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ピカソ、ルノワールなど、作品総額3億円のアートオークション「ArtXAuction」を明日3/16(土)に小笠原伯爵邸にて開催いたします

この度、アイザックのグループ会社であるArtX株式会社では、アートオークション「ArtXAuction」の開催を予定しております。約2年間の準備期間を経て、本イベントを実現することができました。このオークションに寄せる私たちの想いを、チーム代表としてお伝えします。

※本オークションに関しては、数多くのメディアで取り上げられました。いくつかの記事を紹介させていただきます。

ArtXの始まりについて

食、ワイン、旅行を経験し積くした私は、次にアートの世界に魅了されました。その後、大竹伸朗やKYNEの作品を購入する過程で、アート業界が他産業に比べてイノベーションが乏しいことに気づきました。

アート市場に不慣れな方も多いかと思いますが、グローバルな視点で見ると、市場規模は以下の通りです。

  • プライマリー市場: 約650億米ドル(約8兆8500億円) - ギャラリーなどがコレクターに直接作品を販売する初回市場です。

  • セカンダリー市場: 約640億米ドル(約8兆7000億円) - オークションやディーラーが作品を再販する市場です。

これらを合わせると、約16兆5000億円の巨大市場が形成されています。

しかし、この市場はサザビーズやクリスティーズといった老舗が主導する閉鎖的なものであり、新規参入が非常に困難です。特に日本のようなアートの後進国では、この問題はさらに顕著です。私は、テクノロジーの活用により、アートをより身近で包括的なものにし、その排他性をなくすことが可能だと信じ、2021年4月にArtXを設立しました。

アイザックでArtXを立ち上げる意義

アイザックのパーパス

ここで少しだけ脱線しますが、ArtXを設立する背景にあるアイザックの企業としての魅力についてお話しします。

ArtXは、長らく革新の見られなかったアート業界にテクノロジーを導入し、変革を促すことを目的としています。しかし、伝統が色濃いこの業界での変化は容易ではありません。変革は徐々に進み、その影響は数年後に顕著に現れると予測しました。

初期の戦略立案では、スタートの3年間は売上がほぼゼロに近い状態が続くものの、その後売上が急速に伸び、最終的には年間売上が数千億円に達する可能性があると結論づけました。

このようなビジョンをベンチャーキャピタルに提示しても、最初の3年間ほぼ売上がないプロジェクトに投資するところは少ないでしょう。しかし、アイザックは100%自己資本による運営であり、このような挑戦的なプロジェクトに取り組むことができるのです。「最終的に大きく成長する可能性があり、挑戦すること自体にワクワクするならば、挑戦しよう」というのがアイザックの姿勢です。

この視点から見ると、アイザックは非常に魅力的な企業であると改めて感じています。

ArtXAuction事業責任者の門間理子との出会い

ArtX立ち上げに際し、最初に「ArtXCloud」というアートギャラリー向けのSaaSプラットフォームを開発しました。これは顧客情報、作品情報、取引履歴をオンラインで管理するサービスです。このプロジェクトは、私が初めて作品を購入した「Yukiko Mizutani」ギャラリーとの協力によって実現しました。

このサービスの成功を受け、次なる目標である「オークション」の開催に向けた準備に移りました。しかし、オークションの運営には未知の課題が多く、新たなチームメンバーの加入が必要となりました。

この時、過去に作品を購入したことがあるアーティスト、門間理子さんを思い出しました。彼女はニュージーランド生まれで、14歳で米国へ留学し、化学工学を専攻後、化粧品業界での経験を経てアーティストとして活動を開始しました。理子さんはアート業界の改革に共感し、一緒に革新的なオークションを創り上げることを決意しました。

2022年9月、これがArtXAuction事業の始まりでした。

キュレーションの力でオークションに物語を

ArtXAuctionを立ち上げる際、我々は「伝統的なオークションとは一線を画し、アート業界に新たな価値を提供する」という目標を掲げました。
理子さんはオークションの知識を深めるために3か月間の猛勉強を志願し、その結果、キュレーションに重点を置いたオークションの構想が生まれました。
異なる文明や時代を通じて選ばれた作品を展示し、時代を超えた芸術の普遍的な魅力を伝えることで、作品とコレクターの間に新たな教育的な架け橋を築くことを目指しました。

世界中から集められた出展作品

オークションのテーマが定まった後、世界各地から選りすぐりの作品を集める作業に移りました。特に、世界有数のアートイベント「アートバーゼル」での出会いを通じ、ルノワールやピカソなど、多様なアーティストの作品を獲得しました。

2023年6月に開催されたアートバーゼル
(第1回ArtXAuction出品作品)ルノワールの風景画
(第1回ArtXAuction出品作品)ピカソによる陶芸作品

オンラインビッティングシステムの開発

ArtXが目指すアート業界の変革を支えるため、使いやすいオークションのウェブシステム開発にも力を入れました。プロダクトチームは、リアルタイムでスムーズにビッディングできるUI/UXについて徹底的に議論し、その結果を形にしました。

ビット画面

補足ですが、この事業に対して私自身も大きなコミットメントをしたく、artx.comというドメインを自費で10万ドル(約1500万円)で購入しました。

東京都選定歴史的建造物「小笠原伯爵邸」でのオークション開催の意義

小笠原伯爵邸

私たちは通常のオークションハウスが選ぶ白壁のギャラリースペースとは一線を画し、東京都選定歴史的建造物である「小笠原伯爵邸」での開催を選択しました。
この場所を選んだのは、アート作品が実際の家庭環境に飾られたような状況で鑑賞できる体験を提供し、親しみやすいアート体験を創出したいという思いからです。
100年以上の歴史を持つこの邸宅で、様々な時代や文明を越えたアート作品を楽しんでいただくことで、作品が日常生活に溶け込む姿を想像していただきたいのです。
このようにして、アートの排他性を取り除き、より身近で包括的な体験を提供することは、ArtXチームのミッションにとって不可欠でした。

終わりに

ArtXAuctionチームは、理子さんや幼少期からアートに囲まれて育った和多利有さん、ギャラリーディレクターだった入木龍生さんなど、多彩な才能を持つメンバーで構成されています。この2年間、一緒に準備を進めてきたチーム全員に心から感謝を表します。

ついに、明日、世界各国から集めた3億円分のキュレーションされた作品で、第一回目のアートオークションを開催します。
テーマは「Perennial」。
時代や文化を超えた永続性を持つ作品を集め、古代からモダンアートに至るまで、多岐にわたる芸術作品を展示します。オーギュスト・ルノアールの風景画やルシアン・フロイドの手紙など、各作品に秘められた独自の物語を通じて、アートの新たな理解とつながりを探求していただきたいと思います。

オークションはオンラインでも参加可能です。
興味のある方は、以下のURLからご参加ください。


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