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ユキガオのエッセイ

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日々思ったことや考えたことを綴るノートのまとめ。
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2016年3月の記事一覧

便利さに毒されて。

便利さに毒されて。

一眼レフの望遠レンズを使っていると、ついつい被写体に寄った写真を撮ってしまう。アップの写真は、分かりやすいからだ。何を撮りたいのかはっきりするし、背景がボケるので綺麗な写真に見えやすい。

そのような写真には、当たり前だけれど、その被写体しか写らない。「それでいいじゃないか」と言われそうだが、「それだけではダメなのだ」と言いたい。

写真には、その場の「雰囲気」や「空気感」といった言葉にできないも

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あの日と、それからのこと。忘れない、忘れてはいけない。

あの日と、それからのこと。忘れない、忘れてはいけない。

いつも通り、オフィスの席で仕事をしていた。のどかな金曜の午後だった。それは突然のことだった。

14時46分すぎ、じわっと体が揺れた。建物自体が、横にゆらゆらと揺れている感覚だ。どうやら私だけでなく、周りの人たちも異変に気付いたようだ。そこかしこで声が聞こえた。

「地震?」

その揺れは長かった。今まで経験したことのないほど長く、誰もが「なんだかおかしい」と感じていた。だけど、揺れが収まるとまた

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こんな、朝時間の過ごし方。

こんな、朝時間の過ごし方。

部屋のカーテンの隙間から太陽の光が差し込む。夢と現実の間で朦朧としていた私の意識が、少しずつ引き戻されていく。

あったかい布団の中で「んっ」とひとつ伸びをすると、ようやく目が覚める。体を起こして靴下をはいた後、カーテンを開ける。思い切り、シャッと音を立てて開けるのが好きだ。一日の始まりの音。

その足でキッチンに向かう。お湯を沸かすためだ。電気ポッドではなく、あえてやかんを使っている。水を入れた

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贅沢な時間。

贅沢な時間。

菜の花の写真を撮りたくて、菜の花がたくさん植えてあるという農園へ行った。

そこには確かに、一面の菜の花畑が広がっていた。しかし、ただの観賞用ではなかった。農園というだけあって、収穫ができた。

まだ花の咲いていない「なばな」をビニール袋にいっぱい、収穫した。さらに、菜の花も10本だけもらえるということで、適当な長さに切って摘んでいった。

もちろん、写真も撮った。一面の菜の花は、撮るとふわふわの

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心に余裕がないと言葉が出てこないらしい。

心に余裕がないと言葉が出てこないらしい。

なんとなく、noteが書けなくなっていた。

書くことはあるけれど、言葉が出てこない感じ。自分の頭の中を言葉にできない感じ。

ブログは更新していた。ブログに書くことは割と「ネタ」から作っていることが多いから、ストックさえあれば書ける。

noteでは、自分自身の体験からくる想いを言葉にしているため、「体験」がどれだけあっても、そこから何かを感じ取る感性が鈍ると途端に書けなくなるのだ。

ここ最近

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故郷の匂い。

故郷の匂い。

海の町で生まれ、育った。そこは、潮の香りがする町だった。

私の故郷は、海に面した町で、魚がとても美味しい。昔、祖母が水産加工場に勤めていたので、よく魚を持って帰ってきてくれた。幼い頃はその魚を毎日のように食べていた記憶がある。

その水産加工場は、家から少し下ったところにあって、独特の匂いがしていた。磯と、魚の生臭さとが混ざったような匂いだ。車で通る時はできるだけ窓を閉めていたくなるような、そん

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