合わせて、別のプロダクションの『007/ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』ショーン・コネリー2度目の復帰。これは『007/サンダーボール作戦』のリメイクだが、ハードさが抜けた本家への警鐘もあり、よく出来ていると個人的には思う。しかし本家には敵わず…。コネリーは何をしてもボンドの呪縛から開放されず、『アンタッチャブル』助演男優賞を受賞するまで、低迷期に陥る。


▷4代目ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 『LIVING DAYLIGHTS』
007 Official YouTube
https://youtu.be/Uzh0JQvoZ48


高齢ということで降板したムーアの後任として『007/リビング・デイライツ』に起用されたのが、ティモシー・ダルトン。シェイクスピア役者の彼は、スパイの非情さを持った生真面目なキャラクターが人気だった。ダイアナ妃は彼のボンドが一番好きだと話す。リアルなスパイ路線で人気をを博した『リビング・デイライツ』、『ダイ・ハード』のような演出が光る『消されたライセンス』の2作のみの出演。

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『007/リビング・デイライツ』
『007/消されたライセンス』


「人は殺すが、(エイズ流行により)
女性が抱けないボンド」


▷5代目ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 『GOLDEN EYE』
007 Official YouTube
https://youtu.be/iB7ZWNlF8DY

ティモシー・ダルトンの後任として選ばれたのが、ピアース・ブロスナン。『007/消されたライセンス』から『007/ゴールデンアイ』までの間が一番長い。これは0072度目の危機。『探偵レミントン・スティール』の大ヒットにより、早くからボンド候補に上がっていた。しかし多忙なスケジュールから、10年の時を経て起用された。
彼はコネリーのハードさ、ムーアのコミカルさの両方を併せ持ったバランス型ボンドだった。

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『007/ゴールデン・アイ』
『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』
『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』
『007/ダイ・アナザー・ディ』

「人は殺すし、女性も抱くし、
女性に抱かれるボンド」



▷初代〜5代目まで
今までのコネリーからブロスナンまでの5人は、一貫して同一人物の設定。俳優が変われば、ボンドの生年月日の設定が変わることはあっても、同じジェームズ・ボンドを演じてきた。よく分かるのが2代目レーゼンビーが『女王陛下』で結婚し、奥様をブロフェルドに殺された。『ダイヤモンドは永遠に』で初代コネリーがブロフェルドに復讐。そして『ユアアイズオンリー』で3代目ムーアが奥様の墓参りをする。など違う俳優が演じているから混乱するが、良く観ると繋がっている。しかし6代目は一味違う。


▷6代目ジェームズ・ボンド

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画像引用元: 『CASINO ROYALE』
007 Official YouTube
https://youtu.be/K60yUNN4SKQ

6代目のダニエル・クレイグに関しては、ストーリーを一新した完全リブート。過去作とは全く関係ない。金髪のお約束無視の新たなボンド像を作り上げた。当初は批判されることも多かったが、『カジノロワイヤル』でシリーズ史上最大ヒットの記録を更新。さらに『スカイフォール 』では最大ヒットの記録を自ら塗り替えた。完全に彼は新たなファンを獲得し、シリーズ成功へと導いた。

007/カジノロワイヤル
007/慰めの報酬
007/スカイフォール
007/スペクター
007/ ノー・タイム・トゥ・ダイ

「挨拶代わりに人を殺すが、
女性はほとんど抱かないボンド」

■最新作のための予習はたった4本?! 

007クレイグ版

ダニエル・クレイグ版の4作(『007/カジノロワイヤル』『007/慰めの報酬』『007/スカイフォール 』『007/スペクター』)を観ておけば、最新作を劇場へ観に行って大丈夫!しかしこの4作は続いているので、公開順で。

過去作を観ておけば、散りばめられたオマージュも楽しめるため、面白さが上がることは間違いない。流石に24本全部は無理!と言う人は、上に挙げた作品の太字になっているものから観てもらいたい。クレイグ版以外は基本的には1話完結なので、どこから観ても問題はない。各ボンドから数本を厳選している。

※日本が舞台の『007は二度死ぬ』、『スターウォーズ』の影響で宇宙まで行った『007/ムーンレイカー』はネタで観てほしい。「え!wwww」と、思わず声を出してしまうほどのトンデモ映画

最新作でダニエル・クレイグはジェームズ・ボンドを引退する(と言われている)。38歳という若さでボンドに起用されてから早15年。もう『007/ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』で引退したショーン・コネリーと同じくらいの年齢。彼の最後の勇姿を観に行こう!

■観る時に注目したいポイント

▷主題歌
公開当時の人気アーティストが担当する主題歌。007を通して、音楽も詳しくなれる!?

▷ボンドガール
やっぱり欠かせないのがボンドガール。みんなは誰が好み?!

▷定番のアクション
007の代名詞とも言えるスキーや列車内でのアクションはもちろん、新しいものはアクションのレベルも高い。昔と飲み比べも面白い!

▷Qの秘密兵器とボンドカー
スパイ映画といえば秘密兵器。この装備品に憧れないやつは男じゃない!?

▷ボンドのスーツや腕時計
トムフォード、オメガ…。英国紳士は装飾品から一級品を。それぞれのボンドで違いもある。

▷ボンドの飲んでるお酒
俳優が変われば、飲むお酒の種類も変わる。

■名脇役たち

▷M: ボンドの上司
▷マネーペニー: Mの秘書
▷Q: 開発担当
▷フィリックス・ライター: ボンドと親交のあるCIA局員

■007あるある

▷ボンドガール寝返りがち
敵組織の女性から情報を得るためベッドに誘う。その後、ボンドの性的な魅力によって寝返っていく。

▷ボンドガールの致死率高め
最初にベッドに入った女性は大体殺される。敵組織の女性で、ボンド側に寝返ったから。

▷初期の敵はバカ
リアルに世界征服を企む仮面ライダーの「ショッカー」みたいな敵が出てくる。秘密基地があるけど、建設中にバレるだろ笑笑。


▷ヒット作に影響受けがち
ジョーズっていう敵がサメに襲われたり、ボンドがカンフーしたり、そして宇宙へ…

▷ベッドシーンや女性の演出が無駄にエ○い
『黄金銃を持つ男』が特に❤️

▷Qの秘密兵器最強
阿笠博士もびっくりの秘密道具。

▷ジュディ・ディンチのMが怖い
存在感に萎縮してしまう。

▷みんな違ってみんな良い
コネリーのハードさ、レーゼンビーの若さ、ムーアのコミカルさ、ティモシーの生真面目さ、ブロスナンの安定さ、クレイグの新さ、どれもボンドに欠かせない。

▷推しボンドガールは譲れない
コネリー版はクローディーヌ・オージェ、レーゼンビー版は(一人しかいないけど)ダイアナ・リグ、ムーア版はバーバラ・バック、ティモシー版はマリアム・ダボ、ブロスナン版はデニス・リチャーズ、クレイグ版はエヴァ・グリーン

▷『ムーンレイカー』、割と好き
『スターウォーズ』ヒットによるSFブームの時代でボンドは宇宙でのミッションを担当する。ラスボスは宇宙空間に投げ出して倒すし、ボンドガールとの無重力ベッドシーンで物語の幕は閉じる。酷評ムードだが、何か好きなんだよな笑

▷「ゴールドフィンガ〜♪」のメロディが耳に残る

ポール・マッカートニー、デュランデュラン、シーナ・イーストン、など数多くの名アーティストたちが担当してきた主題歌。それぞれ好みはあると思うが、「ゴールドフィンガ〜♪」の雄叫びのような響きは一生忘れられない。

▷バーバラ・バックとバーバラ・カレラ、混乱しがち
『007/私を愛したスパイ』のボンドガールを演じたバーバラ・バックは『ドクターモリスの島』、『007/ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』のボンドガールを演じたバーバラ・カレラは『ドクターモローの島』に出演。

▷権利問題で揉めがち
スペクターを出せない時代があったり、小説の権利があるとか無いとか…。コロナ前から公開延期もしばしば。

▷親と一緒には絶対に観れない
初期の頃は特にそうだが、出会った女性全員と寝る勢いでベッドに入る。家族とは観れないし、親が観てたら席を外す。

■世界中で愛されるボンド

▷『インディ・ジョーンズ』
巨匠スティーブン・スピルバーグが「007を撮りたい!」と思っていたが叶わず、自分で撮ったのが『インディー・ジョーンズ 』。

『魔宮の伝説』でインディが着ていた白いタキシードは、ボンドのオマージュ。

毎回変わるヒロインの女性はボンドガールのよう。タフで強かったり、か弱かったり、裏切ったり…etc

『最後の聖戦』ではインディの父親役で初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーを起用。『007/美しき獲物たち』で脇役を演じたアリソン・ドゥーディがヒロイン。


▷クリストファー・ノーラン
尊敬する人物は?と聞かれたら「ジェームズ・ボンド!」と答えるほどのファンだというクリストファー・ノーラン。彼の映画の中には007オマージュがいっぱい。印象的なのは『インセプション』の雪山シーン。

■最後に

皆さんは、

☆誰のジェームズ・ボンドが好きか
☆どの作品が好きか

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■告知!

↓007関連の記事は他にも投稿しているので、
そちらもご覧ください。

▷『007/カジノロワイヤル
(6代目クレイグ1本目)

▷『007/慰めの報酬
(6代目クレイグ2本目)

 ▷『007/スカイフォール
(6代目クレイグ3本目)

 ▷『007/スペクター
(6代目クレイグ4本目)

 ▷『007/ ノー・タイム・トゥ・ダイ
(6代目クレイグ5本目)

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